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平成22 年度永年勤続医療従事者表彰式 173名が表彰される

理事 佐久本 嗣夫

去る11 月18 日(木)午後7 時30 分からパ シフィックホテル沖縄に於いて、平成22 年度 永年勤続医療従事者表彰式が行われた。

同表彰式は会員が開設する医療機関及び医師 会に20 年勤務する医療従事者に対して行うも ので、当日は新垣善一沖縄県医師会代議員会議 長、来賓に奥村啓子沖縄県福祉保健部長ご臨席 の下、今回は57 施設から173 名の方々が表彰 された。

始めに、宮城信雄沖縄県医師会長から受賞者 への挨拶として「昨年夏の歴史的な政権交代に より、社会保障費2,200 億円削減方針が撤廃さ れ、今回の診療報酬改定も10 年ぶりのプラス 改定として、明るい展望が開けるかに思えまし た。しかしながら、その改定率は僅かなもの で、地域医療を担う中小病院、診療所にとって は極めて厳しい内容となり、崩壊しつつある地 域医療を立て直すには厳しく、甚だ不十分なも のであります。

また、本年6 月発足の菅内閣において、経済 成長、財政健全化、社会保障改革など「新成長 戦略」が閣議決定され、医療を経済成長戦略の 一つの分野と位置づけ、「医療ツーリズム」等 の推進が図られている状況にありますが、混合 診療のなし崩し的な拡大が懸念され、今後の推 移を見守っていく必要があります。

このような中で、地域住民の健康を担う私共 医療関係団体は、地域医療の再生と国民に公 平、かつ安心で安全な良質の医療を将来にわた って提供できるよう、各医療関係者が連携を密 にして取り組んで行かなければなりません。

幸いにして、今回表彰を受けられる皆様は、 非常に経験豊かな方ばかりでございます。永年 培った経験や知識、技術を活かし、それぞれの 立場で良質な医療の提供に努め、後輩の指導に もご尽力を賜りたいと思います。」と激励の言葉があった。

続いて、宮城会長より各施設の代表者へ表彰 状と記念品目録の授与が行われた。

来賓挨拶として、奥村部長から「この度、永 年勤続の表彰を受けられました173 名の皆様、 誠におめでとうございます。これまでの20 年 の長きにわたり、沖縄県の保健・医療・福祉の 向上に取り組まれ、貢献されたことが高く評価 されたものであり、そのご功績に対し、深く敬 意を表します。

近年、医療を取り巻く環境は大きく変化して おり、沖縄県民の保健・医療・福祉に対するニ ーズは益々高度化・多様化し、その解決に向け た取り組みが重要な課題となっております。

このような中、医療業務に携わっておられる 皆様におかれましては、医療現場をはじめ沖縄 県民の健康に関わる多くの分野で、積極的に取 り組まれていることに対し、心から感謝申し上 げます。

今後とも、健康福祉社会の実現と安全・安心 な生活の確保に向けて中心的な役割を担ってい ただけるものと期待しております。

沖縄県におきましては、患者、利用者の視点 に立った医療の確保や予防対策の推進並びに地 域医療の質の向上と医療提供体制の整備に取り 組むことで、総合的な保健医療体制の確立に努 めていきたいと考えておりますので、なお一層 のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上 げます。」とお祝いの言葉が述べられた。

賞状を受けとる被表彰者

引き続き、受賞者を代表し、いずみ病院看護 師の春山和彦さんから「本日は、私達のために このような盛大な表彰式を催していただき、心 より感謝申し上げます。県医師会会長の宮城信 雄様、沖縄県福祉保健長の奥村啓子様から身に 余るお言葉をいただき、感謝するとともに大変 恐縮致しております。

今、受賞者それぞれが20 年前、緊張した面 持ちで就職したあの頃を、懐かしく思い出して いるのではないでしょうか。一ヶ所の職場で20 年も勤務するとは、その時点では想像も出来な かったと思います。

その頃、新人だった私達が今日の表彰を頂け ますのは、理事長先生をはじめ諸先生方のご指 導、ご支援があればこそだと感謝申し上げます。

また、苦しい時、辛い時、職場を辞めたいと 思った時、常に相談にのり、自分を支えてくれ た職場の上司や同僚、時には声を掛けてくれた 患者様、そして、何よりも家族に改めて感謝を 申し上げたいと思います。

私達は、今後もこの表彰を機に、もう一度初 心に戻り、そして感謝の気持ちを忘れることな く、それぞれの立場で患者様の為に最善を尽く し、また地域医療充実のために微力ではござい ますが、さらに精進し頑張っていきたいと思っ ております。

最後になりましたが、今後の沖縄県医師会の 益々のご発展を心よりお祈り申し上げ、お礼の 言葉といたします。本日は誠にありがとうございました。」と謝辞が述べられた。

謝辞を述べるいずみ病院看護師、春山和彦さんと被表彰者の方

表彰式終了後に行われた懇親会は、新垣議長 の乾杯の音頭で祝宴に入り、被表彰者の所属す る施設長や同僚が多数参加し、受賞者の永年の 労をねぎらい盛会のうちに終了した。

なお、同表彰式は毎年11 月に開催している。 被表彰候補者の推薦については、各医療機関並 びに各地区医師会において、申請漏れのないよ うお願いしたい。

懇親会の様子

被表彰者とお祝いに駆けつけた病院関係者

被表彰者とお祝いに駆けつけた病院長及び病院関係者

印象記

佐久本嗣夫

理事 佐久本 嗣夫

今回、永年勤続医療従事者表彰式に司会者として参加させていただきました。今年度は昨年に も増して57 施設から173 人が表彰を受けられました。式典へ参加されたのは110 人とやや減りま したが、随行者が98 人と大きな式典となり、粛々と進められ滞りなく終了しました。この疲弊し つつある医療界の中で一つの医療機関に20 年間勤めあげることは大変なことだったと思います。 ご本人はもちろん施設管理者にも深く敬意を表したいと思います。その後、懇親会では一変して 和やかな雰囲気となり大勢の随行者も同席してにぎやかで和気あいあいとした懇談が始まりまし た。参加者は皆さん明るい顔で仕事に対する活力を感じつつ盛会のうちに懇親会は終了しました。 式典、懇親会と参加してみて毎年これだけ大勢の方々が献身的に働き表彰されるということはこ の厳しい状態の医療界においても明るい未来があると信じます。