理事 玉井 修
去る7 月25 日(土)、パシフィックホテル沖 縄において、標記公開講座を開催致しました。
沖縄県の特定健診受診率は26 %と決して良 くはありませんが、他府県が基本健康診査の頃 よりも軒並み受診率を落としたため相対的な比 較をすると全国23 位となります。受診率全国 ワーストのレッテルは返上できましたがこれは 保険者の積極的な受診勧奨の呼びかけと、沖縄 県医師会が締結している集合契約によって市町 村が特定健診に取り組みやすい環境を整えてい るという事が大きな要因だと思われます。昨年 暮れから春まで、特定健診の集合契約に関して は何度も暗礁に乗り上げました。沖縄県医師会 事務局と一緒に、それこそ胃のキリキリ痛むよ うな調整会議を何度も切り抜け、その度に「こ の集合契約をどのような形でも守ることができ たら我々は胸を張っていい!」と励ましあって 何とか集合契約まで漕ぎつけました。
今回こうやって特定健診に関しての県民公開 講座を開催する事ができ、感慨無量でした。県 民に良質な特定健診を提供するために様々な立 場の、多くの人が大変な努力をしています。多 くの関係機関が特定健診というプロジェクトに 悪戦苦闘しながら一緒に汗をかいています。も う駄目だ、と思ってからの一踏ん張り、決して 諦めない気持ちの大切さを学びました。
県民公開講座に集まった多くの県民を見なが ら思いました。対外広報のこの様な活動も常に 県民の側に発想の根本があるべきだと。沖縄県 医師会は県民と伴に歩むという姿勢を具現化す る場として県民公開講座はあるべきだと思いま した。
沖縄県福祉保健部医療制度改革専門監
平 順寧
昭和52 年 琉球大学保健学部卒業
昭和52 年 県庁へ入庁
昭和59 年 中央保健所勤務
以降、コザ、石川保健所、本庁で勤務
平成19 年 福祉保健部医療制度改革専門監
1 県民の健康の現状について
本県における県民の健康に関連する状況は、 どのようになっているのでしょう。
○健康長寿おきなわとして誇れること、( ) 内は、反面、誇れないこと
○課題となっていること
上記の例は、主なものですが、本県は、健康 課題の結果の現れとして、老人医療費の中で入 院割合が全国一高いことが厚生労働白書(19 年版)で指摘されています。復帰直後まで医療 提供体制が脆弱な状況を経ながら、高齢者や先 人の方々が苦労を重ね造り上げてきた「命どう 宝の島」は、「健康長寿おきなわ」のブランド 名で全国に発信され、観光立県沖縄をはじめ 様々な分野に貢献してきております。
しかしながら、現状は、健康課題がますます 増えている状況であり、県民一人ひとりが健康 の保持増進を図りながら、子や孫にも「健康長 寿おきなわ」のブランドを維持・継承していく ことが求められております。
2 今後、我々がすべきことは何でしょう。
本県の男性の平均寿命が大きな課題となって いますが、実は男性の65 歳以上の平均余命は、 未だ全国一位を保っており、40 歳で全国20 位と 急激に低下していることが大きな問題なのです。
また、メタボリックシンドロームの該当者や 予備群の者が男女とも多いことは、生活習慣病 の発症リスクが高いことを示しております。
このことから、生活習慣病を発症する割合が 高い40 代以上の壮年期等の方々に対して特定 健診、がん検診等の受診率向上を図ることが重 要な対策になります。
一方、健康課題が増えている中で、本県にお いては国民生活基礎調査で「健康だと思ってい る。」人が日本一多いとされています。これは、 病気が悪くなっても「たらい回しをしない医療 により、いつでも治してくれる。」と思ってい る人も多いのではないでしょうか。
今、治療の放置等により入院する割合が多 く、そのことが医師や看護師等の加重労働に拍 車をかけています。
「健康長寿おきなわを維持・継承するために」、また、「たらい回しをしない医療提供体制 を維持するため」にも、県民一人ひとりが毎年 1回の健診を受けて、身体チェックを行い個人 毎に応じた食生活や運動習慣をつけること、治 療が必要な場合は、重度な状態にならないよう に早期に受診することが重要です。
このようなことを踏まえ、医師会、国保連合 会、県、市町村では、連携を深めながら、県民 への普及啓発を推進しております。また、県内 の多くの医療機関が特定健診等の協力機関とな り、「県民が県内のどこでも健診が受けられる 体制づくり」を構築してきました。
健診には、集団健診と個別健診があります。
集団健診は、市町村が各地区毎に年に1〜2 回の頻度で実施しております。
集団健診は、特定健診、長寿健診、がん検診 等いくつかの健診等が同時に受けられるメリッ トがあります。(市町村によって同時に受けら れる健診の種類が違います。)
また、集団健診の日に都合がつけられない方 は、地域の特定健診等の協力医療機関で個別健 診が受けられます。
個別健診の医療機関では、平日の診療時間内であればいつでも、さらに待ち時間も短く受け られるメリットがあります。
個別健診の医療機関は、玄関口に「特定健診 できます」や「長寿健康診査できます」又は 「がん検診できます」等のステッカーが貼られ ていますので、確認しましょう。
「県民一人ひとりが」「周りの人にも声かけ て」みんなで健診を!、そのことで子や孫にも 「健康長寿おきなわ」の誇り、良さを維持継承 しましょう!
沖縄県国民健康保険団体連合会事業課長補佐
新里 成美
昭和63 年 県立南部病院勤務
平成2 年 西原町役場勤務
平成5 年 沖縄県国保連合会勤務
1.沖縄県の特徴
全国から沖縄の位置を見てみましょう。
○生活習慣病に関係あるデータ
4年毎に行われる国勢調査の結果をもとにし た、都道府県別飲食店数(企業調査)、家計調 査という統計データで見ると、
○健診
・昨年から始まった特定健診の受診率は 26 %で全国23 位(全国平均)
しかし、国は健診受診率65 %と高い目標を掲げています。目 標が達成できないと、 後期高齢者支援金が 10%加算されます。今 の現状で試算してみ ると、沖縄県全体で 19 億円という莫大な お金を納めないといけ なくなります。
このお金は誰が払 うのでしょうか?… …そうです。皆さん の保険料になります。
○医療費と介護費
・なんと1人あたり老人医療費が100 万円を超えてしまいまし た。介護保険が始まった頃は、78 万円で したので、22 万円も増えています。
・介護費も全国第3位で、医療費と介護費を 足し算すると、1人平均130 万円もかかっ ていることがわかります。
○透析患者数
・沖縄県は透析を受けている方が、現在 3,886 名で全国で第5位です。
今から25 年前は700 名ほどでしたが、年々右肩上がりに伸びている状況です。
○医療のかかり方
・外来受診率が全国最下位で、入院受診率が 高い。普段は病院へかからず、重症化して 病院へ行くのでしょうか?
また、65 歳以下の若くして亡くなる方 が、全国で男性1 位、女性5 位で、働き盛 りの稼ぎ手が亡くなっています。
2.沖縄県の特定健診
昨年から始まりました特定健診、ご存知でしょうか?受診券が手元に届いていますか?
生活習慣病は、ほとんどの場合、自覚症状が ないまま進行します。自覚症状が出たときに は、病気がかなり進行している状況です。
特定健診は、「自分の今の身体の状態を知る」 大切な検査です。また特定健診の検査項目は、 全国統一(標準化)されていますが、沖縄県の特 定健診は、上記で見てもらった実態を踏まえ て、慢性腎臓病も判断できる検査(血清クレア チニン、血清尿酸、尿潜血)項目を入れ込みま した。
腎臓の能力をみるために、大切な指標となる 「GFR(腎臓の能力)」という言葉があります。 是非覚えて下さい。家族にも近所の方にも教え て上げて下さい。
腎臓の能力が100%だとGFR100、60%しか ないとGFR60 になります。
あなたの腎臓の能力(GFR)はどの段階でしょ うか?特定健診を受ければ、判断できます。
那覇市医師会生活習慣病検診センター所長
崎原 永辰
昭和62 年 秋田大学医学部医学科卒業 琉球大学医学部 脳神経外科
平成8 年 デンマーク・コペンハーゲン大学留学
平成13 年 那覇市医師会 生活習慣病検診センター 副所長
平成21 年 那覇市医師会 生活習慣病検診センター 所長
・日本脳神経外科学会専門医
・日本医師会認定産業医
・日本人間ドック学会専門医
平成20 年から全国で始まった特定健診は、 生活習慣病を減少させるために健康診断と保健 指導がセットになっており、生活習慣の改善が 最終ゴールです。生活習慣病とは、好ましくない食習慣・運動習慣・飲酒習慣・喫煙習慣・ 睡眠などの生活習慣が原因で発症し、進展する 病気の群を指し、慢性疾患として身近な高血圧 症、脂質異常症、糖尿病などが代表的なものと してあげられます。これらの疾病は、重症にな らないと殆ど自覚されないため、予防的な対策 が重要です。予防的な対策とはまずは生活改善 で、具体的には減塩、間食を減らす、偏食をし ない、油分を摂り過ぎない、腹八分を守る、ウ ォーキングなど軽い運動を始める、禁煙を実行 する、休肝日を作る、睡眠を充分にとる、など があげられます。
しかしながら、長年繰り返されてきた生活習 慣を変えるということは容易なことではありま せん。その理由は、一つには生活習慣病が気づ かれにくいため、生活を改善しようという意識 が湧かないことがあります。物事に対する意識 の変化の段階には5 段階あり、無関心期、関心 期、準備期、実行期、維持期に分かれますが、 無関心の状態にある人にいくら生活改善を促し てもなかなかうまくいきません。無関心期には 情報提供をしてまず関心を持ってもらうこと、 関心期には変化を動機付けること、準備期には 具体的活動を計画・支援すること、実行期・維 持期には持続的な活動を見守って励ますことな ど各段階に応じた支援が必要となります。理由 の二つ目に、生活環境が常に人々の生活習慣に 悪影響を及ぼしていることがあげられます。例 えば、忙しすぎて時間的なゆとりがない場合 や、逆に便利な生活を享受しすぎることは、運 動不足、過食、アルコールの多飲、睡眠不足な どの好ましくない習慣につながります。
それではこのような状況で、生活改善を意識 するためにはどうすれば良いのでしょうか。そ れには特定健診を大いに利用することです。特 定健診を受診し、その結果を自分の生活習慣と 関連付けて充分に理解することが生活改善に最 も大きなきっかけとなります。必要な人には保 健師、栄養士、運動療法士による具体的な生活 改善のアドバイスがなされるため、実行期・維 持期の持続的な変化が期待できます。「健診受けてちゃーがんじゅー」のためは、まず健康診 断を通じて健康に関心を持ち、自己管理能力を 醸成していくのが最も近道であると思います。
国立病院機構沖縄病院院長
石川 清司
昭和49 年 岡山大学医学部卒
日本外科学会認定専門医・指導医
日本胸部外科学会認定指導医
日本呼吸器外科学会認定指導医
日本がん治療認定医機構暫定教育医
琉球大学医学部臨床教授
はじめに
「がん」は恐いというイメージが強いもので す。しかし、事実は違います。どのような病気で も、早期の病気は治ります。進行した病気が手 強いのは事実です。医学は、診断技術も治療技 術も着実に進歩しております。「検診と健診」に より、治る段階での病気の発見に努めましょう。
検診と健診
「検診」は、特定の病気を発見し、早期に治 療を行うことが目的です。がん検診やアスベス ト検診、糖尿病検診などがあります。
「健診」は、健康状態を確認し、健康上の問 題がなく、社会生活が正常に行えるかどうかを 判断します。学校健診や就職時健診などがあり ます。
がん年齢に達してからは、がん検診とかかり つけ医による健診(健康チェック)の両者が必 要です。
がん検診の基本的な条件
(1)そのがんになる人が多く、また死亡の重
大な原因であること
がん検診の対象者は健康な人です。頻度の
少ないがんは検診の対象にはなりません。
(2)検診で、そのがんによる死亡が確実に減
少すること
早期発見・早期治療により死亡する可能性
を減少させることが目的です
(3)がん検診を行う検査方法があること
多くの人を対象として、安価で簡便に行う検査方法があること。
(4)検査が安全であること
健康な人に行う検査であり、偶発症の可能性が低い検査法が必要です。
(5)検診の精度が高いこと
治る可能性の高い段階で、正確に見つけることのできる検査法が適している。
(6)発見されたがんの治療法があること
効果的な治療法が確立されたがんが対象となります。
(7)総合的にみて、検診を受けるメリットがデメリットを上回ること
上記の条件で、明らかにメリットが大きい と判断されると検診に適している。
科学的根拠のあると考えられる検診方法
(1)胃がん・・・・・・胃X検査
(2)子宮頸がん・・・・細胞診
(3)乳がん・・・・・・視触診とマンモグラ フィー併用
(4)肺がん・・・・・・胸部X線、喫煙者は 喀痰併用
(5)大腸がん・・・・・便潜血検査、大腸内 視鏡
(6)肝がん・・・・・・肝炎ウィルス・キャ リア検査
早期発見による縮小手術
(1)胃がん・・・・・・内視鏡下粘膜切除
(2)子宮頸がん・・・・頸部円錐切除
(3)乳がん・・・・・・乳房温存療法
(4)肺がん・・・・・・胸腔鏡下部分切除、区域切除
(5)大腸がん・・・・・内視鏡下切除
むすび
症状の無いうちに病気(がん)を見つけまし ょう。
正しい情報を得て、「検診」と「健診」でも って長寿の恵みを手に入れましょう。
○玉井座長 皆様お疲れさまでした。
みなさん、本日は思いの丈は語れましたでし ょうか。
○平専門監 15 分の講演では限界があるな と感じましたが、本県が危機的な状況であるこ とや、専門家しか知らないことを県民に伝えら れたのではないかと思います。
例えば糖尿病の問題などは初めて知った人が 多いのではないかと思います。
女性は平均寿命が日本一といわれています が、実際には沖縄の女性も糖尿病による死亡率 が日本一高いことや、メタボの問題、老人医療 費が入院費に偏っていることなど、どんどん知 らしめていく必要があると思っております。
○新里氏 制度の話や統計データは市町村に 出しっぱなしなので、住民に周知するのに非常 に良い機会だったと思います。
○崎原先生 自分が伝えたかったことは、生 活習慣病というのは自己管理がキーワードであ るということです。その自己管理をさせるため には、自分の身体がどうなっているのか、現状 がどうなっているか、健診がどうなっているの か、その健診の内容のどこをみているのか、も っと県民の皆さんに理解していただき、そして 自己管理能力をもっと付けていかなければ克服 できない性質のものであるということを伝えた かったのですが、それがうまく伝わったかわか りません。
○石川先生 今日は常識と思われていること について、実はそうでは無いということを話し たかったので、それは充分に伝えることが出来 たと思っております。
症状が無いので精査を受けなかったという発 言で印象に残っているのが、看護師さんなんで す。この影だったら去年もあったのではないか と聞いたら、確かにあったが健康に自信があっ たので精査を受けなかったというんですね。結 局1 年でV期になってしまっていて気を付けな いといけないと感じております。
○玉井座長 今日は県福祉保健部から奥村啓 子部長にもお越し頂いておりますが、いかがで したでしょうか。
○奥村部長
私も初めて参加させ ていただいて、個人的 にも非常に勉強になり ました。というのは、 こういう仕事をしてい ながら、基本的な知識 がなかったんですね。 本日の講演では、私にとっても新しい発見でし た。是非ともこういう機会を何回も持って、地 道に広く県民に伝えていくことをしなければい けないと思っております。より多くの県民に沖 縄県の実態や健診の必要性を周知する必要があ りますし、マスコミを通して訴えることができ ればと思います。
また、沖縄県は自分が健康であると思ってい る人が一番多いという話や、いわゆるカメーカ メー攻撃からもわかるように、人をもてなした いという思いは良いことではありますが、一方 では肥満などのいろんな弊害が出てきます。こ の意識をどうやって変えていくかが今後の課題 と言えます。
それと、県庁の職員で健診で要検査となる方 が結構いるんですね。この職員を受診させるこ とが、管理者の業務なのですが、それがなかな か受診に結びつかないんです。県庁の中でも非 常に多いのではないかと思い、県庁を一つの職 場とみて、県民に対する業務もしながら、福祉 保健部を中心に県庁職員の健康管理を行って健 診にも結びつけていきたいと思っています。
○玉井座長 上原先生どうでしょうか。
○上原国保・健康増進課長
県民の健康づくりの 指針(健康増進計画) として、平成1 4 年に 「健康おきなわ2 0 1 0」 を策定しましたが、26 位ショックの後見直し をして改善していない 部分もあったため、「健康おきなわ21」の改訂 版が新たに昨年3 月に策定されました。
この中には、9 ヵ条を入れ込んであって、そ の中には「1 日一回の体重測定」や、「がんばり すぎずに適度な運動」という項目が入っていま す。その他7 種類の小さなリーフレットを作っ ています。崎原先生が本日おっしゃっていた、 仕事があまりにも長すぎてメンタルヘルスにも 影響するといった内容も含まれています。
このような媒体を使いつつポピュレーション アプローチを行っていくことも大切ですし、特 定健診では、ある程度ハイリスクアプローチで 選び出した人にどう関わっていくかが重要です。
私達は、今年の4 月から国保と統合され、国 保・健康増進課となりましたが、医療制度改革 専門監がいて健康づくりと特定健診がうまく連 動して、できるだけ医療から予防できる健康づ くりへもっていきたいと思っています。
我が課では、ラジオ体操をやっています。知 事も6 階に部屋があるんですが、階段を上り下 りしております。その場面に何度も出くわし て、知事も本気で取り組んでいることを感じて いるものですから、私達も県民として本気で県 民のためにやらないといけないと感じています。
○玉井座長 沖縄タイムスの上原さんいかが でしょうか。
○上原編集局長
今日は健診がテーマ ということで、これま での心の病や肥満など にくらべて入りがどう かと心配していました が、実際見てみると席 が埋まってましたので、やはり県医師会の公開 講座はすっかり県民に定着していることを感じ ております。
タイムス社では、35 歳以上はすべて人間ド ックを受けるようになっていますが、受けない 人がいるんですね。ほとんどが管理職なんです が、嘱託の看護師が名指しでメールを送って受 けるように言ってはいますが、それでも受けま せん。いろいろ聴いてみると、受けない理由が 2 つあって、「過信」もあるんですが、一番多い のが「怖い」という理由からなんです。受けて 何かでたら大変なことになるから怖くていかな いということなんですね。その方々を無理矢理 行かせるようにはしていますが、中々難しい点 がありますね。
それから、健診が自己管理のきっかけになる というお話がありましたが、自分の健康づくり のきっかけになるんだということさえ知れば、 大きな成果になるし、今日参加された方から口 こみで、「まずは受けてみたらいいよ」という ふうに広まれば、成功ではないかと思います。 当然我々は紙面で展開していきたいと思います し、もっと軽い気持ちで受けていいことと、そ れでいながら健診は大きな意味を持つというこ とを伝えていきたいと思います。
○平専門監 市町村も焦燥感があって、一生 懸命がんばっているのになぜ受診率があがらな いのかわからない。一生懸命やっていることが住 民に伝わっていない可能性もありますが、何が 原因なのか調べないといけないと思っています。
そのようなことから、実は今年これらの調査 をしようかと計画しています。いままで、国民 生活基礎調査等で訊いてはいますが、根本的な 対策ができないか、検討していきたいと考えて います。
○上原国保・健康増進課長 玉井先生が前に 書かれていましたが、血圧の薬など沢山出され ると、患者さん本人は飲みたくないと思ってい るし、隣りのおばちゃんに「飲まないほうがい いよ」と言われるとドクターよりもその人の言 うことを信じてしまう。逆に言えば、ドクターよりも影響力があるおばちゃんに口こみで「行 って良かった、行くべきだよ」と言わせるよう な働きかけをしていきたいと思います。沖縄で は、おばちゃんパワーはすごく強いですよね。
○玉井座長 「一緒に健診をうけましょう」 といって行くのがユイマールですよね。ユイマ ールをはき違えて、よけいなお節介をするので はなく、本当の意味でのユイマールを実行して ほしいと思います。
○上原国保・健康増進課長 水は飲ませられ ないけど、川までは連れていけるのが“おばち ゃん”の役割ですよね。
○玉井座長 あらゆる手段をつくして特定健 診の受診率を上げていきたいと思います。本日 はありがとうございました。
当日お越しいただいた方々の中から、数名の方にインタビューをさせていただきましたので、その 中から下記のとおり3 名の方のご意見・ご感想を掲載致します。
本会の広報活動にご協力いただきまして、誠に有難うございました。
インタビュー1):
本日の講演会に参加されての感想をお聞かせ下さい。
また、今後の日常生活でどのような事に気をつけようと思いますか。
インタビュー2):
医師会への要望をお聞かせ下さい。
(45 歳・男性・自営業)
1)初めて講演会に参加しました。話の内容はとてもわかり易かったです。参加者をみると高齢者が多く中高年の人が 少ないように思えました。
2)もっと若い人が参加できるようにしてほしい。健診を受けてほしい年代の参加者が少なく、もっと頑張ってほしい です。
(71 歳・女性)
1)今回で2 回目の参加になります。パネルでの説明はわかりやすく、大変参考になりました。
2)今後も、今のように公開講座を継続していただきたい。
(70 歳・女性)
健康で長生きを目標にしています。人間ドックの結果の数値に敏感で、前年度とすぐ比較しています。早期発見も 心がけています。
2)新聞を通して知りました。今後も続けていただきたいと思います。