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平成25年度 第2回 都道府県医師会長協議会

宮城信雄

会長 宮城 信雄

去る11 月19 日(火)午後3 時より日本医 師会館において標記会長協議会が開催された。 はじめに、司会の今村定臣常任理事より開会の 辞があり、横倉義武日本医師会長より概ね次の とおり挨拶があった。

「今朝の「国民医療を守る議員の会」へ多数 のご出席をいただき感謝申し上げる。300 人を 超す自由民主党議員が所属し、本日も270 名 以上の出席をいただいた。各県の会長、委員長 が出席されたので、ご臨席された議員の先生方 も力が入ったのではないかと感じている。

今朝は、1)「過度の規制緩和への懸念」、 2)「医療と介護が共存する地域包括ケア体制の整備の 必要性」、3)「次期診療報酬改定に対する要望」 について説明を行った。いよいよ4 月の診療報 酬改定に向けて正念場を迎える。少子高齢化に 備えた地域包括ケアの確立等、医療連携体制の 構築に向けた大きな転換期における重要な改定 となる。我々としては地域住民の健康・生命を 預かる立場から、地域住民の健康を守ためにもしっかりとした手当を要望していきたい。より 良い国民医療の確立を目指し全力を挙げてやっ ていくので宜しくお願いしたい。」

引き続き協議に移り、当日は6 県医師会から 寄せられた質問事項や要望に各担当役員が回答 した他、日本医学会の法人化に関する説明及び 小児Ai モデル事業と地域医療支援センター及び 医療勤務環境改善支援センター事業について協 力要請が行われたので概要について報告する。

協 議

(1)10%消費増税時の対応について
(山口県医師会)

<提案要旨(抜粋)>

消費税の10%増税までに残された時間は短 く、各医療関係団体の思惑を統一することは容 易ではないが、医療を非課税のままとして何よ り損税解消のためには、新たな考え方でもある 日本版PSB リベ一ト方式ともいうべき非課税還付の議論を早急に盛り上げていく必要がある が、日医の見解が如何か。

<回答:今村聡副会長>

医療機関の消費税負担問題については、仕入 れにかかった消費税を控除あるいは還付するた めには課税化するしかないという認識のもとで 日本医師会、歯科医師会、薬剤師会などの医療 関係団体は、長年にわたり社会保険診療の非課 税制度を、患者負担を増やさないゼロ税率や軽 減税率に改めるように要望してきた。

一方、最近、歯科医師会・薬剤師会が提示し た非課税還付案については、日本医師会のそも そもの要望の目的である「患者負担・国民負担・ 保険者負担を増やすことなく医療機関の消費税 負担をなくす」という立場を完全に共有している。

このように目的を実現するための方法論につ いては課税化だけではなく、ご指摘の非課税還 付についても可能性が出てきたという新たな情 勢を迎えており、日本医師会としてはこのこと 自体長年にわたって取り組んできた活動の成果 だと考えている。問題が解決するのであれば、 あらゆる選択肢を排除するものではない。現時 点で一つの方向に絞ってしまうことは得策では なく、どのような制度になっても対応できるよ うにしておく必要があると考えている。病院団 体はもとより非課税還付を掲げている歯科医師 会とも緊密に連携をしながら要望活動を続けて いきたいと考えている。

ご指摘のPSB 方式について、付加価値税導 入の先進国であるヨーロッパ諸国では、医療は 原則非課税である。PSB 方式については、税 の仕組みで還付するのか予算措置による還付な のか、様々な観点から慎重に検討評価する必要 があると考える。こうした諸外国の例から学ぶ ことは有益で、選択肢として排除せず最終的に より良い道を探していきたい。

また、社会保険診療報酬の課税化に伴う四段 階税制の廃止への懸念については、常に厳しい 圧力を受け続けていて、課税化若しくは非課税 還付制度が実現したとしても、四段階税制廃止 の圧力は高まることは変わらない。簡易課税制度あるいは四段階税制を同時に維持していくこ とは地域医療を支える小規模医療機関を守るた めに必要であるという認識をもっており、この ことについても要望を強く行っていく。

(2)日本医師会医師賠償保険について
(埼玉県医師会)

<提案要旨(抜粋)>

永年にわたり日医会員A1 であった会員が退 会後に患者から医療事故紛争を提起されたが、 日本医師会医師賠償責任保険は適用されず、財 産を全て処分しても足りず、再び医師として働 き始めたが失意のうちに死亡されたケースや、 会員が退会し死亡後に訴えられ、法定相続人で ある遺族が紛争に巻き込まれるケースもあるよ うである。

日医医師賠償責任保険については、被保険者 資格を喪失した後の保険適用について、閉院後、 収入が無い状況でいつまでA 会員を続けなけ ればならないか見当がつかない。現在の医賠適 用の判断が医療事故を認識した時点で会員であ ること、いわゆる発見主義であるが、それを当 該医療行為が行われた時点で会員であれば適用 される発生主義に変えてはいかが。

<回答:葉梨常任理事>

ご承知のように日医医賠責保険は日医が契約 者となりA 会員すべてを対象とした保険制度 である。被保険者資格を喪失した場合でも補償 対象となるよう対応してきた例として、(1)A 会員でなくなる前に、損害賠償は請求されてい ないものの、医療事故の発生及びその恐れのあ る事象について通知をした場合、(2)A 会員の まま死亡退会し、当該会員の相続人が賠償を請 求された場合(会員資格喪失後10 年以内)の 2 例があるが、閉院による日医退会後に医療事 故の発生を知って損害賠償請求を受けた場合に は、保険の適用がない。

保険適用範囲を現行の、「保険期間中に損害 賠償請求を受けた場合」から、「保険期間中、 損害賠償請求の原因となる医療行為を行った場 合」とすることも一つの案だが、どの時点の医療行為が損害の原因かを特定することが難し く、保険金支払い認定時にトラブルが生じる可 能性があること、非会員時代にかかわらず、A 会員が損害賠償請求を受けた場合を保障する現 行のメリットとの兼ね合いも含め、組織全体に 係る問題でもあり、大きなコスト負担の無い形 で廃業後の保険適用という要望に応えられるよ う慎重に検討していきたい。

(3)有床診療所の防火対策と対応について
(徳島県医師会)

<提案要旨(抜粋)>

福岡医院の火災を受けて有床診療所の防火設 備、火器管理、夜間当直体制、避難誘導体制な どの見直しを求める議論が今後出てくることが 予想されるが、仮にスプリンクラー・防火扉設 置などの高額な費用を要するものや、夜間当直 人員の増員などが義務化された場合、病床を止 めて無床化にするか閉院に追い込まれる施設が 更に増加すると思われる。

日医は地域医療を守るためにも、有床診療所が減少しないような方策をお考えいただきたい。

<回答:藤川常任理事>

この件に関して、10 月17 日及び30 日に日 医定例記者会見を行っており、30 日の記者会 見では横倉会長より、改めてこのような事故を 再び起こさないという決意が示された。その一 方で有床診療所を含めた中小医療機関の存続が 危ぶまれるような弱い立場におかれている現状 もご説明された。

今後の有床診療所の防火体制の在り方につい ては、「消防庁有床診療所火災検討部会」で全 国有床診療所連絡協議会の葉梨会長より、全国 有床診療所連絡協議会が行った緊急アンケート について説明があった。中間報告であるが、会 員施設のうちスプリンクラーがついていない施 設が94%であり、もし義務化された場合、4 分 の1 は病床の廃止を検討するという結果であっ た。地域包括ケアシステムの中で重要な役割を 果たすことが期待される有床診療所が、防火体 制の問題で今後減っていくという事態は絶対に避けなければならないと考えており、検討部会 の場でも有床診療所は非常に経営が苦しく、何 らかの補助無しに設備投資ができる状況にない ことを説明している。

また、本部会の議論では、訓練の実施や点検 等ソフト面の改善が必要との意見も多く出され た。防火対策の観点からも、入院料の引き上げ が必要だとした他、もしスプリンクラーの設置 基準が強化されることがあれば、相応の補助金 とセットで考える必要がある。

(4)医学部新設動向への対応について
(岡山県医師会)

<提案要旨(抜粋)>

安倍政権は産業競争力会議で、下村文部科学 大臣に東北地方の大学に医学部を設置すべく検 討することを指示し、千葉県、静岡県にも新設 を示唆し、「医学部新設は地域医療の再生は勿 論、雇用にも繋がる」と期待を寄せている。

本件に係わる今後の対応が喫緊の課題だが、 日医執行部の見解と今後の対応についてお伺いしたい。

<回答:石川常任理事>

日本医師会としては、医学部新設には1)教育 確保のため、医療現場から約300 人の教員(医師) を引き揚げざるを得ず、地域医療の崩壊を加速 する、2)教員が分散し、医学教育の水準、ひい ては医療の質の低下を招く、3)人口減少など社 会の変化に対応した医師養成数の柔軟な見直し を行いにくくなるとの理由により反対である。

東日本大震災被災地の医療現場からも、医学 部新設により医師不足が加速する懸念が強く寄 せられている。

喫緊の課題は医師の偏在解消で、これについ て日本医師会は医師養成と配置のあり方につ いて具体的な提言を行っているところである。 2013 年9 月26 日には千葉県医師会、9 月28 日には関東甲信越医師会連合会、さらに9 月 30 日には全国医学部長病院長会議が医学部新 設反対の決議を順次行っていただいた。日本医 師会では、9 月下旬に麻生副総理らに医学部新設反対の要望書を提出した。その後、10 月18 日に日本経済再生本部で決定された「国家戦略 特区における規制改革事項等の検討方針」で は、医学部新設については「関係省庁と連携の 上、検討する」という表現にとどまっており、 10 月23 日には該当市長の記者会見により、白 紙に戻すということが言われている。

11 月20 日号の日医ニュースに掲載されるが、 日本医師会では、10 月31 日に横倉会長が安倍 総理大臣と医学部新設、次期診療報酬改定等の 問題について会談を行い、改めて医学部新設に 反対する考えを伝えたところ、安倍総理は一定 の理解を示され、慎重に対応していきたいと述べられた。

医師1 人を育てるためには1 億円近い税金 が投入されると言われており、医師は臨床研 修の期間も含めると、1 人で診療できる医師に なるには最低でも8 年間かかる。2008 年から の医学部定員増により、「地域枠」を含め既に 1,416 人増やしており、2020 年に人口1,000 人 当たりの医師数がOECD 並みに到達されると 推計される。こうした推計を踏まえ医師の過不 足については議論するべきと考えている。

日本医師会は、国家戦略特区における医学部 新設には明確に反対である。医学部新設の動向 を注視するとともに、ロビー活動等を積極的に 行っていくので、各都道府県医師会においても ご協力お願いしたい。

(5)選挙管理委員会に望む事(茨城県医師会)

<提案要旨(抜粋)>

10 月13 日に行われた副会長、常任理事の補 欠選挙における横倉会長のとられた言動につい て、日医会員の当然の権利である立候補を否定 するような発言や、代議員の選任する権利を軽 んじる行動があり、日本医師会長としての権限 を超えていた。

昨年の第127 回臨時代議員会で「選挙管理 委員会に望む事」という質問をして改善を求め たが、今回の日医役員補欠選挙の経緯から、公 職選挙法に準ずるレベルでの公平・公正な選挙 規定の制定について再度提言する。

<回答:今村常任理事>

先般の役員補欠選任にかかわる横倉会長の言 動については、オールジャパン体制を構築し、 強い日医をつくりたいという日頃の会長の思い から出たもので、全会員が一丸となってこの難 局に立ち向かいたいとの決意を述べられたもの と理解している。

第127 回臨時代議員会における選挙管理委 員会委員の公平性にかかわる質問については、 その折りに小森常任理事より定款施行細則規定 からも選挙管理委員の公平・中立性は十分に確 保されているのではないかと認識していると答 弁させていただいたが、選挙の公平・公正さを 願う先生からの再度のご提言であるので、改め て定款・諸規程検討委員会にお諮りしたいと思 う。よろしくご理解頂きたい。

(6)日本学術会議報告書について
(兵庫県医師会)

<提案要旨(抜粋)>

平成25 年8 月30 日に日本学術会議が公表 した「全員加盟性医師組織による専門家自律の 確立」という報告書では、医師全員加盟の新た な組織「日本医師機構(案)」の設立を提唱し ており、その内容は強権的である。

日本医師会は、平成25 年9 月4 日の記者会 見で日本医師会組織強化に向けた検討を開始し た旨発表された際、「日本医師機構(案)」に触れ、 「エールだと受け止めている」と発言されたが、 本学術会議は内閣府の特別の機関であり、この たびの報告を看過せず、厳しい反論を公表すべ きと考えるが如何か。

<回答:今村副会長>

ご指摘のとおり、日本学術会議「医師の専門職 自律の在り方に関する検討委員会」から、「全員 加盟制医師組織による専門職自律の確立一国民に 信頼される医療の実現のために」と題する委員会 報告書が公表され、その中では「法律に基づく全 員加盟制医師組織」を設立し、医師と医療の質保 証の増進にあたらしめることで、国民が信頼でき る医療を実現することなどを提言している。

その内容を一見すると、我々、医師会或いは 医師会員がこれまで国民医療の向上のために尽 くし、医師と患者の信頼関係の構築に向けて、 医療の質の確保に自律的に取り組んできた事実 をご存じないかのようであり、9 月開催の理事会 においても、本報告書に対して強い姿勢で臨む べきだとの意見をいただいているところである。

一方、本会として強い行動を起こすには慎重 に事実関係の把握が重要ということで、改めて、 曰本学術会議の組織と委員会報告の性質につい て調べたところ、日本学術会議は、行政、産業 及び国民生活に科学を反映させ、それから浸透 させることを目的に、内閣総理大臣の所轄の下 にあるが、あくまで政府から独立して職務を行 う「特別の機関」として設立されている。学 術会議の外部への意思表示には、重いものから 順に答申・勧告・要望・声明・提言・報告・回 答という順で、内閣総理大臣所轄の機関として 政府に強く実現を求めるものが「勧告・要望」、 これは日本学術会議の名前で行われる。一方、 このたび出された「報告」は上から6 番目の位 置づけで、委員会名で発表されるもの、位置づ けは高くないということである。去る7 月に開 催された日本医師会の医療政策会議のなかでも 本報告書が話題となったが、日本学術会議の会 員であった委員からは報告書程度のものをあま り重要視する必要はないのではないかという意 見もいただいたところである。

しかし、例え委員会報告程度のものであって も、誤解を生みやすい内容のものが再び公表さ れることがないよう医師会の組織や活動等につ いて正しい理解を得るため10 月24 日、春日 文子日本学術会議副会長並びに廣渡清吾委員長 と面談を行った。

面談にあたっては、同報告書に対する医師会 内の厳しい意見を説明するとともに、日本医師 会の組織、生涯教育、医療安全など、医師会が 様々な活動を自律的に行っている状況や、医師 会組織強化に向けた現在の取り組みについて説 明を行った。また同報告書のなかで言われてい る、「法律に基づく全員加盟制医師組織」が診 療報酬問題や組合的活動、政治的活動を行うことは自益につながるので排除する点について も、診療報酬へ医療担当者が関与する意味やそ の必要や、勤務医の健康問題への医師会の取り 組み、日医と日医連との関係性等について詳し く説明し、いずれも自益につながるものではな いということを強く主張してきた。

これに対して、廣渡委員長からは、医師の偏 在解消や医療費を巡る動きなど、これまでの医 師会の活動を評価するとともに、医師会にしか できない取り組みが大変多くあると今後の我々 の取り組みに期待感を示された。報告書は、国 民に安全・安心な医療を提供するためには、全 ての医師が一つの団体に入るべきとの思いか ら、学術界から医療界に向けて検討を呼び掛け たものとの説明があり、日医との協働を求められた。

今回の報告書を1 つの契機として、日本学術 会議との連携を強化して相互の理解を深めてい きたいと考えているので、ご理解いただきたい。

(7)日本医学会について(日本医師会)

<高杉常任理事>

日本医学会の法人化に関し経過報告を行う。

日本医学会の法人移行について、本会の立場 としては日本医学会の法人化に伴う拙速な定款 変更を代議員会には諮らないこと、また日本医 師会の了解なく「日本医学会」の名称を用いた 法人の設立は認められないと主張してきた。

一方、日本医学会の立場は、日本医師会との 連携を前提とした上で、専門医制に関する第三 者機関や医療安全機構等へ社員として参加する 際に日本医学会が法人格を持っていない事が 問題になることや、様々な医学問題に対し118 の分科会の迅速な意見集約に向けてガバナンス の強化が必要との理由から、評議員会において 既に平成26 年4 月1 日付で法人化すると決定を下している。

それぞれの立場を尊重しつつ、あらゆる面か ら問題の着地点を求める中で、法人化した日本 医学会を日本医師会の中におくことの可能性に ついて内閣府公益認定等委員会事務局に確認し たところ、「法人の中に法人を置くことはあり得ず、定款に規定することは不可能」との回答であった。

こうした経緯を辿る中で、日本医学会は本年 8 月以降、日本医学会臨時幹事会をはじめ、日 本医学会臨床部会会議、基礎部会・社会部会合 同会議を相次いで開催し、平成26 年4 月1 日 付けで法人化することについて再度協議された 結果、(1)これまでどおり日医の内部機関とし て存続していくため、当面日医の定款改正の必 要はない、(2)「日本医学会連合(仮称)」とい った「日本医学会」の名称を用いない形で、来 年4 月1 日付で法人格を得る、(3)4 月1 日以 降も、日医と日本医学会の更なる連携強化に向 けた協議を継続するとの結論に至ったことが報告された。

よって、日医と日本医学会は、これまでどお り車の両輪となって我が国の医学・医療を牽引 し続けていく。今後も本協議会や代議員会を通 じ日本医学会との協議の進捗を適宜ご報告させ て頂くので、ご理解・ご協力をお願いしたい。

(8)日本医師会からのお願い(日本医師会)

1)小児Ai モデル事業について

<高杉常任理事>

死亡時画像診断、いわゆるAi の普及に向け て、来年度厚生労働省を中心に実施が予定され ているモデル事業について情報提供及びお願い をさせて頂く。

Ai については日本医師会委員会報告や厚生 労働省の検討会報告等より、15 歳未満の小児 死亡例が年間約5,000 名のうち、全てAi を実 施しても凡そ2 億5,000 万円の費用で賄うこと が出来、小児特有の病態解明や、或いは児童虐 待の発見の効果が期待できるという趣旨の提言 がなされている。これを受けて、厚労省では来 年度、全国的に小児死亡例のAi データを集積 し、今後のAi の本格的な活用に活かそうとい う取り組みをモデル事業で立ち上げることが計画されている。

当該モデル事業は、毎年実施されている異状 死死因究明支援事業に不可する形で実施されるも ので、その地域で行った小児のAi に関する画像 や読影見解に関する情報を、新たに日医が中心に 組織する予定の専門家の分析委員会に提供して頂 き、小児Ai に関する知見を纏め、Ai 研修会など の教育研修の場に反映させる取り組みである。

従って、小児Ai の症例を多く集めるために は、多くの自治体に異状死死因究明支援事業の 適用対象として手上げしてもらうことが重要と なることから、各都道府県医師会からの働きか けをお願い申し上げる。

2)地域医療支援センター及び医療勤務環境改善 支援センター事業について

<道永常任理事>

平成26 年度厚労省概算要求事業の中に、新規 事業として「医療勤務環境改善支援センター事 業」が盛り込まれている。当事業は勤務医をは じめとする医療スタッフが働きやすい勤務環境 作りを目指し、各医療機関に於いてPDCA サイ クルに基づく勤務環境改善計画作りを専門的に サポートする総合的な相談支援センターである。

この事業は、各都道府県が主体となって設置 する仕組みとなっており、社会保険労務士や医 療系コンサルタント等を確保する経費が措置さ れ、都道府県直営の他、県医師会、病院協会等 に委託する形態も認められている。委託・直営 いずれも医療勤務環境改善支援センターの運用 方針については、県医師会や病院協会、看護協 会等の関係団体が協議する場、運営協議会(仮 称)が設置予定と伺っている。

各都道府県医師会においても、これまで様々 な勤務医対策についてご協力頂いてきたが、勤 務医の勤務環境改善に積極的な取り組みが重要 であると認識していることから、「医療勤務環 境改善支援センター事業」についても、来年度、 各都道府県が予算確保するよう積極的に働き掛 けていただきたい。