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「今年の抱負」

大平哲也

北部地区医師会病院
大平 哲也

新年明けましておめでとうございます。

3 度目の午年(うまどし)を迎えました。こ こまでこられたのも、周りの先生方、友人、家 族のお蔭だと大変感謝しています。

近況報告も兼ねて2013 年を振り返ってみた いと思います。私は2013 年4 月より北部地区 医師会病院に赴任しています。現在、私を含め 琉球大学医学部附属病院第一内科・光学医療診 療部からは、消化器内科医・呼吸器内科医の5 名が出向しています。毎日バタバタしながらも、 北部の医療に少しでも貢献できるように、皆で 協力しあって頑張っています。当院は急性期病 院ですが、患者さんの平均年齢が高いことが特 徴です。先日、100 歳を超える女性が総胆管結 石・胆管炎で入院してきました。ぐったりして いましたが、内視鏡治療で改善し、「ご飯がお いしいよ〜、ありがと〜ね〜」と笑顔で元気に 歩いて退院されました。最近、70 代の患者さ んは若いと感じます。

消化器内科医にとって2013 年の転機は、や はり、「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」に 対する診断・治療指針が大きく改訂されたこと ではないでしょうか。これまではピロリ菌の感 染が疑われても、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍、早 期胃癌に対する内視鏡的治療後、特発性血小板 減少性紫斑病、胃MALT リンパ腫の該当疾患 者でなければ保険の範囲内で検査や除菌を行う ことができませんでした。2013 年2 月22 日 からは「ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎」の 病名に対して除菌が算定できるようになったた め、内視鏡検査で胃炎を認め、かつ尿素呼気試 験などでヘリコバクター・ピロリ陽性を確認す ることができれば除菌を行うことが可能です。 また除菌成功後でも非感染者よりは胃癌のリス クは高いので、除菌後も毎年の内視鏡検査は必要です。将来、患者さんと我々消化器内科医を 苦しめる、ピロリによる胃十二指腸潰瘍と胃癌 が日本では少なくなっていくでしょう。

さて、年男ということですが、今年の目標 は、自己研鑽に励み、それを継続していくこと です。今年も大好きな人達と一緒に美味しいご 飯と美味しいお酒を頂き、そして、そろそろ始 まるUEFA チャンピオンズリーグ決勝トーナ メントとそれに続くブラジルW 杯も堪能した いです。今年は馬力全開で駆け抜ける年にした いと思います。本年もご指導とご鞭撻の程、何 卒宜しくお願い申し上げます。

諸先生方の2014 年のますますのご健勝をお 祈りしつつ、最後に、新春干支随筆の機会を与 えて下さいました広報委員の先生に御礼申し上 げます。