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人生60年の反省、次世代にバトンタッチ

宮城雅也

県立宮古病院 宮城 雅也

人生60 年のほとんどが、医療とともに歩ん できたと思うし、そしてこれからも同じだと思 う。還暦を迎えたからといって変わるとは思え ない。ただ体力は確実に衰えてくるので、体力 に合わせて、少し歩みを遅くしていかないとい けない。つまりこれからは、新しいことを開拓 していくことではなく、自分の今までやってき たこと、つまりできることを続けていくしかないと思う。

還暦で思うことは、何か年末反省会に似てお り、年の節目なので最後の反省をすることが、 いつのまにか忘年会に変わり、年のつらいこと を忘れ、今を楽しく過ごすことが大切で、元気 をもらい次なる未知へと歩みだしていくことに 似ている。次に進む勇気をもらうためにも、今 を楽しく生きることが大切になっていく。59 歳で宮古病院へ転勤となりわかったことは、新 しいことを始めるのではなく、今まで行ってき たことを、確実に続けていくことなのだとつく づく感じている。

還暦を迎えて重要になるのが、いかに次世代 に引き継いでいくことになると思う。価値観が 違う次世代に対して、引継ぎ方は色々あるかも 知れない。価値観が違うので、なかなか難しく ジレンマになることも多い。自分なりに納得で きる形で引き継ぐことができたら、成功といえ る。自分の人生も自分の持つ価値観で生きてき たのだから、次世代の価値観を尊重しないと価 値観の押しつけになってしまう。若いころは他 人の価値観をあまり受容できず、自分の価値観 を主張してきた気がする。年上だからといって 次世代に無理強いしても一応は受入れているよ うに見えるが、長い目にみたらそれは続かない。 自分の古い価値観をしっかりと受入れてもらい ながら、うまく融合してもらうことを目指していきたい、仕事も家庭も次世代が活躍できるよ うに、時間をかけ価値観の押しつけではないバ トンタッチすることを目標としていきたい。