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All is Well That End is Well とはならず

内原栄輝

ペリー内科小児科医院 内原 栄輝

これは、イギリスの劇作家シェークスピアの 戯曲に出てくる有名な言葉で「終わり良ければ すべてよし」と日本語に訳されている言葉であ ります。しかし実際はその様にはいかなかった 例が最近私の身の上に降りかかった出来事であ ります。

つれずれ思うに、わずかばかりの才能と幸運 に恵まれ、国費留学生として徳島大学医学部に 入学できたのが昭和37 年でありました。その 頃は未だ祖国復帰さえ考えられていませんでし た。入学後は「留学生なのだ」という自覚があり、 真面目に授業を受け医師国家試験もなんなく合 格し、26 歳で医者となりました。以来、勤務 医を経て34 歳で開業医となり現在にいたって おります。

その間、那覇市医師会の学校保健、予防接種 担当理事、沖縄県学校保健常務理事を11 年弱 務めて参りました。おかげで九州各県はもとよ り、全国学校保健学校医大会などに参加したた め47 都道府県のほとんどを見て参りました。 平成2 年に1 人医療法人を設立し、24 年が経 ちました。干支の午年(うまどし)生まれの 73 歳となって、この頃考えるのは後継者の事です。今年は理事長として最後の年にしようと 思っていました。ところがとんだ落とし穴が待 っていました。法人設立時の定款を見たところ、 「理事長は理事の互選による」となっていたの です。後継者として育てた長男は他の病院に勤 務医として勤めており、すぐにこっちの理事長 にとはいかなかったのです。定款の変更も煩わ しいと思っていたところ智恵を貸してくれる方 がいたのです。息子の勤務先の理事長に事情を 話し、理事長宛に請願書を差し出したのです。 たとえ沖縄県が無給の理事として許可されても 役員の任期の2 年を待たなければならないの です。とんだ茶番劇となってしまいました。最 近、短期記銘力の低下を感じさせられる事が増 えるようになりました。アルツハイマーの初期 症状でしょうか認知症が始まる前に予防策を講 じて、最後は「All is Well That End is Well」 といきたいと思うこの頃でございます。一方マ クロ経済的視点に立ってみると、この2 〜 3 年 日本列島は自然災害に見舞われて、安倍総理は 次々にデフレ克服のための経済対策を打ち出し ております。気になる4 月からの消費税増税で す。医療、福祉に関わっている現場の我々にと ってはどのような形で診療報酬に反映されてく るのか気になる所ではありませんか。