副会長 安里 哲好
常任理事 宮里 善次
理事 比嘉 靖
挨 拶
○沖縄県医師会 安里哲好副会長
本協議会では、要支援の介護保険はずしに関 する議題や、特養に係る診療報酬の問題等、非 常に多岐にわたる協議題が用意されている。各 議題について各県よりご意見を賜るとともに、 ご多忙の中、本協議会にご出席いただいる日本 医師会の三上常任理事より、コメントあるいは アドバイスを頂戴したいと考えている。
本協議会の協議が、会員のための一つの指標 となれればと考えているため、忌憚のないご協 議の程、よろしくお願いしたい。
○日本医師会 三上常任理事
介護保険について2025 年に向けてどういう 社会を作っていくか、制度の不整合があれば 我々の力で改善していきたい。
本日は、様々なご意見を拝聴できるのを楽しみにしている。
協 議
<提案要旨>
平成25 年4 月22 日に開催された「社会保 障制度改革国民会議」の論点整理で、「要支援 の介護保険サービス廃止(要支援者約150 万人、 要支援者のサービス費用0.4 兆円)」を打ち出 した。引き続き開催された社会保障審議会の介 護保険部会でもこれに同調する意見が出た。平 成22 年に続き2 回目であり、次期改定の平成 27 年度からの介護保険見直しで実現する可能 性が高いと考えておく必要がある。
介護保険制度開始時に要支援を介護保険サー ビスに組み込んだのがそもそも間違いであった とする意見も当初からあり、我々医師会として は、どう対応すべきであろうか。
現在の要支援者に対するサービスが有効か無 効かを一律に判定して廃止するという方向性 は、現場を知らない者の論理と言わざるを得な い。要支援者を分類すると、1)認知症や独居等 の状態にあり、現在の介護サービスでかろうじて在宅での生活を維持できているが、このサー ビスがなくなると、悪化して施設に入所せざる を得なくなる、2)現在の介護サービスがなくな っても、家族等の支援で何とか在宅での生活を 維持できる、3)現在の介護サービスは本人や家 族にとって過剰サービスであり、なくても在宅 での生活を維持できる、またはない方がむしろ 悪化を防ぐことができる、等のグループに分け ることができる。
我々は今のうちからこの3 つのグループを 選り分ける方法を検討しておく必要があると考 え、その一つの方法を検討した。
「主治医意見書」に具体的な問題行動等の記 載を行うことによって、認知症の程度判定の信 頼性を高め、介護認定審査会で他職種の認定審 査会委員を納得させた上で、1)のグループを要 介護1 に判定することが現時点では最善の対応と考える。
日医の見解及び各県のご意見を伺いたい。
<提案要旨>
4 月22 日に開催された第10 回社会保障制度 国民会議において、予防給付に関し、「軽度の 高齢者は、見守り・配食等の生活支援が中心で あり、要支援者の介護給付範囲を適正化すべ き。具体的には、保健給付から地域包括ケア計 画と一体となった事業に移行し、ボランティア、 NPO などを活用し柔軟・効率的に実施すべき。」 との意見が出ている。
予防給付の対象である要支援1 と要支援2 と は、かなりの状態差があり、要支援2 の方々は、 状態の悪化を防止するために予防給付を受けて いるのでなく、生活に必要な部分を予防給付に より補っていると考えられる。市町村事業に移 行した場合、給付量は格段に下がり、要支援の 方々の生活が支えられなくなるのではないかと 考えられ、社会保障制度国民会議で出された意 見は、生活者の視点を欠いた発言ではないかと考える。
予防給付がなくなれば、事業者の経営にも大 きな影響を与えるが、何よりも居宅サービスを 利用している要支援の方々の生活の質を落とす ことになる。
今後、予防給付の取扱いがどのようになるの か情報があれば御教示いただきたい。
(1)(2)一括協議
<各県回答>
各県とも、要支援の介護保険はずしを懸念す る意見であり、その対応として、主治医意見書の 記載の充実に取り組むとともに、福岡県医師会 より、審査委員会との関わり方について改めて 検討を加えてはどうかとする意見があげられた。
主治医意見書の充実については、予診票の記 載及び主治医研修会における教育について意見 があがり、予診票の家族の記載率の低さや、主 治医研修会に積極的に参加する医師よりも参加 しない医師の問題についても併せて検討してい く必要があるとの意見が示された。
また、審査会との関わり方については、福岡 県医師会より研修会に講師を派遣する取り組み について報告があった。
次期介護報酬改訂における予防給付の動向に ついては、全国一律であった制度が市町村に移 行されることによって、サービスの格差が生じ ると懸念する声があがった。
<日医コメント>
認定審査会のあり方、主治医意見書の書き方 の問題について、基本的には認知症のBPSD が2 以上であれば要介護1 となるが、主治医意 見書に問題行動の記載がないとなかなか要介護 判定はされないため、予診票等を利用すること はいいと考える。
また、地域支援事業への移行についてだが、 地域支援事業は介護給付の3%まで予算がつく ことになっており、現在は2,500 億円まで使っ ていいこととなっている。しかし、自治体の体 力等の要因から実際使われているのは、1500 億円に留まっている現状にある。
厚労省は自治体に、介護保険予防給付事業等 が移行しても予算は同じように確保(6,000 億 円)を行うこととしているが、自治体がきちっ と使ってくれるかは分からず、地域によって格 差が生じる可能性は十分あると考える。
また法的に、介護給付と地域支援事業は3% と決められており、今回の予防給付の部分を 何%とするかは、法律上定めなければならない という作業があり、8.9%ぐらいが妥当と考える が、介護給付と比較して3 倍は難しいと考える。
地域支援事業には介護予防事業とともに、包 括的支援事業があるが、在宅事業、連携拠点事 業も乗り込んでくるため予算の使い方がファジ ーになってくることが考えられる。県医師会は 地区医師会とともに、予算の担保するよう努め ることが望まれる。
<提案要旨>
国はいくつかの理由で在宅での看取りを積極 的に進めている。都市部における看取り場所の 不足や救急医療機関の飽和状態による機能不全 も理由の1 つと思われる。そういう流れを受け いわゆる居宅系施設と呼ばれるグループホーム や有料老人ホームでも訪問看護を利用しての看 取りが以前よりも見られるようになってきたが、 より医療的重症者が多い特別養護老人ホームに おいては、癌の末期にしか訪問看護が利用出来 ないため施設での看取りに支障を来している。
現在の嘱託医制度だけでは現場のニーズに応 えられないと考えるがこの問題について日医や 各県の意見を伺いたい。
<提案要旨>
特養(特別養護老人ホーム)の配置医師は、 その診療報酬として、再診料や往診料・管理料 の算定は認められず、処方せん料の40 点ある いは68 点しか請求できない。一方、有料老人 ホーム・サ高住等(集合住宅)入居者の場合は、在医総管(在宅医療総合管理料)算定で5,500 点程度の請求が可能である。
月2 回往診するとして特養入居者では136 点、集合住宅入居者では5,500 点前後と診療報 酬に40 倍以上の差が有る。一方では、たった 一人の患者さんのために片道40 分も50 分も かけて往診に行く医師も少なくない。
当局は、特養の嘱託医は嘱託手当で手当され ており、それは介護報酬に含まれていると説明 する。しかし特養経営者にそのような事情は理 解されておらず、十分な嘱託医報酬を得ている 嘱託医は少ない。
医療的な見地から見ると、特養も集合住宅も その内容に差はないにも関わらず、診療報酬に このような差が有るのは不合理である。これは、 介護保険制度もなく有料老人ホームなど集合住 宅がまだ一般的でなかった頃に決められた制度 で、現在のように高齢者の集合住宅が多くなる と、両者の差を縮小する形で抜本的な改革が必 要と考える。
「特養の嘱託医の診療報酬は嘱託手当で手当 されており、それは介護報酬に含まれている」 との説明には無理が有り、嘱託医も特養経営者 も納得できない。また介護報酬改定に際してそ のようなことが議論された形跡もない。この際、 (介護報酬に含まれているという)嘱託医手当 分を介護報酬から外し、新たに診療報酬に初診 料、再診料、その他加算と言う形で付け替える ことを提案したい。
<提案要旨>
最近、熊本県でも特別養護老人ホームにおけ る配置医師の医療(診療報酬)について問題が 起きている。たしか2 〜 3 年前に宮崎県医師 会より同様な問題提起をされたと記憶している が、熊本県でも起こってきたというものであり、 今後は、他の県でも同様な問題が起こるものと だと考えている。
配置医師となられているのは、大多数が医師 会会員であり、見過ごすことのできない問題と考える。基本的には行政(熊本県国保・高齢者 医療課)の考え方は、配置医師が特養で診察し た場合、初診料、再診料も算定できず、使用す る医薬品、医療機材料も算定できないというも ので、配置医師契約料にその料金が含まれ、医 薬品、医療機材は特養自体が購入するものであ るというのが基本的考えである。
このことは、配置医師契約料も高低さまざま であり、特養自体も医薬品、医療機材のストッ クを持つというのは現実的でないと考えられ、 医師会会員たる配置医師の先生たちの不安を解 消する必要が出てきた。
そこで、熊本県医師会も介護保険担当理事、 医療保険担当理事と共に行政と話し合いの場を 持ちたいと考えている。今回は九州各県におけ る状況をご教示いただきたく本件を提案いたしました。
(3)(4)(5)一括協議
<各県回答>
各県ともに、特養における嘱託医については、 入所者が増加していく中で嘱託医制度での対応 が不可能となりつつあることや、特養における 診療報酬については矛盾点が多く、適切な報酬 が得られるようにするべきとの意見があった。
大分県より、特養配置医師を対象としたアン ケート結果が報告され、報酬額に大きなばらつ きがあり、各施設の事情等によって様々な状況 がある旨の発言があった。
福岡県より、大分県と同様に特養配置医師を 対象としたアンケート結果が報告され、配置医 師は、診療所管理医師が半数以上を占めている ことや、特養ホーム等に出務している間の自院 の状況については、休診としている旨の回答が 半数を占めている事等について報告された。
また、福岡県より、「特養と有料老人ホーム、 サ高住については、整理する必要がある。特養 だけを見て諸問題について国に要望し、それが 認められた時に、企業が参入してくることが考 えられる。サ高住と同じような状況になるので はないか。」との発言があった。
<日医コメント>
施設サービスは、病院であれば介護サービス を診療報酬で併給調整することになっている。 介護保険施設は、介護報酬の中で併給調整され ていることになっている。サ高住や有料老人ホ ームのように、介護報酬と診療報酬を両方併給 できるとなると、青天井になり、一人100 万 円以上等、とんでもない価格が出てくる。効率 的なサービスをするには併給調整のシステムは 必要ではないかと考える。
基本的には、介護報酬の中に配置医師あるい は看護師の医療行為分は入っている。それは全 て特養という施設側に支払われる為、その中で 配置医師や看護師に報酬を支払うという形を理 解しないと全ての施設サービスについては、理 解が出来ない。全ての施設を介護報酬、診療報 酬の併給にすると非効率な形になるのではない かと考える。
配置医師の報酬、置かれている立場が、非常に 低く見積もられていることについては、その通 りであると考える。今後重症化していくと考え られるが、看取りについては、加算がつくこ とになっており、最後は1280 単位、その前の 2 日間は680 単位、30 日遡った27 日間は、80 単位となっている。看取りについては施設に配 置された看護師が、配置医師と看取りした場合 に、看取り加算が取れることとなっている。評 価は、徐々に言っていけば付いてくるだろうと 考えている。
<提案要旨>
2012 年度から医療計画の中に認知症施策が 含まれ地域における認知症対策は高齢化の急速 な進行とともに喫緊の課題となっている。
2005 年から国立長寿医療センターが養成を 開始した認知症サポート医は地域での認知症対 策のコアとなるべき存在として期待されている が養成後の国のサポートは十分とは言い難い。
当県では2012 年6 月に認知症サポート医連 絡協議会を設立し現在県下39 名の認知症サポート医全員が参加している。2012 年度は3 回 のフォローアップ研修と3 カ所× 3 回のかかり つけ医認知症専門研修を行った。
また県医師会と県で専門研修を受講した地 域のかかりつけ医と認知症サポート医、計227 名を「大分オレンジドクター」として認定し認 知症の相談を気軽に受けられる体制を整備しつつある。
認知症サポート医の活動状況については地域 差が大きいとの指摘があり、下記の点を中心に 各県の現状をお聞きしたい。
<提案要旨>
厚生労働省では、市町村認知症施策総合推進 事業として「認知症初期集中支援チーム等設置 促進モデル事業」及び「認知症医療支援診療所 (仮称)地域連携モデル事業」を打ち出しており、 当該事業は今後の地域における包括的な認知施 策の中心となるものである。これらに地域医師 会が積極的に関与していくためには、県医師会 からの情報発信も極めて重要であると考える。
本会では、福岡県高齢者支援課と情報交換を 始めたところであるが、未だ具体的な協議まで いたっておらず、各県においての現状並びに今 後の計画について情報交換をさせていただき、 日医のお考えもご教示いただきたい。
また、今までは、認知症サポート医は地域の コーディネート役としての位置づけと考え、受 講者の選定を行っていたが、認知症医療支援診 療所には認知症サポート医が必置となるなど、 専門医としての色合いが強く打ち出されている ように感じられる。今後の認知症サポート医養 成について各県の見解をお伺いしたい。
(6)(7)一括協議
<各県回答>
認知症サポート医の活動状況について、また 「認知症初期集中支援チーム等設置促進モデル事業」及び「認知症医療支援診療所(仮称)地 域連携モデル事業」については、各県の取組状 況に差異があることが示された。
福岡県では北九州市(政令指定都市)の精神 科のクリニックにおいて、「認知症医療支援診 療所(仮称)地域連携モデル事業」が参加する こととなっており、今後は、北九州市に要請し、 県行政、郡市医師会、県医師会が運営協議会と してオブザーバーに入ることとなっている。
鹿児島県医師会では、南大隅町において「認 知症初期集中支援チーム等設置促進モデル事 業」に参加することとしている。南大隅町では、 平成24 年度は在宅医療推進モデル事業を実施 しており、平成25 年度のテーマを認知症とし ており、肝属群医師会立病院がその一部を委託 する形でスタートする予定となっている。
また、モデル事業に対して今までとおりの地 域連携で対応可能であり、あえて実施せずとも よいのではないかとの意見もあげられた。
<日医コメント>
認知症サポート医の養成は多くされている が、評価されていない。
認知症サポート医には、内科を中心に診るコ ーディネータ型の医師と、神経内科・精神科の 専門医療と確定診断まで行う医師の二通りあ る。「認知症初期集中支援チーム等設置促進モ デル事業」及び「認知症医療支援診療所(仮称) 地域連携モデル事業」は、専門医型のサポート 医をおくことで評価が決まっている。
その他にも、市町村認知症施策総合推進事業 があり、サポート医が支援推進員(コーディネ ータ)あるいは嘱託医という形で地域包括支援 センターの中に入って活用されるケースもあ り、診療報酬として評価されるのではなく、行 政より人材費(非常勤)として評価されている。
我々としても養成だけするのではなく、ちゃ んと評価してもらいたいということを、審議会 等で要望しており動向について見守っていただきたい。
それから県医師会としては、サポート医マッ プ作りについて是非取り組んでいただきたい。
<提案要旨>
在宅介護は、家族の介護負担、経済的負担が 大きいことから、サービスの利用が中々促進さ れず、現実的に介護保険施設への入所待機者が 増加している。
在宅介護は、1 ヶ月の利用者負担額が高額に なった場合、高額介護サービスとして、所得に 応じて一部負担の上限額が設定され、それを超 えた分は後日償還払いで措置されるものの、一 時的に費用の支払いが必要になることから、サ ービス提供の必要があるにも拘わらず、利用者 は初めからサービス利用を控える状況にある。 特に老老介護の世帯や独居の要介護者は、この 傾向が強く、我慢が強いられており、介護保険 施設の入所待機者が増加している一因になって いる。今後の高齢者の増加を勘案すると、今後、 在宅での介護は不可欠であり、在宅での介護が 受けやすくなるよう、費用負担の方法も含めて 制度を改善する必要があると考えます。
各県のお考えと日医の見解を伺いたい。
<各県回答>
各県より、在宅介護サービスの制度を改善す るべきであるとの意見が示されたが、熊本県か ら、低所得者への配慮として社会福祉法人等に よる利用者負担額軽減制度もあり、今後進めら れる介護保険制度改革においては、低所得者へ の更なる配慮が検討されることとなっているこ とから、制度改善の必要があるとは考えていな い旨の回答が示された。
<日医コメント>
鹿児島県より、限度額適用認定制度と同様の 取扱いをしてはどうかとの意見がある。限度額 適用認定制度は、事前に申請し、上限を超えた 金額については、償還払いではなく、全額現物 給付するというものになっている。
しかし、介護保険で適用させる場合、様々な 事業所を使う為、どの事業所の分を超えた分と して現物給付するのかということが難しい。技術的には良いと考えるが、医療の時は上限が分 からなく、介護ではある程度の超える額が分か る為、このような制度は必要ないのではないか と考える。
一つの方法として、検討させていただきたいと考える。
<提案要旨>
長崎県では、基準病床数の1.2 倍のベッド数 を有しながら、一部の地域では患者急変時のベ ッド確保に支障を来している。理由の一つに、 慢性期ベッドの回転率の低さに起因する受け皿 不足もある。
平成22 年度病院報告では、長崎県では、平 均在院日数は一般病床20.2 日、医療療養病床 132.0 日、介護療養病床457.3 日という状況である。
九州各県の状況は如何か。また、ベッドの回 転を速めるためのインセンティブが必要かどう かについて、日医や各県のお考えをお尋ねしたい。
<各県回答>
各県より、一般病床、医療療養病床、介護療 養病床の平均在院日数が示された。
大分県から、患者急変時のベッド確保の問題 を改善させる為には、受け皿を増やすだけでは なく、円滑に回転させるための必要な空床を常 に確保しておく必要があるとの意見が示された。
鹿児島県から、退院後の受け皿となる介護保 険施設や居住系施設等、また在宅医療推進等、 更なる医療介護環境の整備を並行して議論する 必要がある旨の意見が示された。
<日医コメント>
介護療養の入所者特性を見ると、医療療養と は機能分化されてきている。医療療養は医療区 分1 が減り、介護療養は医療区分1 が増えてい る。介護療養の要介護度は平均4.5 以上であり、 老健も特養も全て重度化している。在宅復帰施設というのは、定められているのは老健施設の みとなっており、ベッド回転率の評価が入って いる。介護療養病床には、医療区分は1 でも寝 たきりの人等、要介護度5 である為、その方々 の回転率を良くするというインセンティブはど うかと考える。最終的に看取りを行うことの方 が多いと考える。
リハビリを行えば回転率を上げる事ができる が、要介護3 位の方は、リハビリをするとある 程度在宅に変えられる可能性があり、短期集中 リハ(3 ヶ月)が、ベッド回転率をあげるイン センティブには繋がっていると考える。
元々介護施設を3 施設作ったのは、それぞれ の患者特性に応じて入居してもらう為である。在 宅に変えられる人というのは老健施設に入って いただき、リハビリを受けて帰っていただく。特 養については、要介護3 以上しか入れないとい うとんでもないことが出てきているが、介護療養 については、医療があり、医師や看護師がいない といけない人達が入るという特性であるので、こ こでベッド回転率をあげるということについて は、個人的には意味がないのではないかと考える。
<提案要旨>
厚生労働省の調べによると定期巡回・随時対 応サービスの事業所数が伸びていない。
大まかな試算をすれば、要介護度4 または5 の方は、定期巡回・随時対応サービスを利用す るより、個別の介護サービスを受けた方が経済 的に有利である。
逆に、要介護1 または2 の方には、経済的に 有利であるが、このことは、事業者にとって持 ち出しになる。従って、定期巡回・随時対応サービスでは要介護度3 が利用者層となる。
つまり、利用者となる方々が限定的であるこ とを示しており、都市部では、利用者の割合が 低くても人口が多いので、絶対数は確保できる が、地方においては、利用者を確保できないと 思われ、その結果が事業所数に表れていると考えられる。
国は、参入上の課題として、1)未参入の事業 所の「夜間・深夜の対応が中心」「利用者から のコールが中心」などの認識 2)訪問看護やケ アマネジャーとの連携を上げているが、参入を 妨げている一番大きな課題は、利用者の確保困 難性にあると考えるが、各県の見解を伺いたい。
<各県回答>
各県から、定期巡回・随時対応サービスの事 業所数が伸び悩んでいる要因として、介護報酬 および人材や利用者の多い都市部を中心と考え る制度のあり方に問題があるとする意見が示された。
<日医コメント>
定期巡回・随時対応サービスは、地域型と集 合住宅型(サービス付高齢者向け住宅型。以下、 「サ高住」という。)に分かれており、地域型で はほとんどサービスが提供できず(訪問看護週 1 回、訪問介護週3 回、コールはほとんど電話 対応でしかない)、サ高住でないと採算ペース に合わない。また、地域型では非常にサービス が手薄になってしまい、サービスを受ける高齢 者の方々が不利益を被ることが懸念される。
地域型で24 時間、安定的に医療と介護を行 えるようにするには、現在あまり進んではいな いが、複合サービスを利用することがいいので はないかと考える。
印象記
理事 比嘉 靖
平成25 年9 月28 日に九州医師会連合会の平成25 年度第1 回各種協議会が当県那覇市内ホテ ルにて開催され、日本医師会からは三上裕司常任理事が参加された。
介護保険対策協議会においては各県から10 題が提出された。(1)4 月22 日に開催された第10 回社会保障制度国民会議において取り上げられた要支援の介護保険はずし、予防給付の今後の動 向についての2 題については、主治医意見書の精度向上や予診表の活用についての有効性につい て話し合われた。(2)特別養護老人ホームにおける訪問看護の制限や嘱託医の報酬や医療行為に 対する診察報酬の矛盾についての3 題では、日医からは看取りなど重症度の高い施設での医療と 介護報酬の二本立てになる法外な報酬の発生が推測され一筋縄ではいかない問題とのコメントが あった。(3)認知症サポート医の現状や包括ケアシステムにおける役割についての2 題については、 育成だけではなく、それなりの評価をしてもらえるよう日医から審議会に要望中であるとの報告 がえられた。(4)その他、介護保険の一部負担金の問題、介護療養病床の平均在院日数、定期巡回・ 随時対応サービスの事業性について(鹿児島)については個別に協議を行った。
各県からの提案については以前から継続的に出されている議題も多く、介護保険制度における 問題点に焦点があってきている印象があり、今後の協議会ではより具体的な問題解析や報告、解 決に向けた提案などが期待できるであろう。
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