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「臓器移植普及推進月間(10/1 〜 10/31)」に寄せて

平川達二

沖縄県移植コーディネーター 平川 達二

沖縄県医師会の皆様におかれましては、臓器 移植に対し、日頃から深い御理解とご協力を頂 き厚くお礼申し上げます。

昨年4 月から沖縄県移植コーディネーターと して活動し早1年が経ちました。昨年はドナー やそのご家族そして医療関係者より多くの経験 と学びがありました。2 年目になる今回は、沖 縄県の献腎移植の状況を報告いたします。

沖縄県は1990 年代に(人口100 万人あたり の割合で算出= PMP)腎提供数は全国1 位に なった程の実績があります。しかし、その後は さまざまな要因により提供数は減少したと言わ れています。

2005 年から2012 年までの県内の献腎提供実 績は、累計17 例、年平均2.1 例でPMP:1.5 となっています。日本で一番提供数の多い東京 都と比較すると2005 年〜 2012 年までの提供 実績は累計96 例、年平均12 例でPMP:0.9 と(ス ペインPMP:34.3、日本PMP:0.8)けして 悪い数字ではありません。しかし、献腎移植希 望登録を(沖縄県の登録者数は約260 名)して、 実際に県内で移植を受けられる患者様は、年間 約6 名程度にしかすぎません。登録から移植ま での平均待機期間が約15 年ともなると、生体 腎移植を選択せざるを得ない現状があります。

移植医療に関して、まだまだ普及啓発の進んでいない日本においても、終末期の宣告を受け たご家族からの申し出により臓器提供を選択さ れる方もおられます。医療現場においては、終 末期の看取りについても考える時代となってお りますので、こういった少ないご家族の意思や 思いをくみ取るためにも是非、医療現場におい て臓器提供に関する意思確認をして頂きたいと 考えております。現在沖縄県においては、臓器 提供に関する院内体制整備やシステムの導入を 進めており、それと同時に県民に対しての普及 啓発活動も行っております。

毎年10 月は「臓器移植普及推進月間」とし て広く国民に対して臓器移植の現状を訴えると ともに、移植医療に対する理解と協力のため普 及啓発を行っております。

私たち沖縄県においても、10 月には臓器移 植普及月間街頭キャンペーンや臓器移植を知る シンポジウムを企画しております。

街頭キャンペーンでは、できるだけ多くの 人々が、臓器提供意思表示カードを所持し、運 転免許証や健康保険証に臓器提供に関する意思 表示がなされるよう協力を呼びかけます。

開催日時は、10 月6 日(日)パレット久茂地 イベント広場を予定。

今年のシンポジウムは「腎臓移植」をテーマ に、県内にて献腎・生体腎移植にご尽力されて いる豊見城中央病院外科の大田守仁先生を招い ての基調講演や腎移植体験者の発表、ミニコン サートなどを計画しております。

開催日時は、10 月20 日(日)14 時〜 16 時、 場所は浦添市てだこ小ホールを予定していま す。お時間の都合がつく皆様にはぜひ参加して 頂きたいと思います。

最後に会員の皆様には、今後も臓器移植に 対する御理解とご協力宜しくお願い申し上げます。