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平成25年度 第3回 沖縄県・沖縄県医師会連絡会議

玉城信光

副会長 玉城 信光

去る7 月31 日(水)、県庁3 階第1・2 会議 室において標記連絡会議が行われたので以下の とおり報告する。(出席者は以下のとおり)

出席者:宮城会長、玉城副会長、安里副会長、真栄田常任理事、村山理事(以上医師会) 崎山福祉保健部長、平保健衛生統括監、里村参事、大城障害保健福祉課長、阿部医務課長(以上福祉保健部)

議 題

1. 臨床研修医確保対策合同説明会参加モデル事業継続についての要望
(提案者:沖縄県医師会)

<提案要旨>

ご承知のとおり、本会では沖縄県から委託を 受け、平成24・25 年度の2 年間に亘り、計5 回東京・大阪・福岡で行われた「医学生・研修 医を対象とした臨床研修病院の合同説明会」に、本県の15 臨床研修病院並びに本会が参加し「オ ール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」として、来場 する多くの医学生や研修医等に沖縄での魅力あ る臨床研修を効果的・効率的にPR した。

今般、平成24・25 年度に計画していた合同 説明会への参加をすべて終えたところである。

本委託事業の目的に謳われている「県内の初 期・後期臨床研修医の確保に有効な手段となり うるか確認する」の条文については、去る6 月 12 日に開催した「臨床研修医確保対策事業合 同説明会参加モデル事業」合同会議において、 県内15 臨床研修病院並びに3 研修群(県立病 院群、RyuMIC 群、群星沖縄研修群)より、本 事業の効果があるとの認識で一致した。

また、合同説明会参加の後、病院見学やクリ ニカルクラークシップの申し込み、研修内容の 問合わせ等も増えており、くわえて、本県のマ ッチング率も対前年比6.8%増の94.3%となっ ており、今後も事業を継続して欲しいとの強い 要望があがった。この他、当該プロジェクトを企画推進するにあたり、各研修群や臨床研修病 院担当職員同士の顔の見える関係が構築でき、 意思疎通が図られたことは、前述の成果に勝る とも劣らないとの意見があり、今後、本県の臨 床研修の向上に資するものと考えている。

ついては、本会並びに県内15 臨床研修病院、 3 研修群の総意として、本県の初期・後期臨床 研修医の確保に有効な手段となりうる事業であ ると考えており、次年度以降も是非、予算措置 並びに事業の継続をお願いしたく要望する。

また、既にご承知のとおり、厚生労働省の医 道審議会・医師分科会医師臨床研修部会では、 この程、「研修医募集定員の激変緩和措置」を、 平成26 年度の臨床研修まで継続することとし、 次回の制度の見直しに併せて廃止することとし ている。このことは、これまで都道府県の定員 数は「受入れ実績から10%以上削減しない」、 「病院毎の定員は前年度の内定者数を下回らな いようにする(マッチ保障)」とする激変緩和 措置が撤廃されることであり、今後の離島支援 を視座した場合、本県において極めて重要な問 題であると危惧している。

福祉保健部においては、現在も多くの医師確 保対策事業を展開されているところであるが、 安定的な初期・後期臨床研修医の確保の観点か ら是非とも今回のようなオール沖縄での取り組 みを事業化していくことが必要であると考えて いるので、特段のご配慮をお願い申し上げ、要望とする。

<参 考>
出展別実績数の推移(表1)

表1

表1

<医務課回答>

6 月12 日に開催された「臨床研修医確保対 策合同説明会モデル事業」合同会議において、 県内15 臨床病院及び3 研修群(県立病院群、 RyuMIC 群、群星沖縄研修群)から、以下の点 で当該モデル事業の効果について報告があった ところであり、県としては、当該モデル事業の 当初の目的を概ね達成したと考えている。

  • 1)県内のマッチング率の向上に効果があった(H24:87.5%、H25:94.3%)。
  • 2)病院見学やクリニカルクラークシップの申込み、研修内容の問い合せが増加した。

当該事業の当初計画では、モデル事業終了後 は事業の効果や費用対効果等を踏まえ、参加機 関の費用負担において、事業の継続を検討して いただくことになっている。

県としては、参加機関互いの費用負担による 事業継続を検討していただき、その上で、当該 事業への協力について検討していきたいと考えている。

<主な意見等>

◇県医師会:

各研修病院独自で出展していただきたいということか。

◆県福祉保健部:

平成26 年度以降は、県として支援は行わず、 各医療機関で費用対効果を考えて、説明会に参 加するか否かについて検討し、各自で費用負担 してもらうとしていた。本事業は地域医療再生 基金がある間の事業として実施したものであ り、継続する場合は、一般財源を活用せざるを 得ないことから予算化は厳しい。必要であれば 一括交付金を活用し、県外までの旅費の一部負 担等なんらかの対策を考えたい。

◇県医師会:

当然、このまま全ての予算を確保いただきた いとは考えていない。これまで計5 回出展した 際、オール沖縄ブースは大きく、多くの来訪者 がおり会場内で目立っていた。沖縄県での卒後 研修を効果的にPR できたのではないかと考え ている。このまま縮小するのは惜しい。少しでも補助をいただければありがたい。

◇県医師会:

「臨床研修医確保対策合同説明会モデル事業」 合同会議において、ある程度の自己負担あって もよいとのコンセンサスを得ている。提案趣旨 にあるように、この事業の副次的効果として、 各研修群の横のつながりがよくなり、それがシ ミュレーションセンター事業などの研修事業 に良い効果を生み出している。また、オール沖 縄で出展することにより、これまで研修医が少 なかった病院のアピールもできた。個々の医療 機関で出展するより、沖縄県全体で取り組んで いるということをアピールすることが重要であ る。さらに県医師会では、3 研修群内での相互 乗り入れを行い沖縄の研修全体が相乗効果によ り、さらによいものにしていけたらと検討して いる。その足がかりができつつある。補助をい ただければ、沖縄県、3 研修群、県医師会で協 議しながら進めていく。

◇県医師会:

平成24・25 年度、当事業にご支援いただき感 謝申し上げる。10 年前にこの様な合同説明会に 参加した際は、県内の各研修病院ブースは、会 場内でバラバラに配置されていた。5 月19 日に 参加した大阪会場では、オール沖縄のブースは 入口からすぐ左に配置されており、ブースの大 きさは会場内で2 番目であった。来訪者は出展 機関のなかで最も多く、なかには、2 時間前後も 説明を受けている医学生もいた。県立中部病院 もさることながら、沖縄での初期臨床研修への 関心の高さと、沖縄ブランドを強く感じた。こ のすばらしい事業を継続させて、さらに後期研 修医を積み上げて発展していくことは、県行政、 我々医療従事者の使命であると考えている。予 算化に向けてご尽力の程よろしくお願いしたい。

◇県医師会:

沖縄県はこれまで医師確保で苦労されてきて いる。とりわけ、多くの離島を抱える本県にお いては医師不足は喫緊の課題である。その様な なか、各研修病院がオール沖縄の取り組みとし て、医師確保事業に務めることは、対外・対内 的にも良い波及効果を生むと考えているので、是非、 県からの補助事業として継続をお願いしたい。

◆県福祉保健部:

今後、一括交付金を活用できないか検討し、 県としてなんとか支援していきたい。

◇県医師会:

沖縄県はこれまで、大きな努力と費用をかけ て医師確保事業を行っている。この事業は医師 確保事業の基となる。医師確保事業の一つとし て予算化していただきたい。

◇県医師会:

合同説明会において、ある県のブースは大き く構えていたが、その県は各々の病院が並んで出 展しているだけで、県全体として取り組んでいる わけではなかった。オール沖縄のコンセプトを何 とか繋げられるようにご配慮いただきたい。

◇県医師会:

学生、研修医の意見として、沖縄県全体で、 研修をアピールしているように見えるとの意見 があった。それが口コミで広がり評判を呼んでいる。

◆県福祉保健部:

もとは2 年前に、初期研修のメッカである沖 縄県を維持、継続していかなければという、み んなの気運で始まった事業である。医務課長は 予算の中からどれだけ捻出できるか苦労しなが らの回答だったと思うが、何とか支援できるよ うに努めていきたい。

議 題

2. 発達障害診療を行っている医療機関数を増やす取組と、地域の医療機関の支援体制整備に向けたネットワーク構築について
(提案者:沖縄県福祉保健部)

<提案要旨>

1. 県の計画に基づく、支援体制整備

平成17 年に「発達障害者支援法」が施行さ れ、本県においても、平成21 年度に「沖縄県 発達障害児(者)支援体制整備計画」及び「沖 縄県発達障害児(者)支援に関する人材育成計 画」に基づき、支援体制整備を進めているところである。

2. 発達障害児(者)の顕在化と課題

これまでに、県民の発達障害に関する認識が 広まり、潜在していた相談・支援を必要とする 人の数が増加している。同時に、発達障害の相 談支援を行う相談支援機関等より、診療につな がるまでに時間がかかるケースの現状が報告さ れている。

3. 南部医療センターの休診

また、南部医療センター・こども医療センタ ーでは、平成21 年度から医師不足により、休 診となっている。休診の背景には、患者数の増 加に伴い、南部医療センター・こども医療セン ターに患者数が集中し、本来の拠点・基幹的病 院の役割が十分に機能できない状況があった。 その後、平成25 年度内に南部医療センターに おいて、こころの診療科を再開予定だが、再開 後に拠点病院として機能するためにも、地域で 発達障害診療を行っている医療機関と協力し、 診療を行う必要がある。

4. 支援協力医療機関の不足

さらに、発達障害児(者)支援協力医療機 関数は、平成24 年度時点において、県内に17 機関となっており、現在の診療の予約が取りに くい状況を踏まえると、地域で発達障害診療を 行う医療機関を増やす必要があるため、医師等 を対象とした研修等を沖縄県発達障害者支援セ ンターが中心となって実施し、医師等の人材育 成に努めているところである。

5. 県医師会の意見・提言のお願い

今後は、県医師会のご協力もいただき、地域 の医療機関との連携や、発達障害診療を行う医 師の人材育成、確保に向けた取組を行う必要が あると考えるが、連携や人材育成を進める上で の課題や必要な対策等について、県医師会のご 意見を伺いたい。

<主な意見等>

◇県医師会:

これまで、県立南部医療センターにおいて発 達障害専門の先生を配置しているが、1 年位で 辞められ、心配しているところである。県内の 発達障害を扱っている医療機関は、バラバラに 行っている状況がある。

本会の対策として、現在パブリックコメント が行われており、障害のある人もない人も共に 暮らしやすい条例(案)について、対応してい かなければいけないと考えている。また、知的 障害の中でも、3.4 歳までの障害児を抱えてい るご家族は、発達するのか止まってしまうのか、 非常に期待が大きい。そこに重点的な対策を取 ってはどうかと考える。

しかし、本会での養成は難しい為、医療人を 養成する専門機関である大学病院と連携してい く必要があるのではないかと思う。

◇県医師会:

1 つの医療機関が疲弊するということは、ネッ トワークがしっかり出来ていないと思う。それ を構築することによって、お互いの情報交換の 場を設けることができれば、発達障害を扱う医 療機関同士の連携が取れ、上手くいくのではな いかと考える。是非、県の方で音頭をとってい ただき、横の繋がりを広げていってはどうかと 思う。1 つの組織を作り、年に何回か集まり、共 同の協議会を行っていくことが必要ではないか。

◆県福祉保健部:

おっしゃるとおり、ネットワーク作りが不十 分であった為に、南部医療センターの先生が疲 弊してしまったのではないかと思う。その中で も17 医療機関で役割分担をやった中で、高度 な医療が必要な場合もあれば、地域でみていく 場合もあるので、その辺りを意見交換ができれ ば良いと考える。

◆県福祉保健部:

県医師会からの意見も参考にし、進めていければ良いと考える。

印象記

副会長 玉城 信光

沖縄県医師会から提案が1 つあった。

1. 臨床研修医確保対策合同説明会参加モデル事業継続についての要望

村山理事より趣旨説明があった。平成24・25 年度の2 年間、計5 回本県の15 臨床研修病院と 県医師会が一緒になり「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」として医学生や研修医に対して沖縄 での研修を呼びかけてきた。その成果もあり今年の研修医のマッチング率が全国2 番目によい結 果になっている。また3 研修群(県立病院群、RyuMIC 群、群星沖縄研修群)が協力して事業を 行うことでお互い顔の見える関係になり、沖縄県の研修レベルも向上してきたと思われる。

この事業を平成26 年度以降も継続できるようにお願いをした。

沖縄県では地域医療再生基金の活用で行った事業なので今後は各病院で独自に行って欲しいと の意見であったが、県医師会で先日行った合同会議においても、ある程度の自己負担はあっても よいとのコンセンサスを得ているが、この事業の副次的効果としてシミュレーションセンター事 業などに良い効果を生み出している。また、オール沖縄で出展することにより、これまで研修医 が少なかった病院のアピールもできた。個々の医療機関で出展するより、沖縄県全体で取り組ん でいるということをアピールすることが重要であると説明をした。

県としても一括交付金などを活用しながら、継続できるようにしていきたいとの回答があった。 次の沖縄県の医師を確保する大事な事業なので是非継続をお願いしたいものである。

福祉保健部からの提案は

2. 発達障害診療を行っている医療機関数を増やす取組と、地域の医療機関の支援体制整備に向け たネットワーク構築についてお願いがあった。

県民の発達障害に対する相談・支援を必要とする人の数が増加しているが医療機関との連携が 上手くいっていない現状がある。南部医療センター・こども医療センターで相談を行っていたが、 医師の過重負担のために平成21 年度から休診となっている。平成25 年度内に南部医療センター において、こころの診療科を再開予定だが、再開後に拠点病院として機能するためにも、他の地 域で発達障害診療を行っている医療機関と協力し、診療を行う必要があると考えている。

県内の発達障害を扱っている医療機関は、バラバラに行っている状況がある。

障害のある人もない人も共に暮らしやすい条例(案)について、対応していかなければいけな いと考える。1 つの医療機関が疲弊するということは、ネットワークがしっかり出来ていないか らだと思う。沖縄県が中心になり協議会などを作って頂けるのなら県医師会としても協力を約束 した。17 医療機関で役割分担をして、高度な医療が必要な場合、地域でみていく場合など連携を はかっていくことを確認できた。

先生方のご協力をお願いしたい。