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Akiane Kramarik; An American artistic prodigy

桑江紀子

同仁病院 桑江 紀子

休日の早朝、静寂の中、小鳥のさえずりで目 が覚めた。目覚ましの1 杯のコーヒーを味わお うと、庭のテラコッタの小さなテラスに出ると、 初穂のミニトマトの実の房が恥ずかしそうにな っているのが目に入る。向こうの、家を囲む白 いフェンスにからませた紫色のベンガルヤハズ カズラや、白いiceberg のバラは互いに挨拶を 交わすように風に吹かれて、涼しげだ。椅子に 腰かけ、コーヒーカップを片手にしばらく前に 手に入れた< Akiane >の本を開いて、絵を眺 める。

カリフォルニアの南欧風の小さな家を半年前 に建てた。外壁を薄いピンク色に塗り、内装は 漆喰風の白壁、居間の天井は2.7m と高めにし、 天井高3.5m ほどの廊下の灯り採りから光が差 し込むような作りにした。床はメープルの白っ ぽい無垢材で仕上げた。壁にはお気に入りのシ ャガールとカシニョール、シカゴ美術館で買っ た安いベルトモリゾの印象派の絵を掛けて。

< Akiane > とは、ロシア語で< 海> と いう意味だ。2 年前のある日、アメリカの Rochester の知人がくれた1 通のメールで知っ た画家、現在18 歳。spritual,emotional で神秘 的な絵を描く。

1994 年、イリノイ州でリトアニア人の母と アメリカ人の父のもとに生まれた。両親とも宗 教に無縁で、家庭で2 人とも神について話し たことも、教会へいったこともなかった。4 歳 のとき、Akiane は突然、母に神について語り 始める、< God >が<自分を天国>へ連れて ゆき、天国をみせてくれたと。4 歳半、彼女は 身の回りのあらゆるものを鉛筆でデッサンし始め、6 歳で、< painting >油絵を始める。7 歳 ですでに技量と表現は卓越したものとなり、現 在では、製作した絵の数は100 を超え、出版し た2 冊の本はベストセラーとなった。絵で得た 資金は世界の貧しい国の子供たちを救うための 基金として寄付。数ヶ国語を話し、詩作、作曲 まで手がけるAkinae の才能と、self-taught 独 学で生みだされたその絵は、CNN,ABC,Oprah Show 等数々の番組で取り上げられてきた。こ の早熟の天才は、毎日早朝に起きて、vision を キャンバスの上に表現するべく、職人のように 描くらしい。You Tube のCNN の番組(Akiane Kramarik age 12 on CNN) では、彼女が< The colors are there…hundreds of, thousands of…crystal clear >(天国に)は色彩がもっと たくさんあって、澄みきっていて)と語るのを 見ることができる。

<Angel>の絵に見とれながら、(仮の庵: 現世:に座して)Akiane のいう、天の国を想 像してみる、夏の始まりの日。

Homepage:www.akiane.com/home

10 歳時の作品 <Angel>

10 歳時の作品 <Angel>

15 歳時の作品 <Symphony>

15 歳時の作品 <Symphony>

(緑陰随筆依頼受け)