理事 村山 貞之
去る4 月21 日(土)、パシフィコ横浜におい て開催された「e- レジフェア2013 in TOKYO」 及び、5 月19 日(日)大阪ATC において開催 された「e- レジフェア2013 in OSAKA」の概 要について以下のとおり報告する。
【目的】
沖縄県の15 臨床研修病院が合同で説明会へ 参加し、来場する医学生・研修医を効率的に「オ ール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」ブースに集め、 研修医確保につなげる。
【オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜 ブースのルール】(図1)
図1 オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブース
図2 来訪者カード
【e- レジフェア 2013 in TOKYO 報告】
当フェアへの総来場者数は619 名、出展機 関は190 施設、学年別人数は6 年生137 名、5 年生308 名、4 年生139 名、研修医及びその他 は35 名であった。(図4)
オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者数は102 名で、 内5 年生66 名、4 年生30 名、その他6 名であった。(図5)
図4
図5
【来訪者へのアンケート集計結果について】
「各研修群・研修病院に何を聞きたいです か?」では、研修プログラムについて伺いたいが55 名(21.2%)となっており、以降は、研 修環境47 名(18.1%)、病院全体44 名(17.0%)、 病院見学25 名(9.7%)、採用試験25 名(9.7%)、 離島医療・救急23 名(8.9%)、給与・処遇15 名(5.8%)、研修群の特徴12 名(4.6%)、専 門研修11 名(4.2%)、その他2 名(0.8%)であった。(図6)
「どの研修群・研修病院をまわりましたか?」 では、県立病院群が93 名(91.1%)、RyuMIC 群67 名(65.6%)、群星沖縄研修群65 名(63.7%) であった。また、3 研修群全てから説明を受け た人数は59 名(57.8%)であった。(図7)
e- レジフェア 2013 in TOKYO
【e- レジフェア 2013 in OSAKA 報告】
当フェアへの総来場者数は639 名、出展機関は115 施設、学年別人数は6 年生62 名、5 年生388 名、4 年生169 名、研修医及びその他 は20 名であった。(図8)
オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの 総来訪者数は157 名で、内5 年生93 名、4 年 生42 名、研修医及びその他は23 名であった。(図9)
【来訪者カード 集計結果報告】
「各研修群・研修病院に何を聞きたいです か?」では、研修プログラム・研修環境につ いて伺いたいが73 名(20.4%)となっており、 以降は、病院全体64 名(17.9%)、病院見学 44 名(12.3%)、採用試験30 名(8.4%)、離 島医療・救急26 名(7.3%)、給与・処遇21 名(5.9%)、研修群の特徴15 名(4.2%)、専門研 修12 名(3.4%)であった。(図10)
「どの研修群・研修病院をまわりましたか?」 では、県立病院群が112 名(71.3%)、群星沖縄 研修群93 名(59.2%)、RyuMIC 群89 名(56.6%) であった。また、3 研修群全てから説明を受け た人数は79 名(50.3%)であった。(図11)
【平成24 年度・25 年度に参加した説明会の比較】
e- レジフェアTOKYO(H24.4.29)では、総 来場者数が1,361 名、出展機関は130 機関、学 年別来場者数は6 年生379 名、5 年生631 名、4 年生294 名、その他57 名であった。オール沖 縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者数 は260 名で、内6 年生26 名、5 年生167 名、4 年生60 名、その他6 名であった。3 研修群全て から説明を受けた人数は105 名となっている。
レジナビフェアOSAKA(H24.7.1)では、総 来場者数が1,506 名、出展機関は360 施設、学 年別来場者数は6 年生140 名、5 年生1,176 名、 4 年生168 名、その他は22 名であった。オール 沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者 数は190 名で、内6 年生12 名、5 年生162 名、 4 年生12 名、その他2 名であった。3 研修群全 てから説明を受けた人数は69 名となっている。
e- レジフェア福岡(H24.9.22)では、総来場 者数が625 名、出展機関は95 機関、学年別来場者数は6 年生24 名、5 年生236 名、4 年生 356 名、その他9 名であった。オール沖縄〜赤 瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者数は95 名で、内5 年生32 名、4 年生55 名、その他8 名であった。3 研修群全てから説明を受けた人 数は41 名となっている。
e- レジフェアTOKYO(H25.4.21)では、総 来場者数が619 名、出展機関は190 機関、学 年別来場者数は6 年生137 名、5 年生308 名、 4 年生139 名、その他25 名であった。オール 沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者 数は102 名で、内6 年生2 名、5 年生66 名、4 年生30 名、その他4 名であった。3 研修群全 てから説明を受けた人数は59 名となっている。
e- レジフェアOSAKA(H25.5.19)では、総来場者数が639 名、出展機関は115 施設、学 年別来場者数は6 年生62 名、5 年生388 名、4 年生169 名、その他は20 名であった。オール 沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者 数は157 名で、内6 年生5 名、5 年生93 名、4 年生41 名、その他18 名であった。3 研修群全てから説明を受けた人数は79 名となっている。 (図12, 図13, 図14, 図15)
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
沖縄県のモデル事業(委託)として実施して いる本事業について、今回を以て終了すること から、これまでの反省や事業評価について15臨床研修病院並びに各研修群より意見を伺っ た。主な意見は下記のとおりである。
【主な意見等】
・ 作業部会、作業部会ワーキンググループ等で 取り決めたオール沖縄のルールやコンシェル ジュ等が機能していた。今後、オール沖縄で 出展する場合、このルールを継続しつつ、ち ゅらSim をアピールしたい。今年度は、リ ンクスタッフ社のe- レジフェアに2 回参加 したが、開始から終了まで多くの講演会が催 されていたことや、リンクスタッフ社への事 前登録者数と当日の参加者数に大きな隔たり があったことから、全体的に出展しているブ ース内に来訪者が少なかった。
・ 平成24 年度から始まったこの事業は成功し ている。これまでは、各群・各病院が単独で 合同説明会に参加し、競合していた。今後も 県医師会を中心としてオール沖縄の取り組み は継続するべきである。オール沖縄で取り組 むことにより、それぞれの研修事業がよりよ いものとなる。費用面も含め、この取り組み の継続を検討していただきたい。
・ 今後、オール沖縄で出展する場合は、参加者数の多い説明会に出展するべきである。
・ オール沖縄で出展することにより、最大で3 研修群、15 病院を紹介できることが良い点 である。今後も継続していただきたい。
・ 当院は県外からのマッチングが少ないが、オ ール沖縄で参加することで、当院をアピール できることはありがたい。
・ 東京会場のオール沖縄ブースの配置場所は問 題があった。ブースの配置場所を検討してい ただきたい。オール沖縄での取り組みは、研 修医の増加につながり活性化すると考えられ る。来年度以降も継続していただきたい。
・ 県外の学生数名から病院見学の申込みがある。効果であると考えられる。
・ 当院が単独で出展した際は、ネームバリューが ないため来訪者が少なかった。オール沖縄での 出展や、USB の効果により、当院をアピール することができた。地域で一体となって取り組むことにより、学生や研修医に与えるインパク トが強い。沖縄県全体で研修医を育てている印 象を植え付けることが出来る。来年以降も継続 してやるべきである。オール沖縄で出展して以 降、県外の学生が8 名病院見学に来ていただ いた。当院にとっては大きな数字である。
・ 昨年の大阪会場で、当院のブースに来ていた だいた学生に、研修プログラムをアピールす ることができ、今年度採用に至った。効果覿 面であった。
・ 初期研修医の立場から説明することにより、 効果があると考えられる。また、オール沖縄 で出展することにより、各研修群、各病院の 研修プログラムを紹介でき、本県が研修のメ ッカであることをアピールできる。
・ 沖縄県のために一つになれたことが良かっ た。今後は、オール沖縄の取り組みを後期研 修に活かせればと考えている。
・ 第三次地域医療再生基金の柱は、医師確保・ 災害・在宅医療である。この取り組みは医師 確保にあたると考えられる。個人的にもこの 取り組みは継続すべきと考えている。
・ 沖縄の初期研修・後期研修が、ここ数年レベ ルが上がっている。地域医療再生基金の活用 を考えてもよいが、沖縄県に医師を確保する 事業として予算措置として対応いただきたい。 また、次回出展する際は、主催者と交渉しプ ログラムを確認して決定するべきである。
・ 来年度以降も継続して取り組めるように、今 年度採用の研修医に、沖縄に来たきっかけな どをアンケート調査し、沖縄県へ予算化の要 望資料を作成していきたい。
・ 合同説明会に参加することだけでなく、本日 のように、3 研修群、15 研修病院が集まり、 協議していることもアピールするべきポイン トである。
・ 沖縄県のため、日本のため、そして世界の医 療に役立つための医師を育てられるような研 修事業にしていかなければならない。今後 も、県医師会が中心となって本県での研修が よりよいものとなるよう取り組んでいただき たい。
印象記(2013inTOKYO)
沖縄県立中部病院
内科医長 尾原 晴雄今年4 月21 日に東京で開催されたe- レジフェアに参加された各臨床研修病院群の皆様、お疲 れ様でした。
沖縄県内3 つの臨床研修病院群合同で4 回目の出展でしたが、回を重ねるごとに各病院の来訪 者に対する説明やブース内の運営などがスムーズになっており、全国の医学生及び研修医に対し、 沖縄での臨床研修の魅力をより発信できているものと思われ、今年度のマッチング結果が楽しみです。
今回の「オール沖縄での取り組み」をきっかけに、今後は広報活動に留まらず、研修内容につ いてもオール沖縄で考えていけるようになれば、理想的だと考えております。初期から後期研修 のプログラムにおいて、離島・北部地域を含めた沖縄の医療全体を踏まえ、県内の各研修病院が 連携していくことが、将来の「沖縄の医療の発展」に繋がるものと期待しております。
今年度のマッチングについて、県内の臨床研修病院にとっていい結果になることを祈念すると 共に、今回の取り組みにご尽力頂いている玉城副会長を始めとした県医師会事務局の皆様に敬意 と感謝を申し上げます。
印象記(2013inTOKYO)
RyuMIC 北部地区医師会病院
プログラム責任者 吉池 昭一去った4 月21 日の日曜日、午前10 時30 分から午後5 時30 分の日程で、パシフィコ横浜にて 「e- レジフェア2013 in TOKYO」が開催されました。
今年も昨年に引き続き、県立病院を中心とした「県立病院群」、琉球大学を中心とした「RyuMIC 群」、民間病院を中心とした「群星沖縄研修群」の3 グループが集結した「オール沖縄〜赤瓦プロ ジェクト〜」として、来場する医学生・研修医に沖縄県で初期研修を行う魅力や、合同で参加し ていることでニーズにあった様々な研修プログラムを提供することが出来ました。
本プロジェクトは、私たちのような規模の病院が研修のメッカとなっている沖縄県の一研修病 院として参加させて頂く事で、全国の医学生・研修医に周知出来ることは非常に有意義なことと 考えております。
今回、私の役割はオール沖縄の説明者として、パンフレットを用いて3 つの異なる研修プログ ラムやその特色等について説明を行い、医学生の希望を確認しながら来訪者カードの記入のうえ、病院群へ案内して行くことを行いました。
私が驚かされたのは、今の医学生は初期研修について非常に勉強しており「自分が将来どのよ うな医師になりたい」という強いイメージを持っている人が非常に多く、皆熱心に話を聞いてい た事が印象に残っております。医師としてのスタートとなる初期研修の2 年間のローテーション を大事に考えている事が伝わりました。その熱意に応える為、私もいろいろと説明を行うと持ち 時間の5 分間をあっという間に過ぎてしまいました。これも沖縄県の研修が「アツイ」という事 を物語っていることと思います。
当日は生憎の大雨でしたが、オール沖縄ブースには沢山の来場者が訪れ盛況に終了した事を嬉しく思います。
最後に、昨年から始まった本事業「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」として参加した成果が 今年のマッチングに繁栄され、多くの研修医が沖縄で研修することを祈念し、また、本事業に携 わった全ての皆様のご尽力に感謝を申し上げます。
印象記(2013inTOKYO)
浦添総合病院 研修管理副委員長
入江 聰五郎今回4 月21 日にパシフィコ横浜にて開催されたe レジフェア2013 in TOKYO にオール沖縄説 明者として参加させていただき、その印象を述べたい。今回は主所属先の浦添総合病院スタッフ と言うよりも、ちゅらSim リーダースタッフとして学生達の対応に当たった。全ての基幹型臨床 研修病院の状況を把握している訳では無いが、2008 年度より群星沖縄若手医師救急懇話会を開催 して県内若手医師の繋がりの場を提供しつつ、2012 年度より開始されたちゅらSim とハワイー 琉球ティーチングフェローシップという二つの「オール沖縄」プロジェクトのいずれにもコアメ ンバーとして参加させていただいている関係からか、県立病院群・RyuMIC 群・群星沖縄の3 プ ロジェクトに垣根を感じておらず、オール沖縄の説明についてもさほど苦心する事はなかった。
総評は「オール沖縄の取り組みは、コンセプト・姿勢・実動部隊ともに素晴らしい。しかし、e レジフェアへの今後の参加は再考すべき。」である。
まず、今回の主催者側の対応は「今後の参加を継続しましょう」、と提案できるものでは無かっ た。事前の調整などの詳細は不明だが、本会合は学生と各研修管理病院とのコンタクトが主目的 のはずである。会場の設置状況は明らかにその主旨を逸脱していた。例えば会場の中心に初期研 修とは無縁の遠隔操作手術ロボット ダ・ヴィンチが設置され、そこで学生達を足止めし、更には 趣旨不明なセミナーに囲い込んで彼らの時間を奪っていた。ブース配置も学生と研修管理病院と の交流を考慮されたものではなかった。沖縄ブースは会場入り口から一番奥まった所に配置され、 その正面を覆う形で北海道ブースが配置されていた。「人気が有りそうなブースを奥に入れておけ ば、その通り道で人気の無いブースにも足を運べるだろう」という安直さを感じてしまう構造と 見たのは私だけであろうか?
結局、沖縄ブースに「蓋」をしていた北海道ブースは早々に引き上げ、その閑散としたブースが前面に出ている中でも終了間際までオール沖縄には学生が足を運んでくれていたが、これはオ ール沖縄の勢いであって、あの異様な雰囲気の中では学生がかわいそうであった。
主催側スタッフがやたら大声で挨拶していたが、それも異様な雰囲気を醸し出していた。仕事 でなければ会場に入ろうとは到底思えず、会場への誘導も途中の物産展や骨董品展を見た時点で 迷子になり、帰宅した者も多いのではないかと思うほどずさんであった。
最終発表は600 名超の参加とのことで、100 名を超える学生がオール沖縄ブースに足を運んで くれたため成果は有ったと言えるが、主催側が当初2,400 名超の事前登録であったことを考える と主催者の集客力そのものに疑問を覚える。同じ関東開催のレジナビは群星沖縄ブース単独出展 で170 名超の学生対応を記録した事も踏まえて考えると、むしろオール沖縄はそちらに出るべき ではないかとも感じる。主催者側が今回の失態をどう改善するかで、今後の参加を再度考えるべ きだと感じている。
その一方でブース内の雰囲気は終始和やかで、各病院群からの参加者が熱心に説明している様 子は、他のどのブースよりも勢いと研修教育への情熱を具現化していた。群星沖縄に至ってはス タッフが揃いのユニフォームで対応しており、現場を整然とさせる良い要因になったと思う。改 善点があるとすれば、ちゅらSim のポスターが無かった事位であろうか。
大阪での同セミナーにも参加するが、主催者側の対応が改善される事に期待しつつ、ちゅら Sim をシンボルとしたオール沖縄のコンセプトを具現化した紹介動画作成などの準備を進めて更 に学生達が理解し易い説明を心がけたい。
印象記(2013inTOKYO)
沖縄県医師会副会長 玉城 信光
寒い、寒い日であった。外気温が10 度以下の4 月21 日の日曜日である。昨年東京では1,361 名の来訪者があったのだが、今年は寒さのためか横浜での開催のためか来訪者619 名にすぎなか った。オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースへの総来訪者数は102 名で昨年の260 名を大きく 下回った。時間を持て余した1 日であった。
しかしながらオール沖縄のプロジェクトは回を重ねるごとにスムーズに運んでいる様である。 県立中部病院を目当てに来訪する学生さんが多いが、他の研修群の話もよく聞いて頂いている。 沖縄での研修の素晴らしさを伝えることができていると思われる。単独では研修医獲得に難渋し ていた病院にも話を聞いてくれる学生さんがくることによりスタッフの生き生きとした姿が印象 的である。
オール沖縄の取り組みは沖縄に研修医を呼び込むのみではなく、各施設の指導医やスタッフの 交流の場にもなり、沖縄での連携にもつながっている様である。今年度で予算がきれるのではあ るが是非とも来年度以降もしっかりした予算措置をお願いしたいものである。これを継続するこ とが沖縄県における医師確保、地域医療や離島・へき地医療の充実発展につながること間違いな いと思われる。
印象記(2013inOSAKA)
沖縄県病院事業局医療企画監 篠ア 裕子
去る5 月19 日(日)に大阪で開催されたe- レジフェア2013 in OSAKA に参加された各臨床 研修病院群の皆様、本当におつかれさまでした。
オール沖縄のブースに来訪した医学生が3 つの臨床研修病院群すべてから説明を受けるよう、 各病院群が連携協力して来訪者の橋渡しを行いましたが、今回はブース参加者全員があたかも1 つのチームのように機能し、圧巻でした。
また、特筆すべきは、群星沖縄の宮城先生、RyuMIC の村山先生といった各研修病院群のトッ プの先生方も自ら参加され、率先して来訪者の対応をなさっていたことです。
沖縄県の医療提供体制の充実のため、情熱を傾けられる先生方のお姿を間近で拝見することが でき、大変感動いたしました。
さて、「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」としての今年度の出展は最後となりますが、沖縄県 全体が大都市圏に劣らない卒後臨床研修の拠点、医師の集積地となりますよう、また、県民に対 しますます充実した医療が提供できますよう、今後も県内各研修病院群が「オール沖縄」として 力を合わせ、臨床研修医の確保や卒後臨床研修制度の充実、医療提供体制の充実に取り組んでい く必要があると考えております。
最後に、「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」を運営し、県内医療機関を一つにまとめあげてく ださった、玉城副会長を始め県医師会事務局の皆様に深く感謝を申し上げます。
印象記(2013inOSAKA)
RyuMIC(Ryukyu Medical Interactive Collaboration)
琉球大学医学部附属病院 奥村 耕一郎5 月19 日「e- レジフェア2013 in OSAKA(以下e- レジ)」が大阪ATC ホールで開催され、 RyuMIC(Ryukyu Medical Interactive Collaboration)臨床研修グループとして、沖縄赤十字病院、 那覇市立病院、北部地区医師会病院、琉球大学医学部附属病院の4 施設が参加した。
当日は雨混じりのあいにくの天気で、会場も市街地からやや離れた南港近くのため、当初は果 たして学生が来てくれるのか心配であった。しかし、時間が経つにつれ来訪者は増え、最終的に は600 人以上が会場を訪れた。今回は100 施設以上が参加し、各ブースは古典的呼び込み(一応 自分のブース外での呼び込みは禁止)から“くまもん” で誘うなど学生の呼び込み競争も見られた。
オール沖縄ブースは会場正面入り口近くで、他の施設と比べてブースも広めで目立っていた。 設置の好条件に加え、沖縄に対する学生の関心の高さもあり、参加者の約1/4 にあたる157 人がオール沖縄ブースを訪れた。ブースではまず始めに沖縄全体の臨床研修概要を説明し、次に各々 の学生が希望した施設または臨床群で説明を受けるという二段構えで行った。もし希望する施設 が混雑していれば、他の県内施設を紹介し、3 つの臨床研修グループの施設から説明を受けると USB メモリーが貰えるなど、学生がなるべく多くの施設に接触できるように趣向を凝らしていた。 この様な工夫もありRyuMIC 研修群にも89 人の医学生が訪れた。学生とのやりとりで印象に残 ったのは、ブースを訪れた理由が施設を特定せず、「沖縄」はレベルの高い研修が受けられるので 「沖縄」の何処かの施設で研修したいと答えた学生が予想外に多かったことである。多分他の地域 では見られないことだと思う。
今回のe- レジでは偶然にも研修医時代等にお世話になった県内の施設の先生方と久しぶりにお 会いすることができた。狭い沖縄では初期研修を何処で行っても、将来いろいろな医療機関と関 わる機会が増えてくる。その意味においても、オール沖縄として研修医を勧誘し育てて行くこと は十分意義があることと思われる。
個人的な反省点として、今回のe- レジに関し、もう少し他の施設の方々とコミュニケーション を密にすればよかったと思うことである。今後もオール沖縄というブランドを維持しながら、県 内の医療機関が互いに切磋琢磨し研修医も含めた全体のさらなる医療向上を目指し、臨床研修地 としての「沖縄」の地位が高まることを期待している。
印象記(2013inOSAKA)
群星沖縄臨床研修センター 宮城 征四郎
「オール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜」と銘打った「e- レジフェア2013 in TOKYO」(パシフィ コ横浜)及び「e- レジフェア2013 in OSAKA」(大阪ATC ホール)への出展は成功裏に、否、 大成功に終わったと言っても過言ではない。
私はオール沖縄代表団の一員として、そして群星沖縄研修事業の責任者として臨床研修医確保 対策には率先して参加している。これが研修事業を預かる責任者に課せられた使命であり、研修 医を集めきれないリーダーたるは失格であり、そうであるが故に粉骨砕身取り組んでいる。
県立病院群・RyuMIC・群星沖縄が、個々バラバラに出展するよりも「オール沖縄」として団 結して県単位で大きく打って出た方が遥かにインパクトがあり、「臨床研修のメッカ沖縄」をより 一層印象付け、きっと少なくない若者が医師としての第一歩をオキナワで踏み出したいと高揚す るのではないか。
去る6 月に行われた第1 回作業部会での振り返りの中では、「これまでの地元大学生に偏った 研修医確保対策が全国に広がった」(事務担当者)、「これまでにない県外大学からの病院見学者が 増えたことは当院にとっては劇的な事」(指導医)等、業者選定の在り方や「おきなわクリニカル シミュレーションセンター」の打ち出しが弱かったなど反省点は幾つかあったものの、多くの仲 間がオール沖縄の成果に確信を持った発言が相次いだ。
群星沖縄としても、今年3 月に東京(ビッグサイト)へ出展して50 大学より178 名の来訪者を得たかと思いきや一転、4 ヶ月後の東京出展では20 大学より僅か56 名の大惨敗を喫し、この ように単独出展ではその成果に凸凹があり、オール沖縄方式を更に追及していくべきではなかろ うかと考えている。
また、オール沖縄方式は、研修医確保に直接有効であるだけでなく、沖縄県下の臨床研修委員 長や教育研究室の担当事務が共同作業を通じて交流が図られ、つながりが生まれる点でもとても 意義深い取り組みである。
去る8 月12 日に開かれた第148 回群星研修委員長会議にて明らかにされたマッチング対象者 の集計は以下の通りである(8 基幹型病院合計で面談終了者数:145 名、面談予定者数:15 名)。
マッチング対策も終盤に入っており、夏バテなどと言っておれない。公募定員合計67 名のフ ルマッチを目指して最後まで奮闘する決意だ。
最後に、オール沖縄研修医確保事業が取り組まれるにあたり特別な協力者を紙面をお借りして 記しておきたい。
玉城信光 沖縄県医師会副会長、同・安里哲好 副会長、崎原靖 県医師会事務局課長・久場周多 郎 臨床研修担当者の4 氏は、常にオール沖縄の陣頭指揮を執り、その素晴らしい仕事ぶりがオー ル沖縄の成果を導き出した。感謝に堪えない。
印象記(2013inOSAKA)
沖縄県医師会副会長 安里 哲好
平成25 年5 月19 日に開かれた「e- レジフェア2013 in OSAKA」(臨床研修医確保対策合同説 明会参加モデル事業の一環)に参加し、医学生への合同説明(今年度は2 回目)を行いました。 10 年前のこの様な合同説明会では、群星群がグループおよび個々の研修病院の説明があり、その 他は個々の研修病院がブースを借りて行っており、琉大病院や県立中部病院以外の県立病院は参 加していなかったのではと記憶しています。
今回の大阪での会場は、入口を入った左側に比較的大きなブースがあり、県医師会はブースの 正面を陣取り、3 〜 4 名の医師が来室した医学生の意見を聴きかつアンケートを取り、希望する グループや病院に振り分けており、村山貞之理事(琉大病院院長)や小生も最初の説明に加わり ました。空いた時間に全体のブースを見学した際、当県のブースはT グループの次に広く、学生 は一番多く訪れている印象でした。10 年前は、宮城征四郎先生と他1 名の方の講演があったと記 憶していますが、今回は医師国家試験対策の講義や卒後教育のカリスマ的医師の講演など盛り沢 山のレクチャーに加え、ダ・ヴィンチの模擬操作の指導や実践があり、以前と様変わりして祭り 的な雰囲気で、マネージメントする側のスタッフも必要以上に多かった様に思えました。2 時間 前後もオール沖縄〜赤瓦プロジェクト〜ブースに滞在していた医学生も多く、沖縄での初期臨床 研修への関心の高さを如実に感じると同時に、「おきなわブランド」が醸成されつつあるのだろう かと感じました。沖縄県における、24 年度のマッチング率は全国2 位(94.3%)で素晴らしく、 今年度も同じような実績を獲得したいものです。
さて、臨床研修医は当初、研修1 年目は145 名前後で、研修3 年目はその70%の100 名前後になり、 研修5 年目は更にその70%の70 名前後あったのを記億しています。平成24 年度の5 年目は50 名との報告を受けており、後期・専門臨床研修へ進む過程における研修医の減少が今後の大きな 課題であろうと強く感じています。平成27 年度からの医師臨床研修制度見直し際、医道審議会・ 医師臨床研修部会は、1)募集定員の設定方法、2)地域枠への対応、3)臨床研修病院群の在り方に ついて検討しており、1)については前回見直した募集定員の設定方法を継続した上で激変緩和措 置は予定通り13 年度末で廃止すると報告しています。
平成25 年度琉球大学公開講座にて、小宮一郎先生より「地域医療を担う医学生」のテーマで の講演がありました。その中で、現在の医学生1 〜 4 年生の12 名と、5 年生7 名の地城枠の学生 たちが地域医療を学ぶ機会を多く持ち、8 年後には約100 名の地域枠の医学生が卒業・研修を終 え離島・へき地医療に従事し、離島・へき地診療所の医療の充足・充実に寄与する(現在は、県 立中部病院でのプライマリ・ケアコース、自治医科大学卒業医師やドクターバンク等の全国公募 で毎年やり繰りしており、年度末は次年度の医師確保にいつも難渋している現状である)であろ うと述べており、大いに期待したいと思います。
県医師会は卒後初期研修・後期専門研修も含め、地域医療において、現在の重要な問題(医師 の地域偏在・診療科の偏在等も含め)は何かを分析しターゲットを絞って、県民や行政、多くの 医療機関、そして会員の協力を得てネットワーク作り(情報の交換、医師の育成や派遣等)を行 い実効的な対策を進めて行きたいものです。
お知らせ
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さて、日本医師会では会員及び、マスコミへ「ニュースやお知らせ」等の各種情報をEメールにて配信するサービス(白クマ通信)をおこなっております。
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