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女性医師支援センター事業九州ブロック会議

依光たみ枝

沖縄県医師会女性医師部会 会長 依光 たみ枝

去る12 月16 日(日)ホテルニューオータ ニ博多に於いて、日医女性医師支援センター役 員並びに九州各県において積極的に女性医師支 援に取り組まれている先生方の参加の下、標記 連絡協議会が開催された。

協議会では、各県医師会の女性医師支援にか かる取り組みについて、それぞれ報告があり意 見交換を行った。以下に会議の模様を報告する。

挨 拶

松田峻一良 日本医師会女性医師バンク西日本センター長

本年は佐藤コーディネーターが所属する福岡 県医師会担当の下、九州ブロック会議を開催す ることになった。本会議は、平成21 年度より 各県医師会の女性医師支援にかかる取り組みを 伺うと同時に、女性医師支援センター事業を理 解いただくため開催している。平成22 年度か ら北海道・東北・関東・甲信越・近畿・中四 国・九州の各ブロックで開催され、何れも活発な意見交換が行われている。女性医師の離職防 止や復職支援は、厚労省で様々な事業が展開さ れている。来年1 月で6 年目を迎える女性医師 バンクも、その内の一つである。地域によって 様々な事情があると思うが、本日の会で女性医 師支援に活かせる意見をお伺い出来れば幸いで ある。

羽生田俊 日本医師会女性医師支援センター長

先週、男女共同参画推進連携会議が官邸で開 かれた。数多くの団体から種々取り組み等の報 告があったが、その中でも我々日医の取り組み (男女共同参画フォーラムの開催や2020.30 推 進懇話会の設置等)は、かなり進んでいると感 じた。また、自戒を込めて、女性医師支援で最 も大切なことは男性医師の意識改革であると発 言してきた。男性の意識改革があってこそ、い ろいろな面で女性の活躍が期待できる。今年度 より日医では医学生向けの無料情報誌「ドクタ ラーゼ」を発行しているが、この秋までNHKで放送されていた「梅ちゃん先生」を題材に、 若手医師のキャリア選択について紹介した。今 後も各地の色々な取り組みを聞いた上で、日医 としても取り組んで行きたい。

小森貴日本医師会常任理事

本年4 月1 日から女性医師支援センター事業 の担当になった。女性医師で国のトップになっ た方がいるか調べて見たところ、チリ共和国の 第34 代大統領でベロニカ・ミチェル・バチェレ・ ヘリアという外科医・小児科医(1951 年9 月 生まれ)がいる。この様な方に何れはドクタラ ーゼに出て貰いたいという希望を持っている。 本日も様々なアイディアが出ることを楽しみに している。

目的事項

1)日本医師会女性医師支援センター事業について

秋葉則子日本医師会女性医師支援委員長(女 性医師バンク中央センター統括コーディネータ ー)並びに、小森常任理事より報告があった。

1)日本医師会女性医師バンクの運営状況につ いては、平成19 年1 月の開設以降、本年 11月末現在の就業実績件数は336件(内訳: 就業成立319 件、再研修紹介17 件)とな っている。

2)「医学生、研修医等をサポートするための 会」については、都道府県医師会や学会・ 医会等との共催により、年々開催箇所数が 増加傾向(H22:56 回、H23:57 回)にある。 今年度は、現時点46 箇所の開催となって いるが、最終的には例年並みの状況になる と考えている。

3)「『2020.30』推進懇話会」の開催については、 年度内に2 回開催(H25/1/10、3/7)を予 定している。同懇話会は、女性医師会員に 日医の組織・運営・活動内容に理解を深め ていただき、将来日医の意思決定に参画いただけるよう働きかけるものである。(日 本医師会では2020 年までに、役員の女性 の割合を一割に増やすことを数値目標とし て掲げている)

4)平成24 年度女性医師支援事業連絡協議会 を平成25 年2 月22 日(金)日本医師会館(大 講堂)において開催する。今回の協議会 では、本年9 月から来年2 月にかけて全6 ブロックで開催される「女性医師支援セン ター事業ブロック別会議」の議事内容を踏 まえ、ブロック内での特徴的・先進的な取 り組み事例について紹介すると共に、全国 で情報の共有を図りながら、当事業の活性 化を図っていただきたいと考えている。(本 ブロック会議終了後、九州ブロックの代表 として、沖縄県医師会女性医師部会の活動 を紹介する事が決定した。)

2)各県における女性医師支援の取り組みについて

沖縄県

本県では毎年1 回、「女性医師フォーラム」 を開催している。今年で6 回目となったフォ ーラムでは「広がる女性医師支援、そして男 性医師支援へ」と銘打ち、男性医師からみた 女性医師支援について意見発表していただい た。また本年で5 回目となる「女性医師の勤 務環境整備に関する病院長等との懇談会」で は、公民各病院の院長をはじめ、事務長や看 護部長など、毎年50 名前後参加していただ いている。懇談会では、女性医師が就労継続 を困難としている問題や支援するにあたって の課題、院内保育所、病児保育所、時短勤務 の問題等々、毎年意見交換を行いながら、全 体的な底上げを図っている。2 年前からは県 の医務課担当者も参加しており、県の支援 を紹介、助成金の活用などについて情報提供 する場ともなっている。また、部会役員が医 療機関に出向き女性医師支援について話し合 うプチフォーラムでは、キャリアアップやキ ャリアパスの助言、就労環境や今後必要となる対策の説明を行っている。会発足時から開 始しているメーリングリストの登録者は234 名を数え、医学生や看護師なども登録してい る。メーリングリストの配信は45 件で、月 平均5.6 回である。また沖縄県ドクターバン クにおけるマッチング率は年々上がってお り、開設当初の平成22 年度は11.4%、23 年度は16.2%、今年度は11 月時点で16% となっている。

鹿児島県

今年7 月、東日本大震災、巨大津波にのま れた病院で自らの命を危険にさらしながら患 者の治療・搬送に当たり、救出されるまでの 3 日間、支え合い希望をつないだ菅野武医師 (丸森町国民健康保険丸森病院内科)を招き、 「医師にできること〜東日本大震災の経験を 通して」と題する基調講演を開催した。その 後行ったシンポジウムでは「進路選択をどう 考えるか」について学生・後期研修医、専門 医などそれぞれの立場から意見を述べてもら った。11 月18 日付南日本新聞に同講演の感 想を書いた中学生の記事が載るなど反響が大 きかった。更に、同月に研修指定病院の院長 や担当者を対象とした「医師の子育て支援研 修会」を開催し、法的な立場から見た女性医 師の支援について鹿児島労働局雇用均等室長 等を交え、意見交換を行った。

また、鹿児島大学が女性研究者支援の一環 として実施している「メンター制度」では、 年2 回のメンター研修を行い、現在12 名の メンター登録者がいる。また、育児・介護期 などのライフイベント期にある女性研究者 (配偶者が研究者である男性研究者を含む) に対して研究時間の確保を図るとともに、キ ャリア形成や継続を支援する「研究補助員制 度」もあり、これまでに20 名が支援を受け ている。同大学では平成19 年9 月より、医 員の多様な勤務形態に関する規定(女性医師 限定)を設置した。規定では雇用条件を緩和 し、1 日8 時間、6 時間、4 時間勤務の中か ら選択し、週1、2、3 日から選択する。給与は定時勤務職員の給与を適用し、日給払い または時間給としている。人件費は医員配分 定数の範囲内となっているが、その枠内で対 応できない場合には、病院全体の予算範囲で 対処してもらった。麻酔科ではこのシステ ムを利用しながら、午前の手術枠を8 枠か ら12 枠へ増加させ、17 時以降に残る手術を 減少させた。更に手術の開始時間をずらすこ とで、早朝勤務の難しい子育て中の女性医師 も手術を担当する症例が増え、専門医を取得 するのに十分な臨床経験ができるようになっ た。加えて当直医の負担も軽減され、常勤医 と時短勤務医の両者にとってメリットが生じ ている。

宮崎県

本県では、県、医師会、大学の3 団体が 連携し、メディカルトライアングルプロジェ クトとして学生向けセミナーや交流会を行 った。大学では女性医師支援についての寄付 講座や医局に属さない女性医師への支援、シ ミュレーターを活用した復職支援などを行っ ている。また現在休職中の女性医師9 名に 対しヒヤリング調査を行い、結果をまとめて いる最中である。今年11 月には、後期研修 医獲得を目的とした、医師会と医学部共催に よる医学生対象セミナーを宮崎大学にて開催 した。当日は医学生68 名、医療機関より64 名が参加した。本セミナーでは事前に構内の 談話室に各診療科と県下基幹型臨床研修病院 の研修プログラムを紹介するパネル展示を行 い、当日展示パネルの前でプレゼンテーショ ンを行った。

大分県

本会女性医師の会JOY ネットでは、女性医 師と銘打つことで男性医師の協力が得られに くいと思われることから、名称を「男女共同参 画委員会」に改めた。今年は10 月に行われた 大分大学医学部祭で男女共同参画シンポジウ ムを開催し、同大学女性研究者サポート室の松 浦恵子室長より「先輩達の歩む道〜つづけるために」と題し講演を行った。また総合診療部消 化器内科の平下有香先生らが先輩医師として、 女性医師支援について講話を行った。参加者は 男女医学生合わせて30 名であった。

女性医師の会では、これまでの活動をふま え、今後は女性医師の勤務環境の改善を図る ことが必要と考え、県内159 の医療機関の 管理者を対象とした職場環境アンケート調査 を行い、現在回収集計中である。

長崎県

本県では平成24 年4 月から26 年3 月ま での期間、県全域を対象に、医師の仕事と家 庭を両立するための支援とその環境整備を推 進する「あじさいプロジェクト」を立ち上げ、 メディカルワークライフバランスセンター (平成24 年長崎大学病院に開設)が中心とな り、関係機関と連携して各種事業を展開して いる。同センターは、(1)県内の医師・医学 生を対象としたキャリアサポート、(2)あじ さいプロジェクトホームページの運営、(3) 支援メニュー補助事業の実施、(4)県内医療 機関への就労支援環境整備の呼びかけ、(5) プロジェクト遂行に必要な調査の実施などを 行っている。また本会では年1 回、医学生対 象の懇話会を開催し、日本女性医師バンクの 活用や登録を各会員に促している。長崎大学 病院医療教育開発センターではシミュレーシ ョン機器を活用し、復職トレーニングとして 第1 回「急変時対応」、第2 回「輸液のはな し」、第3 回「読影のコツ、ポイントを探る、 胸部単純エックス線写真」を企画開催してい る。長崎女性医師の会では、女性医師支援の 啓発活動を行い、講演会と医学生対象の懇話 会を年1 回開催している。次年度から男女共 同参画部会を立ち上げる動きがあり、来年そ の報告ができると思う。

本県における病院勤務医の医師会入会状況 は、公的病院55%、公的外の病院60%、精 神科病床を含む病院57%となっている。男 女差はどちらも60%前後とほとんど差がな い。また病床規模別では、小規模(20 〜 99床)で男性76%、女性84%と入会率が最も 高く、中規模で男性50%、女性41%と最も 低かった。性別では男性56%、女性60%で あり、ほとんど差はなかった。

佐賀県

本県では日医と共催で過去2 回(平成19 年度、20 年度)、「女性医師の勤務環境整備 に関する研究会」を行った。本年11 月に「医 学生・研修医等をサポートする会」を開催 し、テルモ株式会社理事の野尻知里先生によ る「私の履歴書:ある女性心臓外科医の半生」 と題する講演を行った。参加総数42 名中、 女性医師35 名(うち医学生16 名)、男性医 師7 名であった。また本年度より、医師会館 で開催される医師会主催の研修会等には会館 内に託児所を設置しており、これまで3 名の 利用があった。

佐賀県における女性医師支援窓口事業で は、毎年「SAGAJOY シンポジウム」を開 催しており、3 回目となる本年度より、本会 も後援団体として協力することとなった。シ ンポジウムは来年2 月23 日に開催し、「私 が医師になりたい理由」をテーマに小中学生 の作文を募集している。また心に残る女性医 師について一般公募する作文のパネル展示を 予定している。

福岡県

宗像医師会女性医師の会は平成22 年に発 足し、現在会員数は29 名である。当会では、 女性医師の育児支援策として、宗像医師会病 院に附設する保育所を利用し、学会等に参加 する際の一時保育所(月5 人まで)として 活用している。また、遠方の学会参加にあた っては、「こども未来財団」協力のもと、ベ ビーシッター育児支援事業(ベビーシッター 利用料金1,700 円以上に対して、1 回につき 1,400 円の割引き券を発行)を行い、金銭的 負担軽減を図っている。また、本女性医師部 会よりの助成金として、各学会に参加した女 性医師に対し1 万円を支給している。

3)質疑応答

鹿児島県の取り組みについて

□ 鹿児島大学での時短勤務について、勤務形態はどうなっているか。

■ 短時間勤務の場合、非常勤である。30 時 間を超えて働く場合は社会保障があり、20 時間では雇用保険、週4 時間勤務は労災 に対応している。

□ 大学の月額の給与を日割、時間割にして支給すると、給与額は低いのではないか。

■ 大学の給与は1日8 時間勤務で17,000 円程度 である。これを時間割にすると1 時間2,125 円である。給与としては安いと思われる が、専門医を取るまではこれで頑張って欲 しいということで、理解してもらっている。

□ 給与が少ないと感じると、他の医療機関 で勤務した方が良いと考える方もいるのではないか。

■ 専門医を取得し、さらに大学に残りたい という気持ちがある方に残ってもらって いる。そうでない場合は、関連病院を紹 介している。また、医員と同じような働 き方をする場合、本人が希望すれば外勤 も対応している。

□ 実際どれくらいの人が大学の研究補助員制度を利用しているのか。

■ 昨年度は21 名が利用している。支援を受 けるにはライフイベントに関わる時期と いう条件があるのだが、大学院生にとっ ても、今後の研究生活のために有用とい うことで好評である。

□ 女性医師に、リサーチャーとしての能力 を発揮してもらうことは大事なことであ る。研究を行う場合、雑務に費やす時間 が多く、これが軽減できると更に効率良く研究がはかどる。

宮崎県の取り組みについて

□ 参加人数が多いが、医師会と医学部共催による学生セミナーに参加することで、大学での単位が取得できるのか。

■ 学生の講義時間などとの関係を考慮し、学 生が集まりやすい水曜日に構内で開催した。 大学の単位とは関係ない。この会には大学 の各診療科だけでなく、学生と話す機会 がなかなかない医療機関の関係者も参加す る等、好評価であった。

□ 他県から宮崎大学に来た医師は、地域医 療学講座を通し、各診療科を紹介してもらうと聞いたがいかがか。

■ その通りである。

福岡県の取り組みについて

□ 宗像医師会病院の保育所は、女性医師がいつでも預けられるのか。 

■ 学会参加や出張など、時間外に預けられる施設(月5 人まで)として利用してもらっている。

□ 助成金の源資はどこか。

■ 宗像医師会より20 万円の補助と、女性医 師部会の会費(医療機関の役員以上1 万 円、勤務医は5 千円)からまかなっている。

□ ベビーシッターの割引券を発行しているこども未来財団は、誰でも、またどの県でも利用できるのか。

■ 厚生年金保険の被保険者であれば、どこの県でも利用できる。

□ 保育所の運営は、どこが行っているのか。

■ 運営は宗像市医師会が行っており、人件費等の運営資金は宗像市医師会病院が賄なっている。年間200 万から300 万円ほ どかかるようだが、経営は成り立っていると伺っている。

沖縄県の取り組みについて

□ 活発に行動されているが、何名の部会役員で運営しているのか。

■ 部会長1 名、副会長2 名、役員9 名の計12 名で運営している。

□ 日本医師会でもかつて勤務環境改善につい て理解を深めてもらうべく病院長研修会を 行っていたが、全国一巡したことと、参加 する病院長が少なくなってきたことから、現 在では行っていない。沖縄県では病院長等 との懇談会が活発化しているが、どのよう な取り組みを行っているのか。

■ 積極的に支援策を講じている。例えば先進的 な施設に事例報告をしてもらう、事前にアン ケート調査を行い、その内容についての報 告や意見交換を行っている。また、県医務 課より助成金の活用について説明しても らっている。環境整備に取り組むため、 院長のみならず事務局にも参加頂いてい る。各病院は周りの病院の支援状況などの 情報を得ながら他院と比較することで、自 院の環境改善、引いては全体の改善に繋がっている。

これまでに民間病院ではいろいろな支援 を行っているが、県立病院では環境整備が すすんでいなかった。しかし、この懇談会 をきっかけに院内保育所の開設を検討する までに至ったことは、本会の成果だと思う。

□ 本県では、勤務環境整備のためこのよう な会を催してもあまり反応が良くなかっ た。病院長をいかに巻き込むかというこ とで、悩んでいる。どのように参加者を募っているのか。

■ 医師会から直接病院長に案内しているが、 予めアンケートを取ったり、テーマをお知らせするなど工夫している。

□ 次回発行予定のドクタラーゼ第5 号は、男女共同参画について特別企画を予定しているので、是非ご覧いただきたい。女性医師支援啓発用小冊子も、本年度中に発行予定である。

また、平成27 年から現在の初期臨床 研修制度に関する見直しのワーキンググ ループに委員として出席している。平成22 年より、医学部コアカリキュラムに男女 共同参画を盛り込んでいただいたが、こ のカリキュラムを受けた学生が平成28 年 に卒業する。日医では、初期臨床研修の 到達目標として、男女共同参画ワークラ イフバランスの理念を理解していただく ようお願いしている。

閉 会

佐藤コーディネーターより閉会の挨拶があり、九州ブロック会議を終えた。

印象記

日本医師会女性医師支援センター事業九州ブロック会議

玉城信光

副会長 玉城 信光

平成24 年12 月16 日に福岡県で上記会議がもたれた。最初は日医の事業紹介があり、その後 九州各県の女性医師支援の活動が報告された。沖縄県の活動報告を女性医師部会長 依光たみ枝 先生が報告を行った。1- 女性医師フォーラムの開催、2- 女性医師の勤務環境整備に関する病院長 等との懇談会、3- 女性医師部会出張プチフォーラムなどを中心に報告した。メーリングリスト登 録者は234 名にのぼり、これまでに45 回情報の発信を行っていること、月に5.6 回になること。 ここ数年の求人数が年間31 件から43 件あること。また、沖縄県ドクターバンクのマッチングは 年間4 件から7 件あることを報告した。これは九州一の成績だと思われる。

女性医師フォーラムへ男性医師の参加もあり、子育ての共同作業をおこなっていることなども 報告された。日医も含め大変感心を示して頂いたのは本県の病院長等との懇談会であった。参加 者は毎年35 名から54 名と多数参加していることが皆の目にとまったようである。日医がいろい ろ行っているが、年々参加者は減少しており病院長を集めるのは難しいとのことであった。沖縄 県がなぜこのようなことができるのかとの質問に、県医師会が中心になり、多くの事業で国立、 県立、民間も含めた協力体制ができていることが良いのではないかと発言した。

沖縄県の取り組みが好評を得て2 月22 日に日医で行われる全国の女性医師部会での報告をすることになった。

会終了後の懇親会で日医副会長の羽生田先生、小森常任理事と福岡県の松田会長から沖縄県の 女性医師の就業マッチングの状況がよいこと、沖縄県医師会独自の事業として成功していること が評価され、就職コーディネーターに関して沖縄県にコーディネーター1 人分の人件費をつけて 頂くとの話がでた。たいへんうれしいことで、この発言を忘れないために事務局の崎原さんと福 岡県医師会の事務局との調整ができるように取りはからって頂いた。

沖縄県の女性医師部会の活動の発展が約束されたような1 日であった。



沖縄県医師会女性医師部会会長 依光たみ枝

2012 年12 月16 日(日)、女性医師支援センター事業九州ブロック会議が、ホテルニューオー タニ博多で開催された。九州各県と日本医師会から総勢50 名の参加数は過去最高とのことで、沖 縄県からは玉城副会長、事務局2 名(崎原、山城)、私の4 名が参加した。

はじめに、日本医師会役員から厚労省の女性医師支援事業に対する日本医師会の取り組みの報 告がなされた。羽生田俊日本医師会女性医師支援センター長の「女性医師支援で最も大切なこと は男性医師の意識改革である」との挨拶は、まさにその通りと心の中で拍手喝采であった。

九州ブロックの各県とも女性医師の離職防止、復職支援、子育て支援等をいかにするか、医学生・ 研修医を含めた講演・シンポジウム等でユニークな活動の発表があった。

発表の後に各県に対する質疑応答が行われた。徐々にその成果が現れている県、参加者が少なく会が消滅した悩み等が話し合われた。ベビーシッターの割引券を発行しているこども未来財団 は、厚生年金保険の被保険者であれば、誰でもどこの県でも利用できるという福岡県の発表は、「目 からうろこ」であった。沖縄県でも利用できるのなら是非広報して活用したい。

沖縄県の代表として私が「沖縄県女性医師部会ヒストリー」(NHK 番組のファミリーヒストリ ーをもじって)の題で発表した。毎年開催している「女性医師フォーラム」、「女性医師の勤務環 境整備に関する病院長等との懇談会」と「プチフォーラム」開催に、会場から活発な活動に対し てお褒め?の言葉を頂いた。

本ブロック会議終了後、平成25 年2 月22 日(金)、日本医師会館において開催される「平成 24 年度女性医師支援事業連絡協議会」で沖縄県医師会女性医師部会の活動を紹介することが決定 した。その会で他のブロックがどういった活動を行っているかを参考にし、沖縄県が日本の女性 医師支援の先進県として躍進するきっかけになる事を期待している。




お知らせ

労災医療に関する学術研修会

日時:平成25 年3 月29 日(金)午後6時30 分〜8 時30 分
場所:沖縄産業支援センター・1 階ホール(那覇市小禄1831-1 TEL:098-859-6234)
取得単位:生涯教育講座2単位(産業医研修の単位は取得できません)

研修内容

1)報告 (午後6 時35 分〜7 時00 分)
 「沖縄県における精神障害の労災認定の現状」
  山本クリニック/EAP産業ストレス研究所 山本 和儀

2)特別講演 (午後7 時00 分〜8 時30 分)
 「新しい労災認定基準と職場のメンタルヘルス対策」
  産業医科大学産業生態科学研究所精神保健学教授 廣 尚典

主 催: 沖縄産業メンタルヘルス研究会、沖縄県医師会

事務局: 沖縄産業メンタルヘルス研究会 山本和儀(山本クリニック内) 担当:石原綾子
     〒901-2132 浦添市伊祖2−30-7 Tel:098-879-3303 Fax: 879-3309
     沖縄県医師会 産業医研修会担当 渡嘉敷園子、崎原靖
     〒901-1105 南風原町字新川218-9 Tel:098-888-0087 Fax:888-0089