理事 石川 清和
去る11 月22 日(木)ロワジールホテル那 覇に於いて、平成24 年度永年勤続医療従事者 表彰式が行われた。
同表彰式は会員が開設する医療機関及び医師 会に20 年勤務する医療従事者に対して行うも ので、当日は新垣善一沖縄県医師会代議員会議 長、来賓に崎山八郎沖縄県福祉保健部長ご臨席 の下、68 施設から222 名の方々が表彰された。
始めに、宮城信雄沖縄県医師会長から受賞者 への挨拶として「一口で 20 年と言っても、平坦 な道のりではなかったと 思います。その間、家 族の理解や働く職場の 上司、仲間など周りの皆様の協力に支えられ、 頑張ってこられたものと思います。これまでの 献身的な活動に深く敬意を表し、あらためて感謝申し上げます。
さて、近年、医療の現場では、超高齢社会を 見据えた医療提供体制の確立が求められていま す。しかし一方で、効率化と称する医療費抑制 政策や機能分化と称する医療資源の集中化、更 には、医療の営利産業化に向けた市場開放の考 えが急速に進められようとしています。しかし、 より効果的に機能分化を進めていくためには、 地域の実態をしっかり把握し、分析していくこ とが必要であります。
こうした中、来年4 月には各都道府県におい て新たな保健医療計画がスタート致しますが、 各地域で必要とされる医療を適切に提供してい くためには、かかりつけ医を中心とする地域の 身近な医療機関から、急性期、回復、維持、在 宅、終末期に至るまで、一貫した医療提供体制 の整備充実が求められています。
幸いにして、今回表彰を受けられる皆様は、 非常に経験豊かな方ばかりでございます。永年培った経験や知識、技術を活かし、地域に根ざ す医療職者として、良質な医療の提供に努め、 沖縄の医療福祉の向上にご尽力を賜りたいと思 います。
皆様の今後ますますのご健勝とさらなるご活 躍を祈念し、挨拶と致します。本日は、誠にお めでとうございます。」と激励の言葉があった。
続いて、宮城会長より各施設の代表者へ表彰 状の授与が行われた。
来賓挨拶として、崎山部長から「それぞれ の職場において、長き にわたり職務に精励さ れてこられたことが評 価されたものであり、 その努力に対し深く敬 意を表します。また、沖縄県の医療・福祉等の 現場において、県民の保健、医療、福祉の向上 に、日々、尽力されていることに対して、心か ら感謝申し上げます。
さて、沖縄県においては、日本復帰40 周年 となる今年5 月に「沖縄21 世紀ビジョン基本 計画」を策定したところであります。同計画に おいては、医療や福祉、保健が充実し、子ども から高齢者まで安全で安心に生活できる「沖縄 らしい優しい社会の構築」を施策展開の基軸の ひとつとして明示しています。今後その実現に 向けて各種施策を推進して参りますので、関係 者の皆様のなお一層のご支援、ご協力をお願い 申し上げます。」と挨拶があった。
引き続き、受賞者を代表し、北部地区医師 会病院看護師の大城康子さんから「20 年前、 新人だった私たちが今日の表彰を頂けるのは、 院長先生をはじめ、諸先生方のご指導、ご支 援があればこそだと深く感謝しております。 また、このような受賞の機会をいただきまし たことは、皆様方の深いご厚情の賜物である と存じます。
今、受賞者それぞれが20 年前、緊張や期待 に胸ふくませ、就職した日や若かりしあの頃、 また、楽しく無茶した日々や苦く悔し涙を流し 頑張った日々を思い出し、本日を迎えたと感じ ています。
そして、20 年の間には苦しい時、辛い時も ありました。そのような時、常に相談に乗り、 私たちを支えて下さった職場の上司や同僚の皆 様、大変なのに笑顔で声をかけて下さった患者 様、そして家族に改めて感謝を申し上げたいと 思います。
私たちは、働く場所は違いますが、今後も心 身に傷つき、痛む患者様へより一層のケアを提 供できるよう日々精進し、また、自己研磨を積 み重ね、その道のプロとして技術を磨いていき たいと思います。そして、微力ではありますが 地域医療の充実のため、更に頑張っていきたい と思いますので、今後ともご指導・ご鞭燵の程、 よろしくお願いいたします。」と謝辞が述べら れた。
表彰式終了後に引き続き行われた懇親会で は、新垣議長の乾杯の音頭で祝宴に入り、被 表彰者の所属する施設長や同僚が多数参加し、 受賞者の永年の労をねぎらい盛会のうちに終 了した。
印象記
理事 石川 清和
11 月22 日日本列島を西高東低の冬型気圧配置が覆い、沖縄でも11 月にしては珍しく肌寒く冷 え込む中、ロワジールホテル龍宮の間で永年勤続医療従事者表彰式が執り行われた。表彰式は午 後7 時からクラッシック音楽が流れる厳かな雰囲気の中ではじまった。
宮城信雄県医師会長の、長年の勤務医療貢献への労苦のねぎらいの挨拶の後、受賞者一人一人 の名前が呼びあげられ、各医療機関の受賞者の代表が登壇し、表彰状を受け取った。
受賞者を代表し北部地区医師会病院の大城康子さんが、長年の勤務の懐かしい思いで、支えて くれた家族、友人、同僚、指導してくれた先生方への感謝の思い、今後さらに医療に向き合う真 摯な思いを、緊張の中にもしっかりした言葉で語ってくれた。
さらに来賓の崎山八郎福祉保健部長から、祝福の言葉と今年制定された「沖縄21 世紀ビジョ ン基本計画」の医療行政へ協力依頼があった。
表彰式のあと、隣の天妃の間で祝賀会が行われた。表彰式場から祝賀会会場までは送り届けら れた花束が山と積まれ、医療機関や友人・家族から受賞者へ20 年永続勤務への感謝・祝福の思いが、 華やかな花束とともに送り届けられた。
新垣善一代議員議会議長の乾杯を合図に祝賀会は開催され、家族や友人が駆け付け300 名を想 定して用意された会場も狭く感じるほど大盛況であった。
今回で40 回目(昭和48 年より実施)を迎える永年勤続医療従事者表彰は20 年継続勤務者が 対象で、医療機関にとっては非常に重要なことだと感じる。懇親会の医師会の役員の先生との話 の中で、医療は命と向き合う厳しい職業であり、運営方針で衝突し退職していった職員もいるが、 歳を取ると経営者として配慮が足りなかったと反省する点もある。この永年勤続表彰式に参加す ることで、経営者として大切なことを考えさせてくれるいい機会になるとの意見があった。次年 度は多くの会員の先生方に参加して頂きたい取り組み出である。
その一方表彰対象者は年々増加してきており、今後も増加が見込まれる。今年度は予算内で取り行 われたが、今後増加する表彰者を考えた時に、一部随伴者や施設参加者を有料にするなど祝賀会自体 の持ち方を検討する時期に来ていると感じた。