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新年の干支占いと祖母の占いもどき

長井  裕

琉球大学医学部附属病院産科婦人科  長井  裕

沖縄県医師会の皆様、新年あけましておめで とうございます。琉球大学医学部附属病院産科 婦人科の長井 裕と申します。今回、4 度目の 年男とのことで本誌への執筆依頼を頂戴し、筆 を取っている次第です。お付き合いいただけれ ば、幸いです。

私にとってここ数年の年末年始は、師走 28 日に医局忘年会が終わった翌朝に酔い醒めぬ間 に飛行機に飛び乗り、祖母の嫁ぎ先である群馬 に向かい、新年を迎え、正月 2 日には慌ただし く飛行機で沖縄に戻り、「うちなー婿」として 親戚回りをする生活が恒例になっていました。 この中で、楽しみの一つに機内誌に掲載されて いる十二支占いがあります。普段は、占いの本 は読みませんが、年始という特別な時期である ためか、しっかりと読み込んでしまいます。

物心がついた頃から幾度となく、祖母から「巳 年の男」は「一生お金に困らない」と言われ、 嬉しさを感じたものでした。今年は十二支とし て巳年ですが、干支(または、十干十二支)と しては「癸巳」にあたる年とのことです。「癸」 は、語源を遡ると「植物にできた種子が目で見 えるまで大きくなった状態」を意味し、「新た な生長(成長)を期待する状態」とも解釈され ているようです。また、古く中国の「漢書」に よると、「巳」は「植物の成長が最終段階に達 した状態」で「陽の極みから、しばらく陰に移 ろうとする」を意味する『已』(3 画目が「巳」 と異なります)に由来し、後世になって覚えや すくするため生き物としての「蛇」が割り当て られたそうです。これらを繋げてイメージする と、今年の干支「癸巳」は、「次の世代に命を 託した植物の種が、まさに地中に入る状態」と でもなりましょうか。今年は、「明るい未来の 芽を期待しながら穏やかに過ごせる年」になっ てほしいと思います。

私自身は、北島三郎の「函館の女」、加山雄 三の「君といつまでも」が流行り、11PM の放 送開始、オロナミン C が世に出た昭和 40 年「乙 巳」年生まれです。「乙巳」の人の特徴を読み 物から探ってみましたら、『歴史を理解するセ ンスを持ち、天の啓示と予言を理解する能力の 持ち主。知的な自由人。経済的安定と情緒的安 定を常に求める。雄弁の才能の持ち主です。贅 沢な習慣と趣味を持ち、世間の評判を気にして、 外見にもこだわります。情報通で、いろいろな 裏事情に通じています。判断力と行動によって 投資家として成功。美術や音楽でも才能を発揮 します。』でした。どれもこれも私に合致する ところは、ないように思われますが…。同じ年 の著名人にウッチャンナンチャンの南原清隆、 爆笑問題の二人、さくらももこ、草刈民代、沢 口靖子、黛まどか(俳人)、古田敦也、中森明 菜、YOSHIKI (X JAPAN)、尾崎豊、香川照之、 本木雅弘、三木谷浩史(楽天会長)がいます。 前述の「乙巳」の特徴に照らし合わせてみます と、該当する所、少なくないようにも思われま す。占い、それは昔から「当たるも八卦、当た らぬも八卦」。拙筆を書き上げるにあたり、期 せずして占いに関する読み物をあさってしまい ました。

さて、祖母からよく言われてきた「占いもど き」をもう一つご紹介。「お前は箸をとても遠 くで持つから、とても遠いところからお嫁さん をもらうはず」と言われてきました。今年で「う ちなー婿」14 年目。「祖母の占い」は、大当た りの大正解でした。

新年早々、駄文にお付き合いいただき、あり がとうございました。本年も皆様にとりまして 健康で、幸多き年になることを祈念いたします。