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沖縄消化器内視鏡会

奥島憲彦

沖縄消化器内視鏡会会長 奥島 憲彦

昭和38 年に胃カメラ同好会として発足した 沖縄消化器内視鏡会は、今年で48 周年を迎え ました。当初、開業医の先生方が中心となり人 並ならぬ情熱で国内の一流の指導者を招聘し、 技術の練磨を行い、当会を牽引してこられまし た。現在は、勤務医も多く参加し、会員数約 150 名になりました。本会のこれまでの活動を 支えて下さった沖縄県医師会および会員の皆様 に感謝申し上げます。

毎月、第四水曜日の午後19 時半から21 時に 県医師会館で例会を行っています。毎回、当番 の病院が2 〜 3 症例を提示し、参加した研修医 から専門医まで含め会員皆で読影していきま す。一例ごとに「悪性か、良性か?」、「上皮性 か、非上皮性か?」、「病変の診断と鑑別すべき 疾患」、「悪性なら深達度は?」、「その組織型 は?」、「治療法は?」などについて参加者全員 で検討します。研修医から指導医、部長など役 職、年齢に関係なく自由に自分の意見を述べ合 うことができるのも当会の特長の一つです。内 視鏡像が中心ですが症例によっては上部消化管 バリウム造影、注腸造影、超音波内視鏡、拡大 内視鏡、CT などの読影も加わります。基本的 な読影の仕方を勉強できると同時にベテランの 先生方の読影から「内視鏡写真からここまで読 影することができるのか?」ということを学ぶ ことができます。前会長の慶田喜秀先生(前中 部病院消化器内科部長)や副会長の金城福則先 生(琉大光学診療部教授)や副会長の島袋隆志 先生(島袋内科胃腸科院長)などベテランの先 生方の経験談や一言が大変勉強になります。最 後に出題者から治療法や病理組織学的診断につ いて説明があります。典型的な症例も提示され ますが、毎回必ずといっていいほど自分がこれ まで経験したことがない珍しい症例が提示さ れ、診断能の向上に役立っています。最近は、 後期研修医の先生方の参加が増え、毎回熱のこ もった例会となっています。時には、日常の診療で診断や治療に難渋している症例を提示し他 の施設の先生方の貴重なアドバイスを頂いてい ます。また、時々会員によるスモールレクチャ ーを行い、専門領域のトピックについて講義を していただいています。

また、年に一度の総会の際は特別講演を2 題 招聘し、up to date な消化器内視鏡の診断や治 療を勉強しています。今年度は平成24 年2 月 18 日(土)に県医師会館で予定しています。 国立がんセンター中央病院内視鏡科グループ長 斉藤豊先生による「大腸LST の内視鏡治療― 治療適応から合併症までー」と早期胃癌検診協 会常務理事の馬場保昌先生による「胃癌X 線 診断の求め方」を予定しています。会員外の先 生方の参加も歓迎です。

また、5 年に一度、沖縄消化器内視鏡会記念 誌を発行し5 年間の活動状況や業績をまとめて います。45 周年記念誌からは内容が日本医学 中央雑誌にも登録されるようになりました。記 念誌発刊に合わせて、毎回2 つのテーマを設定 し沖縄県の現状について全会員施設のデータを まとめ沖縄消化器内視鏡会として県医学会や学 会で発表し記念誌に掲載しています。現在、県 立南部医療センターの岸本信三先生を中心に 「沖縄県のバレット食道」について、琉大病院 光学診療部の金城渚先生を中心に「沖縄県の胃 癌」についてワーキンググループができ、調査 が行われているところです。会員の皆様もご協 力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

現在、例会は内科医と一部の外科医の参加が ほとんどですが、消化器疾患に興味のある放射 線科医や病理医や外科医、読影の基本を勉強し たい研修医の皆様の参加を歓迎いたします。ま た、内視鏡診断や治療方針の選択に困っている 消化器の症例がありましたら例会に積極的にお もちいただきご提示ください。優先的に参加者 全員で検討いたします。