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平成24年沖縄県医師会新年祝賀会・医事功労者表彰式

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

沖縄県医師会新年祝賀会・医事功労者表彰式
式次第

  • 日 時:平成24 年1 月7 日(土)19:00 〜
  • 場 所:沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザ(彩海の間)
         司会 渡辺克江アナウンサー

1 開会のことば 玉城信光副会長

2 会長挨拶 宮城信雄会長

3 第26 回沖縄県医師会医事功労者表彰
  ・県知事表彰 3 名
  ・県医師会長表彰 26 名
  ・被表彰者代表挨拶

4 来賓祝辞 仲井眞弘多沖縄県知事

5 鏡開き・乾杯 村山貞之琉球大学医学部附属病院長

6 祝宴・余興 サウンドオフィス・名城 

7 福引き

8 閉会のことば 小渡敬副会長

去る1 月7 日(土)沖縄ハーバービューホテ ルクラウンプラザにおいて、平成24 年沖縄県 医師会新年祝賀会・医事功労者表彰式が開催 され、会員114 名、家族46 名、来賓等66 名と 多数の方々にご参加頂き、大いに賑わった。

医事功労者表彰式では、県知事表彰3 名、県医師会長表彰26 名の先生方が受賞された。

初めに、玉城信光副会長から開会の辞が述べ られ、その後宮城信雄会長が挨拶にたたれ、次 のとおり述べられた。

宮城信雄沖縄県医師会長挨拶

宮城信雄

新年あけましておめでとうございます。

本日は、2012 年の新 春を寿ぐ沖縄県医師会 新年祝賀会を開催いた しましたところ、仲井 眞弘多知事をはじめ、ご来賓の方々、会員並びにご家族の皆様方多数 ご参加頂きまして衷心より感謝申し上げます。

昨年の3 月11 日に発生した東日本大震災は、 巨大地震・巨大津波による未曾有の大災害をも たらし、多くの尊い人命が失われました。また、 人災ともいうべき原子炉の爆発事故は一向に解 決の方向が定まっておりません。ご存知の通り、 本会では発災後3 月15 日からいち早く医療支援 チームを結成し、日本医師会と被災地の岩手県 医師会と連携を取りながら、被害が大きかった 大槌町へ医療支援チームを派遣し、そこを活動 拠点に、地域医療の復旧を確認するまでの79 日 間、医療支援活動を行って参りました。支援チ ームのボランティアを会員に募集したところ、 非常に多くの先生方に手を挙げて頂きました。 支援金、義捐金も多額寄せられ、ご協力頂いた 多くの会員の皆様へこの場を借りて厚く感謝申 し上げるとともに、被災された現地の一日も早 い復旧・復興を祈念致します。

さて、昨年、2012 年度の診療報酬改定率が 決定致しました。トータルで0.004 %アップと いうことです。日本医師会は直ちに感謝の声明 をだしましたが、これがどれくらいの意味をも つのか、その評価はいろいろであります。

民主党は、2009 年の選挙前にマニフェスト において、地域医療の崩壊は、長年の医療費抑 制の結果によるものであるという反省を踏ま え、OECD 加盟国の平均並みに持っていくと 掲げました。日本の医療費は、加盟国中22 〜 23 番目に低く、下から数えた方が早いのです。 日本より医療費が安い国は韓国、メキシコくら いしかありません。加盟国並みの医療費にする ためには、現在の医療費を1.5 倍くらいに増や さないといけないことになります。政権を取っ た2 年前に診療報酬改定がありましたが、その 時には全体で0.19 %のアップでした。10 年以 上診療報酬を下げ続けていたことに比べると、 0.19 %でも非常に大きかったと思います。

今回の改定については、0.004 %のアップで すが、100 万円の収入があれば40 円のプラス と言う計算になります。ただ、本体部分は 1.38 %のアップですので、それが救いになるか と思います。

それから、昨日政府は社会保障・税の一体改 革を決めました。昨年の6 月時点の素案には、 我々が見過ごすことが出来ない項目が入ってお りました。受診時定額負担の導入です。日本の 医療費、窓口負担は2 〜 3 割となっておりま す。外国において自己負担が3 割という国はあ りません。患者に多くの負担させている上に、 受診毎に少額とはいえ更に定額の負担をさせる ということは、医療保険の精神から外れること になります。

この制度の導入を阻止すべく会員の先生方や 沖縄県医療推進協議会の各団体で県民集会を開 き、反対の決議をとりました。また、署名活動 にもご協力頂き、5 万3 千人余の多くの署名が 集まるとともに、全国では773 万人余の署名が 集まりました。その結果、政府・民主党は「受 診時定額負担」導入を見送る方針を決定したと 伝えています。

この制度は小泉政権の時に軽医療費免責制度 という形で一度提案されており、それが姿かた ちを変えて今回出てきました。今回は旗を降ろ した形になっておりますが、また別の形で提案 してくるだろうと考えております。

そういう意味では、患者にこれ以上の負担をさせないように我々医師会としましても徹底的に阻止していかなければなりません。

また、野田首相はTPP への交渉参加に向け て協議に入ることを表明いたしました。農業分 野に影響する問題についてはマスコミが取り上 げておりますが、医師会では、先例である米韓 のFTA や北米自由貿易協定をみても、TPP が 締結された場合日本の医療は大きな影響を受け るだろうと分析しており、今後、どのような形 で推移していくのか注目しておかないといけな いだろうと思います。

交渉参加の議論をきっかけに、医療の営利産 業化を推進する考えが広がる事が懸念されま す。自由診療、自由価格の医療市場の拡大、混 合診療の全面解禁等により、持続可能な社会保障体制と国民皆保険制度の崩壊を何としてでも 阻止するべく、引き続き全力で取り組んで参る 所存でありますので、会員各位におかれまして も、ご支援・ご協力をお願い申しあげる次第で あります。

この後、引き続き行われます第26 回沖縄県 医師会医事功労者表彰式では、県知事表彰に3 名、県医師会長表彰に26 名の先生方を表彰い たします。特に、慶祝表彰におきまして、米 寿の先生が3 名、喜寿の先生が16 名おられる ことは誠に喜ばしくおめでたい限りであり、沖 縄県医師会の誇りであります。受賞者の皆様に おかれましては衷心よりお慶び申し上げます。 現在の本県の医療事情は国による振興計画や県 の諸施策により、大幅に改善されております が、その陰にはここにおられる先生方をはじめ とする諸先輩方が、戦後の脆弱な医療環境のも とで日夜を分かたず保健・医療・福祉の向上確 保にご尽力いただいた基盤があったからこそ成 し得たものであり、ここに改めて先生方の永年 のご労苦に対し、深甚なる敬意と感謝の意を表 する次第であります。

最後になりますが、医療を巡る情勢は依然と して混沌とし、今後も困難な状況が予想されま すが、我々に与えられた崇高な使命である、「県 民のための良質な医療提供」が全う出来るよう、 会員並びに関係各位のより一層のご協力をお願 いすると共に、平成24 年の辰年がご参会の皆様 にとって明るく希望に満ちた一年になるよう心から祈念致しまして、私の年頭の挨拶と致します。

第25 回沖縄県医師会医事功労者表彰

引き続き、医事功労者表彰式に移り、仲井眞 知事から沖縄県知事表彰(3 名)の授与、宮城会 長から県医師会長表彰の授与が行われた。県医 師会表彰については、受賞者が26 名と多数おら れることから、ご出席頂いた先生方のお名前をご 紹介させていただき、慶祝を代表して山本達人先 生と、医事功労を代表して仲原靖夫先生に授与 された。その後、受賞者を代表して、県知事表彰 を受賞された友寄英毅先生から挨拶があった。

友寄英毅先生受賞者代表挨拶

友寄英毅

新年明けましておめでとうございます。

今日の受賞者の中に は、私よりも先輩の先 生方が大勢いらっしゃ いますが、ご指名です ので、お礼の言葉を述 べさせていただきます。

本日は、仲井眞知事をはじめ、多数の御来賓 の方の御列席のもとに、盛大な祝賀会を開催し て下さり、誠に有難うございます。

今年は本土復帰40 年を迎えますが、今日受 賞された先生方の大半は復帰以前から医師会員 であり、特に米寿を迎えられる山本先生、富名 腰先生、伊志嶺先生の御3名は平成13年、2001 年に開催しました沖縄県医師会創立50 周 年記念式典では50 年会員として表彰を受けてお りますので、今年で60 年以上に亘り活動されて います。長い間、ご苦労さまでございました。

1972 年の本土復帰後、次々と病院や診療所 が開設され、沖縄県の医療はだんだん充実され ていったと思います。2004 年に新しい臨床研 修医制度が発足しますと、沖縄県には沢山の研 修医が来られて、その数は日本でも常に上位を 争う数となり、現在でも研修が大変賑わってお ります。これは沖縄の医学・医療の進歩の現れ だと思います。

それから2008 年には沖縄県医師会館が新し くなりましたのも大変嬉しい事柄でした。この ような時代を共有しながら私たちは医療に携わ った事が大変幸せなことだと感じております。

私たちはこれからも、それぞれの立場で沖縄 県の地域医療、医師会活動に努めて参りたいと 思っておりますので、これからも皆さまのご指 導をお願いしたいと思います。

本日は、誠に有難うございました。

続いて、来賓を代表して仲井眞弘多知事が祝辞を述べられた。

仲井眞弘多知事挨拶

仲井眞弘多

明けましておめでとうございます。

本日、友寄先生、山 本先生、仲原先生、他 沢山の先生方が表彰の 栄に浴されました。心からお祝い申し上げます。

先ほど宮城会長の挨拶にありましたが、昨年 の東日本大震災の際には、先生方の迅速で率先 力のある医療支援の対応はすごいものだなと県 民全員が再確認した事だろうと思います。まだ まだ東日本の復興には時間がかかります。是非 とも先生方、医療関係の多くの皆様のお力・ご 指導を引き続き賜りたいと思いますので、宜し くお願いします。

今年は、本県が本土復帰してからちょうど 40 年になります。これまでの沖縄振興は、ど うも沖縄の尺に合わないというものがありまし た。認可外保育や建築基準法一つをとってもそ うですし、そして島だけで出来ている県という のは本県しかありませんので公共交通システム がうまく発達しておりません。石垣・宮古・本 島間が陸続きであれば、道路や鉄道の整備がな されていたかもしれませんが、民間の船と航空 事業だけだと考えると、この40 年は多方面で いい形に発展してきた印象でおります。しか し、何か足りません。

そういうことで、新たな沖縄振興にあたって の考え方として、まず第一に独立自尊、自主性 をもち、地域主権の考えを入れた新しい振興法 を政府に作ってもらう。次に残留軍用地跡地利 用促進法をしっかり作る。この二つの法律が沖 縄独自の法律となり、骨格になります。その中 身を現代版になおした法律を作ります。

また、少なくなっている沖縄振興予算についてもう少し嵩上げをして頂きたいと考えております。

更に、アジアの中で、他国と競争できるよう な税制に変えていこうという内容を国に要求してきました。かなりいい形で政府民主党の皆様 にはまとめていただきましたし、自民党、公明 党の皆さまにも色んな形で支援を頂きながら、 予算・税制の案が決まりました。3 月末日まで に予算関連法案と沖縄関連の二つの法案が通ら なければ実際は動きだしません。3 月末日まで が一つの目途としてどのような形でまとまるか というところでございます。

沖縄の将来像の実現を図るため、2 年前に沖 縄21 世紀ビジョンを策定しました。医療・福 祉関連、産業、社会システム、教育等様々な面 を多面的に示した指針となります。これからの 10 年は沖縄21 世紀ビジョンの実現に向かって 頑張る第1 期にあたりますので、しっかりと取 り組んでいく所存であります。

沖縄の将来像は、第一に沖縄の自然・文化を 支える、第二に安心・安全な社会作りにもう一 度しっかりと取組む、第三に非常に柔軟な産業 を構築する、第四に交流・共生という姿勢で取 り組む、第五に人材育成にもう一度取り組むと いうような内容になっております。

新たな年を迎え、新年度からは、沖縄県民が 同じベクトルに向かって取り組んでいけるよう に、先生方には是非とも沖縄の発展にお力添え をお願いしたいと思います。

本日は誠におめでとうございます。

県医師会長表彰を代表で授与される山本達人先生

県医師会長表彰を代表で授与される山本達人先生


県医師会長表彰を代表で授与される仲原靖夫先生

県医師会長表彰を代表で授与される仲原靖夫先生


乾杯

乾杯


引き続いて、宮城会長、新垣代議員会議長他6 名の来賓による鏡開きが賑々しく行われ、来賓を 代表して村山琉球大学医学部附属病院長が下記 のとおり挨拶された後、乾杯の音頭をとられた。

村山貞之琉球大学医学部附属病院長乾杯挨拶

村山貞之

新年おめでとうございます。

昨年は、未曽有の東 日本大震災がありまし たが、本県の方々を初 め、多くの方が、被災 地の支援に率先して行 かれまして、日本人の心の絆が世界中で評価さ れた年でもあったかと思います。

今年の沖縄の医療界における一つの特筆すべ き事柄になると思われますものが、琉球大学医 学部附属病院にメディカルシミュレーションセ ンターが設立されることです。ALL 沖縄の支援 の下、恐らく医学教育の殿堂となり、日本全国 或いは世界から注目される施設になるというこ とが非常に期待されておりますし、地域医療の 改善、発展が期待される年になるかと思います。

更に沖縄の医療人の絆が更に深まるいい年に なると期待しておりますので、是非沖縄の医療 界の為に頑張っていきましょう。

その後、サウンドオフィス名城の4 人のメン バーによるエレクトーン、サックス、ハープ、 ピアノの演奏とソプラノ・アルト歌手による歌 を披露していただき、祝宴が和やかに行われた。

福引きで幸運を射止めた方は、17 名おられた が、1 等賞(液晶テレビ)は仲原漢方クリニック の仲原靖夫先生先生、2 等賞(加湿空気清浄機) は当山美容形成外科の當山護先生、3 等賞(自 転車)は今帰仁診療所の石川清和先生であった。

最後に小渡副会長より2012 年が明るい年にな るよう祈念する旨の挨拶があり、閉会となった。

余興:サウンドオフィス・名城

余興:サウンドオフィス・名城


左から真喜屋先生、豊見山先生

左から真喜屋先生、豊見山先生


左から田名先生、潮平先生、大仲先生、真栄田先生、安次嶺先生

左から田名先生、潮平先生、大仲先生、真栄田先生、安次嶺先生