沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 2月号

沖縄県小児科医会へのいざない

具志一男

沖縄県小児科医会会長 具志 一男

沖縄県小児科医会は、昭和40 年に発足、今年で47 年目を迎える。本会の事業は、

  • (1)小児科に関する学術の向上研究、
  • (2)小児科診療医業の向上研究ならびに普及啓発、
  • (3)小児保健、小児医療の推進、
  • (4)会員相互の親睦、連係及び扶助

などをおこなっている。

小児科学会とは少し異なり、実地医家の視点 からコモンディジーズや予防接種など、小児医 療から保健・福祉について、活動している。小 児救急や流行性の疾患は、病院小児科医も患児 を通して共通の課題を抱えており、認識を共有 して対処している。現在、病院小児科医は会員 の半数以下であるが、さらなる加入を期待して いる。普段の診療では、定期や任意予防接種を 行い、乳幼児健診への参加で、小児保健へも貢 献している。

医会では、年1 回の総会と特別講演、2 ヵ月 毎の研修会を中心に学術の向上を図っている。 昨年の特別講演会は、「“小児科医”の粋(い き)を極める」ということで、山口県たはらク リニック田原卓浩先生に講演をしていただい た。研修会は主に県立南部医療センター・こど も医療センター講堂で行われ、平成23 年度は 以下のような、内容の研修会が行われた。

平成23 年4 月13 日(水)

演題:「当院における小児睡眠時無呼吸症候 群の現状」

平成23 年4 月21 日(木)

演題:「東日本大震災における緊急研修会」

  • 現地における医療支援報告
  • 子どもの心のケアについて
  • その他

平成23 年8 月10 日(水)

演題:「渡航ワクチン:米国のワクチン事情」

平成23 年10 月12 日(水)

演題1.「日本脳炎の1 歳男児例」
 演題2.「赤ちゃんより始める禁煙活動」

平成23 年12 月14 日(水)

演題1.「当院における乳幼児百日咳の検討」
 演題2.「アトピー性皮膚炎の治療」

研修会では、1 時間ほどの発表に対し、30 分 もの活発な質疑が行われることもしばしばであ る。10 月からは、1 回に2 演題とし、多様な内 容に対応している。

沖縄県小児科医会報を年1 回発行し、上記の 講演会や、研修会のまとめ、全国レベルの研修 会の報告や会員の随筆などが載っている。

昨年から、新年会に、小児科後期研修医を招待し、小児科医会の紹介と交流を行った。

小児科医会及び理事会のメーリングリストを 運用し、最新情報の提供や質疑応答、議論を行 うこともある。他県の小児科医会報のPDF フ ァイルを作成し、CD-R で提供している。

はしかゼロの活動も、沖縄県はしかゼロプロ ジェクト委員会の構成メンバーとして積極的に 参加している。全国組織の事務局も会員が行っ ている。3 月の予防接種週間以外にも、はしか ゼロプロジェクト週間のある5 月にMR の日曜 接種を県医師会とともに行った。

以上、沖縄県小児科医会の活動を案内した。 日本小児科医会との連携した活動もあり、小児 医療・保健・福祉について総合的な視点から活 動している。