沖縄県小児科医会会長 具志 一男
沖縄県小児科医会は、昭和40 年に発足、今年で47 年目を迎える。本会の事業は、
などをおこなっている。
小児科学会とは少し異なり、実地医家の視点 からコモンディジーズや予防接種など、小児医 療から保健・福祉について、活動している。小 児救急や流行性の疾患は、病院小児科医も患児 を通して共通の課題を抱えており、認識を共有 して対処している。現在、病院小児科医は会員 の半数以下であるが、さらなる加入を期待して いる。普段の診療では、定期や任意予防接種を 行い、乳幼児健診への参加で、小児保健へも貢 献している。
医会では、年1 回の総会と特別講演、2 ヵ月 毎の研修会を中心に学術の向上を図っている。 昨年の特別講演会は、「“小児科医”の粋(い き)を極める」ということで、山口県たはらク リニック田原卓浩先生に講演をしていただい た。研修会は主に県立南部医療センター・こど も医療センター講堂で行われ、平成23 年度は 以下のような、内容の研修会が行われた。
平成23 年4 月13 日(水)
演題:「当院における小児睡眠時無呼吸症候 群の現状」
平成23 年4 月21 日(木)
演題:「東日本大震災における緊急研修会」
平成23 年8 月10 日(水)
演題:「渡航ワクチン:米国のワクチン事情」
平成23 年10 月12 日(水)
演題1.「日本脳炎の1 歳男児例」
演題2.「赤ちゃんより始める禁煙活動」
平成23 年12 月14 日(水)
演題1.「当院における乳幼児百日咳の検討」
演題2.「アトピー性皮膚炎の治療」
研修会では、1 時間ほどの発表に対し、30 分 もの活発な質疑が行われることもしばしばであ る。10 月からは、1 回に2 演題とし、多様な内 容に対応している。
沖縄県小児科医会報を年1 回発行し、上記の 講演会や、研修会のまとめ、全国レベルの研修 会の報告や会員の随筆などが載っている。
昨年から、新年会に、小児科後期研修医を招待し、小児科医会の紹介と交流を行った。
小児科医会及び理事会のメーリングリストを 運用し、最新情報の提供や質疑応答、議論を行 うこともある。他県の小児科医会報のPDF フ ァイルを作成し、CD-R で提供している。
はしかゼロの活動も、沖縄県はしかゼロプロ ジェクト委員会の構成メンバーとして積極的に 参加している。全国組織の事務局も会員が行っ ている。3 月の予防接種週間以外にも、はしか ゼロプロジェクト週間のある5 月にMR の日曜 接種を県医師会とともに行った。
以上、沖縄県小児科医会の活動を案内した。 日本小児科医会との連携した活動もあり、小児 医療・保健・福祉について総合的な視点から活 動している。