琉球大学医学部附属病院
第3内科 國場 和仁
みなさん、新年明けましておめでとうござい ます。このたび、広報委員の金谷文則先生から のご推薦を賜り不肖ながら筆を執らせて頂くこ ととなりました國場和仁と申します。
所属は琉球大学医学部附属病院第3 内科で神 経グループです。現在、脳卒中診療を学ぶ為に 福岡にある国立病院機構九州医療センター脳血 管神経内科へ2011 年4 月より2 年間の国内留 学中です。
まず、神経内科と聞くとどのようなイメージ でしょうか?難しい、よくわからない、治らな いなどのイメージが先行し専攻するにはちょっ と…という感じでしょうか?自分も例にもれ ず、学生時代は自分が内科でしかも神経領域を 専攻するとは考えもしませんでした。(ちなみ に、学生時代に一番興味があったのは排尿障害 …神経因性膀胱です。結局は神経がらみではあ ったのですが)。
神経の道へのきっかけは研修医1 年目、何気 なく選んだ1.5 ヶ月の神経内科でした。まさか この選択が今後の人生を決めるとは思いもより ませんでした。まず、初日に神経診察のレクチ ャーで神経疾患は「病歴8 割」、診察所見がい かに重要かを語る渡嘉敷崇先生の熱弁と「華麗 なる打鍵器さばき」に惚れ込んでしまったこと と、また受け持ちのパーキンソン病患者のonoff の症状の劇的な変化に衝撃を受けたこと。 まさにKO でした。神経の道を専攻しようと考 えた次第です。しかしながら、神経疾患の奥深 さに潰されてしまったことと、本格的な救急の 現場が未経験であったことに対しての焦りもあ り、3 年目は大学病院のふもとにある、「笑顔で 親切」をモットーにしている某急性期病院へ内 科の後期研修として入局いたしましたが神経と 縁が切れることはありませんでした。救急の現 場では脳梗塞を始めとする脳卒中患者が多いこ と、患者が多い割には専門に診療できる医者が 不足している現状を肌で実感しました。脳梗塞 の患者を診ていく中で再び神経を専攻したいと いう気持ちが芽生えてきました。同僚の先生方 からの温かいご理解もあり、再び神経疾患を学 ばせて頂ける機会を頂いた次第です。九州医療 センター脳血管内科で得た知識、経験を沖縄県 の脳卒中診療の発展に生かせたらと思っており ます。
最後に自分が所属する神経グループの簡単な ご紹介をさせて頂きます。小嶺幸弘先生(現、 県立南部医療センター)時代の黎明期を経て 2001 年4 月より渡嘉敷崇先生を主任とした体 制が始まっています。当初は渡嘉敷崇先生と伊 佐勝憲先生の2 人体制でした。神経を志す入局 者もおらず、冬の時代が長く続きました。その 後、徐々に神経希望の入局者が入るようにな り、現在、大学では7 人体制(内、神経専門医 3 人、脳卒中専門医1 人)となっております。 他の科から見るとどう見えるでしょうか?多い と印象を持たれる方もおられるでしょうが、沖 縄県全体では神経専門医は26 人、脳卒中専門 医を持つ内科医は3 人と需要に応えるには程遠 いのが現状です。少しでも一緒に診療していた だける同志が増えれば…と日々願っておりま す。ポリクリや初期研修で少しでも興味が湧い たけど、神経が難しいと考えて少し躊躇されて いる方、第3 内科神経グループへ昼夜問わずお 気軽にお越しください。一同、心より歓迎した します。