ハートライフ病院外科 宮平 工
48 歳である。なんと立派な年齢になってしまったことか。
数年前より、サラリーマン向けの自己啓発本 なるジャンルが気になって仕方がない。空港の 本屋で1 〜 2 冊買っては出張の度に読んでみ る。時間管理術や対人関係、手帳術、整理整頓 からセルフコントロールまで、そのテーマは多 岐にわたる。大体において、これらの本は人生 における成功を収めることを目標としていると 考えられるが、何が成功かは別として、私なり に学んだことを著したい。
これらのテーマを克服したり、体得するため には、継続することが大事である。スポーツと 同じで繰り返しトレーニングすることで技は磨 かれ、その反面トレーニングを怠ると衰える。 結果、習慣化されればしめたものである。
100 冊は下らないであろう自己啓発本読破の 末にたどりついた結論は習慣化が最も大事であ るということである。当方遅ればせながらこん な大事なことにようやく気がついた。もっと早 く気付いていればと今更後悔する訳でもない が、特に若い諸君には強く認識していただきた い。大事ですよ、習慣とは。ここで、習慣に関 する名言をふたつ。習慣は第二の天性である (聖アウグスチヌス)。心が変われば態度が変わ る。態度が変われば行動が変わる。行動が変わ れば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わ る。人格が変われば運命が変わる。運命が変わ れば人生が変わる(蓮沼文三)。で、私の一押しは即実行の習慣である。ちょっとしたことだ が、効果絶大と自負している。
さて、継続するためのコツとしてはモチベー ションを高めるとかアメ(ご褒美)を設定する とか同士をつくるなどがあるが、私のおすすめ はレコーディングダイエットならぬレコーディ ング習慣化である。ジョギングを例にとると、 10 分間走を1 ポイントとして、走ったポイント をカレンダーもしくは手帳に記録(レコーディ ング)する。ポイントが増えるとうれしいし、 少ない月はもう少し走ろうかと思うようになる。
ということで、40 代なかばから時間管理術 や手帳術を駆使して時間をつくっては少しずつ 走り始め、最近ではハーフマラソン、フルマラ ソンにエントリーし、5 戦全勝である。元来肥 満ではないが、少しダイエットをして、尿酸が 正常化し、禁煙も成功させた。良い習慣を増や して、悪い習慣を駆逐する。これからは瞑想と か哲学などに挑んでみようかと思っている。
12 年後は人生について語ることが出来るよ うになればと願う。年齢だけ立派にならず、中 身も伴なっていたいと願う。
最後に詩をひとつ紹介します。
習慣
私はいつもあなたのそばいる
いちばん頼りになる助け手でもあれば、大変な厄介者でもある
後押しもすれば、足を引っ張ってしくじらせもする
私はあなたの命令次第
半分だけやって任せてくれれば、私は残りは手早く正確に片付けてしまう
私の扱いは簡単
念押しは不要
何をしたいかを見せてくれれば、少しの練習であとは自動的だ
私はすべての偉大な人物の僕
そして何たることか、すべてのしくじりの主人
偉大な人が偉大になったのは私のため
しくじった人がしくじったのも私のため私は機械ではないが、
機械のような正確さと人の知性によって動く
私を動かして利益を得ることもできれば、破滅を招くこともできる
私にはそれは関係ない
私を利用して訓練し、しっかりと働かせなさい
そうすればこの世を足もとに従えることさえできる
しかし、甘やかせばあなたを滅ぼす
私はだれか
私は習慣
作者不詳
出典:人生を築く時間の刻み方 ハイラム・W ・スミス著 産能大学出版部