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とうとう来たか還暦

金城博

博愛病院 金城 博

子供のころは、着物姿にカンプウを結ったオ ジイ、オバーが普通に周りにいらした時代でし た。もしかして、今の私ぐらいの年齢の方もと 考えると、格好は変わっても、すごく年寄りに 見られているだろうなと、改めて暦年齢を実感 させられます。寄稿依頼がなければ、自分とし てはまだまだ先のこと、全く他人事のように考 えもしていない還暦でした。

しかし、根っからの楽天的性格と認知行動療 法を使って、「還暦を迎えるけど、まだまだ還 暦、こんなに若々しいし、仕事もバリバリこな せている。きっと自分は他人よりも老化のスピ ードが遅いに違いない。」と思うようにしていま す。新春の抱負ですので、少し御屠蘇気分で、 沖縄県の男性の平均寿命の改善に貢献すべく二 度目の還暦を目指したいと考えております。

とは言ってもここ十年余りの男性平均寿命順 位の低下には憂慮しています。中高年の自殺も 一因となっているようです。精神科医になって 三十有余年、患者さまの自殺は医師のアイデン ティティーを打ち砕いてしまう程の出来事で す。若いころとは違う、この年齢でないとでき ない精神科医療も有ると信じ、これからも微力 ですが患者さまの幸せに貢献できるよう日々努 力を続けたいと思います。

顔写真の掲載があることに今気づきました。 修正もままならず、やっぱり還暦だねと言われ ないかと心配です。負け惜しみになりますが、 いつも女性看護師さんからは「院長、ワカー イ。」と言われます。