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第1回地区医師会長会議

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

去る9 月16 日(金)、県医師会館において標 記会議が開催されたのでその概要について報告 する。

冒頭、宮城信雄会長から概ね下記のとおり挨 拶があった。

挨 拶

沖縄県医師会 宮城信雄会長

宮城信雄会長

内閣も民主党に政権 が代わって2 年が過ぎた が、毎年総理大臣が代 わっているという状況 で、野田総理大臣は少 し期待が持てるのでは ないかと考えるが、今 後も注視していかなければならないと思う。

中央の方では診療報酬改定について中医協で 議論されている。日医は、政府に対して同時改 定は行うべきではないという申し入れをしてい るが、日医の意見は受け入れて貰えずに中医協 で診療報酬の改定が進められている。日医代議 員会の中でも日医の執行部が同時改定はしない という提案をして決議をしようとしたが、突然 の提案で意見が分かれて結論がでない状態にな った。粛々と改定すべきだという都道府県の見 解と日医執行部とで、情報の差があるようであ る。日医の執行部としては、政権の中枢と話を して、公務員の人件費を一律カットするという ことを決めている状況の中で診療報酬を上げる 方向にはならないという情報の下、改定はすべ きではないということを強く主張している。一 方、医師会を応援する議員は多く、診療報酬は 上げるべきだという希望的観測として診療報酬 は上がるのではないかという情報を持っている 都道府県もある。国としては、きちんと改定を 進めていくという方向で進んでいる。

かかる状況の中で、受診時定額負担という案 が突然出てきており、今問題になっている。高 額医療費の負担を減らす変わりに外来受診の度 に、定率の自己負担以外に定額の負担を求めて おり、当面は100 円ということを言っている が、次から次へと上がっていくことは明かで、 これに対しては日医は断固反対しており、場合 によっては国民運動を起こし、各都道府県にお いては、地方議員等に対し医師会の意見を理解 して反対してもらうようにという運動を展開し て欲しいと要望しているが、そういう制度を一 括で上程されると政権与党にいる議員は反対出 来なくなってくるのではないかということを危 惧している。

それから、税制改革の問題では、日医として は消費税については患者の自己負担が増えない 方向での課税制度にすべきだという提案をして いる。事業税については非課税の存続を申し入 れている。事業税を課税するかどうかは各都道 府県が決めるということであるので、先日、玉 城政策参与と一緒に知事に対して事業税非課税 存続の要望書を出してきた。その前日、突然医 療特区の内容が表に出てきて、それを読んでみ ると非常に大きな問題点があることが分かっ た。医療ツーリズムについては、日医は、国民 皆保険制度の崩壊に繋がる、或いは株式会社の 参入に繋がるということで最初から反対してい るが、沖縄県医師会は正面切って反対はしてこ なかった。知事が公約でも10 年で一千万人の 観光客を増やそうということを言っており、そ ういう事で敢えて反対はしないという立場を取 っていたが、どうもそれが逆手にとられ、到底 医師会として認められない提案がなされた。そ れについては、知事は、医療問題に関して、も し県に上がって来るのであれば、基本的に医師 会ときちんと相談するようにということになる とのことであった。

本日は議題が4 題がありますので、お互い意 見を出し合いながら有意義な会議にしたいと思 います。宜しくお願いします。

議 題

1.新法人移行について(沖縄県医師会)

真栄田常任理事より以下のとおり説明があった。

この度の公益法人制度改革に伴い、去る平成 21 年11 月18 日に開催した公益法人制度改革 に関する小委員会において本会の対応について 検討した結果、公益社団法人の認定条件である 「公益目的事業比率」を50 %以上確保すること が困難であり、本来行うべき事業を削らなけれ ばならない等自由な活動が出来なくなる恐れが ある事、更に公益を維持するために毎月の決算 が求められるなど、経理的事務が煩雑化し、人 員増が必要となることから、まずは一般社団法 人(非営利)に移行しメリットが得られるなら ばその時点で公益法人に移る方向で進めること を確認した。

これを受けて、平成21 年11 月24 日開催の 第22 回理事会において一般社団法人へ移行す る向きで調整することを確認した。

なお、新法人への移行については、平成25 年11 月30 日までに移行認可を受けなければな らないが、県当局より移行期間終了間際には移 行申請が急激に増えることが予想されるため、 予め余裕をもって平成23 年中に申請してもら いたいとの要望があったことから、本会として も平成24 年4 月の登記を目指し、移行の必須 条件となっている法人法に則った定款の改正を 行うべく、早速去る9 月5 日(火)、9 月29 日 (木)の2 回に亘り定款等諸規程検討委員会を 開催し、定款改正案並びに諸規程案についてご 承認頂いた。

更に、去る9 月6 日(火)開催の第15 回理 事会において本会の移行先について協議した結 果、一般社団法人(非営利型)へ移行すること を決議した。

以上の説明の後、下記議題について真栄田常 任理事より資料に基づき定款改正案並びに諸規 程改正案の重要ポイントの説明を行った。

  • ・定款改正案のポイント
  • ・役員任期について
  • ・沖縄県医師会定款改正案
  • ・沖縄県医師会諸規程改正について
  • ・沖縄県医師会諸規程改正案
  • ・経理規程改正案のポイント
  • ・沖縄県医師会経理規程改正案
  • ・役員等報酬規程案

なお、本件について質疑は以下のとおり。

Q :仲間八重山地区医師会長

この定款をひな形として八重山地区医師会 の定款を作成することは可能か。

A :真栄田常任理事

九州の各首市医師会では、県医師会の定款 を参考にして進めており、問題ないと思われ る。また、日医から郡市区医師会レベルの定 款モデルが出されている。

2.東日本大震災における医療支援活動について(沖縄県医師会)
玉井理事

玉井理事

東日本大震災に関し て本会が医療支援班を 派遣したことは、去る6 月22 日の代議員会で簡 単なご報告をさせてい ただいたが、受診者数 等の集計も纏まったの でご報告する。

今回の地震規模が大きく広範囲であり長期に わたる医療支援が必要と思われたことから、3 月11 日の地震翌日12 日に緊急の検討会議を開 催、現地への医療班派遣が必要であり、会員施 設に対し派遣に関する調査を実施すること及び 派遣費用の寄付を募ること等が決定したこと は、既にご報告したとおりである。

食料品・医薬品すべてを急遽準備し、3 月15 日には第1 陣を送り出し、16 日夜岩手県上閉 伊郡大槌町城山体育館に到着後すぐに仮設救護 所を設置し、診療を開始。

救護活動は、6 月1 日に最後の医療班が帰任す るまで79 日間にわたって続けられ、派遣者は、 79 名(医師32 名、看護師30 名、事務17 名)で、受診者数は延べ5,110 名に上り、多い日は 100 人を超えることもあったが、5 月連休明けか ら、被災した地元医療機関が再開しはじめ、そ の頃から救護所は受診者を地元医療機関に引き 継ぐ役割を担うことになった。

また、今回の医療支援班派遣費用として、会 員・医療機関・関係団体等から2 9 2 件、 14,469,069 円の寄付をいただいた。

医療救護活動を無事終了することができたの は、県内多くの医療従事者が、ボランティアと して参加いただいたこと、又、所属医療機関の 施設長をはじめ、同僚やご家族のご理解・ご支 援をいただけたことによるものであり、あらた めて感謝を申しあげる次第である。

12 月11 日(日)沖縄県医師会医学会のシン ポジウムでは、釜石災害対策本部・釜石医師会 災害対策本部長として全国からの医療支援班の 指揮をされた寺田尚弘先生をお招きして、「考大 災害医療〜東日本での医療、また今後何をなす べきか〜」について協議することになっている。

現在、「医療支援班活動記録集」を作成中で あり、活動内容を纏めるとともに、今後の災害 支援活動のあり方、さらに万が一沖縄県内で災 害が発生した場合の対応について検討していき たいと考えているので、ご指導ご協力ください ますようお願い申しあげる。なお、記録集は、 完成後会員へ配布することにしている。

3.県立高校学校医の件(宮古地区医師会)
池村会長

池村会長

<提案要旨>

学校医については定 数1 名ということであ るが、生徒数の多い高 校の学校健診は1 名の 医者では負担が大きい との意見があり、高校 によっては2 名の学校医を希望したいとの会員 の意見があるがご検討いただきたい。

4.学校医契約に係る書類の簡略化について(宮古地区医師会)

<提案要旨>

何ヵ年も同じ高校の学校医をしているが、毎 年履歴書など多くの書類の提出を求められてい る。地区医師会、県医師会の推薦のみでよいか と考えるがご検討いただきたい。

<回答>

◇沖縄県医師会(真栄田常任理事):県立学校 医の件については、県教育庁保健体育課に照会 したところ、「学校医は教育委員会が委嘱する 規定となっているため学校が独自に委嘱するこ とはできない。(沖縄県学校管理規則第55 条) また、県立高等学校における学校医の配置事業 は学校の規模に関わらず1 名で実施しており、 その予算措置がとられているため、複数配置は 困難である。」とのことであった。ただし、学 校健診時においては医師の人数の規定はなく、 700 名以上の生徒が在籍している県立高等学校 の健診時には校医に加え、複数の医師に協力し ていただいている学校もあり、その際は、健診 単価×人数の合計の額をお支払いしているとの ことであった。

学校健診時については、複数配置が可能とな っているので、ご調整いただきたい。また、学 校医の複数配置については、本会としては県教 育庁等に申し入れていきたい。

学校医契約に係る書類の簡略化については、 県教育庁県立学校教育課に確認したところ、昨 年度までは、学校医に対し毎年履歴書の提出を 求めていたのとことであるが、平成23 年4 月よ り、更新される学校医については本人からの履 歴書の提出は不要で、各学校で履歴書(写)を 提出してもらっているとのことであった。

本会としても、県教育庁に対し、各県立学校 においては、学校医の更新に際し、本人へ履歴 書を求めないよう周知徹底していただくよう、 意見していきたいと考える。

<意見交換>

◇宮古地区医師会:健診だけでも手伝えるよ うなんとか今までやってきた。宮古では10 年 前から学校医と産業医いずれも少ないので、高 校の学校医を3 年以上勤めた先生は産業医とし てみなすという県からの連絡によりこれまで続 けてきた。しかし、たまたま学校医をやってい た先生が、他の学校へ行って健診を手伝った先 生を産業医として認めてくれないかと言った が、だめだと県から言われて、慌てて学校医を 探すことになったことがある。それなら学校医 を2 人にしておけば産業医も要件を満たしてい ると考えた。実際旧平良市では中学校の学校 医を2 人としたことがあったので、なぜ県がで きないかと思ったので提案した。県医師会回答 を見ると学校医は1 人となっているとのことで 納得した。

今般、10 年余り学校医を務めた先生にこの ような書類(別紙)が来た。「○○先生様 履 歴書 提出期限○日まで」と書かれたもので、 それをポンと置いていったとのこと。その先生 は、高校に対して、「自分は校医をまじめに務 めてきたのに失礼ではないか、もともとこちら から依頼して学校医になったわけではない」と 書いて高校に送り返したとのことである。その 先生から医師会に「これは個別の問題と捉えな いで、医師会と広く行政、あるいは沖縄県の関 係機関との問題と広く捉えてください」と申し 出があった。

それで、学校に行って校長先生と担当の先生 と会って話をしたが、たまたま新任の校長先生 で話しがかみ合わずに、結局その先生は学校医 を辞めることになった。その先生は産業医もや っていたので、慌てて代わりの学校医と産業医 を探すことになり大変な思いをした。

また、定例会で、毎年学校長は学校医を引き 受ける先生のところへ行って学校医をお願いす るよう、県医師会から県に対して申し入れてい ただけないかと意見があり、本日2 つの問題を 提案した。

◇沖縄県医師会(真栄田常任理事):那覇市医師会では、高校から健診を2 日で終わりたいと 要望があり、学校医でなくても内科でなくとも 1 つの高校に10 人〜 15 人のグループで健診に 行くことにしている。執務手当ても「生徒数か ける日数」で計算されていて、月に5 万ぐらい いただいている。学校医ではなくとも地区医師 会で調整して、各学校へ派遣できるようにすれ ば、学校医になりたくない会員も参加できる。

◇宮古地区医師会:校長は校医を引き受けるの は当然だと言わんばかりである。臨時職員のよ うな対応をしてくる。また、学校は授業に差し 障りないよう健診を1 日で終わるよう○日に健 診してくれと、診療時間を無視して言ってくる。

◇沖縄県医師会(真栄田常任理事):お互いの コミュニケーションのなさからくる。以前中部 地区医師会でも学校医を辞退するという騒動が 起きた。話を聞くと、学校医と学校長とのトラ ブルで、意志の疎通がうまくいっていないこと にあった。

また、産業医についても、産業医が導入され た当初は学校医を2 年あるいは3 年続ければ産 業医ができることになっていたが、最近は産業 医資格がないと設置要綱に満たないといってく ることがあるようである。

◇宮古地区医師会:宮古地区は、産業医資格を 持っている人は少ない。

◇沖縄県医師会(真栄田常任理事):やはり お互いの調整のなさからくるもので、県保健体 育課から学校現場の管理者にきちんと指導し ていただくよう県医師会からも申し入れていきたい。

また、最近産業医研修会については、宮古・ 八重山地区からも受けられるよう土曜日に研修 会を開催している。

履歴書については、県医師会から県に要請書 を出したが、まだ周知徹底がなされていないよ うなので、再度周知徹底するよう要請したい。

◇中部地区医師会

中田副会長

中田副会長

中部地区医師会でも 校長先生や事務長の学 校医への対応について 問題となったことがあ り、地区医師会長名で 県教育庁にしばらく学 校医は受けませんと抗 議したが、法律上の問題もあるので、ぎりぎり 待ってやることにした。それ以降問題は起こっ ていない。また、印鑑・書類については、お互 い知恵を出して業務に支障のないようにしてい る。産業医は、必ずしも地区医師会の義務でな いので、地区の産業医推進センターで斡旋する ようにしている。

◇宮古地区医師会:学校医と産業医は法律が違 う。産業医は各学校が探してくれという法律に なっている。宮古では、学校は自分たちで産業 医を探せないので、医師会に泣きついてくるの で断るわけにもいかない。学校健診が終わって 校長に報告に行っても校長がいなかったりと、 健診が終わっても会わないという校長もおり、 信頼関係が必要かと思う。

◇沖縄県医師会(宮城会長):この問題は以前 からある。学校医だけでなく、嘱託医について も同様である。医師を全く臨時職員扱いで、1 年は採用する、2 年までは延長できる、3 年か らは採用しないと県から通達が出た。

県の臨時職員はこうなっているようであり、 これを医師に当てはめようとした。その通達が きたので、南部地区でも、もしそうであれば学 校医を全て辞退しようとしたので、通知が撤回 されたことがある。宮古ではその流れがまだ残 っているようである。

産業医の選任には罰則がない。産業医は50 人以上は置かないといけない。高校は置かない といけないが、産業医はすぐには選任できない ので学校医が兼ねてもいいときまりができてい たが、新しくやるときには、産業医資格を求め られるようになってきた。

◇南部地区医師会

名嘉会長

名嘉会長

学校健診を複数でや るということだが、高 校は健診を短期間(授 業をつぶしたくないと) でやりたいとして、学 校側が高校の出身者に 依頼して医師を集めて きて健診をしていたことがあった。学校医から は、学校医が健診にかかわらなくてよいのかと の意見があった。しかし、那覇市医師会は集団 で対応しているとのことであるが、本来の学校 健診のあり方として進めていくべきなのか。

◇沖縄県医師会(真栄田常任理事):東京も集 団で健診を進める方向にきている。文部科学省 は特に規定していないので、学校医と学校長が 相談してどうするか決める。学校医から数名で 健診したいとの希望があれば数名で対応する。 那覇市医師会は、一人ですると自分の診療時間 をつぶすことになるので集団で対応しており、処 方の趣旨を一致させている。一人で健診したい との要望があれば、一人で対応いただいている。

◇沖縄県医師会(宮城会長):基本は、学校長と 学校医との話し合いで決めるべきである。一方 的に、学校長が医師を集めてやることではない。

◇浦添市医師会:

仲間副会長

仲間副会長

養護学校の校医をし ているがとても大変。 会議が非常に多い。修 学旅行前の健診も大変。 そこまでやる必要があ るのか。医療的ケアの 子ども増えていて、診 療中も急変するたびに呼ばれる。県立高校だか ら県立病院でやってもらってはどうか。

◇中部地区医師会:養護学校の校医は複数にな っている。来年度から、校医の判断で健診を複 数でやることにしている。

◇沖縄県医師会(真栄田常任理事):重複障害 児が増えており、普通学校に入学させる傾向に ある。学校医の複数配置が増えている。

酸素を吸いながら学校にいくと、学校医の責 任は重くなっている。そのため、医療的ケアを 行えるよう特殊学校においては、専門の看護師 が2 〜 3 名配置されており、主治医と学校医と 学校の連携が必要になっている。

5.地域医療再生基金の件(宮古地区医師会)

<提案要旨>

地域医療再生基金については、ほぼ事業計画 は決定していると思われる。沖縄県シミュレー ションセンター事業に使用されると認識されて おり、大いに期待しているところであります が、その他、北部地区や宮古、八重山地区の地 域医療再生に対しての具体的な計画があればご 報告をお願いしたい。

<回答>

沖縄県地域医療再生計画では、医療に関する 人的資源や物的資源が少なく、不安定な医療提 供体制の環境下で、改善が必要な医療圏として 北部保健医療圏、宮古・八重山保健医療圏を対 象に各種事業(別紙参照)を展開しており、沖 縄県医師会或いは地区医師会が中心となって実 施する事業は下記のとおりとなっている。

【沖縄県医師会或いは地区医師会が関わっている領域】

1.IT 活用地域医療連携システム構築事業: 10.25 億円、予算は平成23 年度より

1)IT を活用した地域医療連携システムの構築: 8.45 億円(北部3.75 億、宮古・八重山: 4.7 億)

  • 事業者名:県行政(病院事業局、県立宮古・八重山病院、県立北部病院)、宮古・八重山地区医師会、北部地区医師会
  • 事業概要:県立病院に電子カルテを導入し圏域の病院・診療所との医療情報のIT 化を図る

2)地域医療連携体制総合調整事業: 1.8 億円、予算は平成23 年度より

  • 事業者名:沖縄県医師会
  • 事業概要:生活習慣病(糖尿病、脳卒中、 急性心筋梗塞等)を中心とした良質な地域 医療連携を推進していくための基盤を整備す る事を目的として、沖縄県医師会に地域医 療支援センターを設置し、地域医療の実態を 把握するためのデータ一元管理、地域連携ク リティカルパスの管理・運用、転院調整のた めのシステムの管理・運用等を行う。

【沖縄県医師会も中心的役割を担っている領域】

1.クリニカルシミュレーションセンターの設 立: 14 億円、予算は平成22 年度より

  • 事業者名:琉球大学
  • 事業概要:沖縄県全体の共同利用施設とし て、シミュレーションを用いた医学・医療 教育を行う研修施設を作る。

<意見交換>

◇宮古地区医師会:地域医療再生事業につい て、県に聞いても答えてくれない、県立宮古病 院からも県医師会に聞いてもらえないかと言わ れている。私自身も宮古・八重山でどういう再 生基金の使われ方がするのか具体的にわからな かったので、県医師会の回答を見て納得した。 新宮古病院で地域医療ネット、開業医と県立宮 古病院との検査データの共有、画像が送れるよ うにする、そういう事業に使えるのかどうかを お聞きしたかった。再生基金の予算が、東北大 震災で向こうに持っていかれるのではないかと いう話も出ており、どうなっているか伺った。

◇沖縄県医師会

安里常任理事

安里常任理事

IT を活用した地域医 療連携システム1 次で 8.45億(北部が3.75億、 宮古・八重山4 . 7 億) である。県行政と各地 区医師会の両者で共同 してIT 連携を構築して いく。3 つの県立病院に電子カルテ・オーダリ ングして医療連携を入れていくのはかなり難し いと思う。2 次でも7 億8 千万円確保されてい る。ただし、これも問題でCT、MRI、PACSを構築するとのことなので、IT 部分はとっと いてもらいたいと、残ったもので各県立病院の 電子カルテ、MRI 等を導入するようにしない と、知らないうちに全部使われてしまうのでは ないかと懸念している。

県病院事業局と県立宮古病院とで話し合いを 持つとよい。確認できないようなら、福祉保健 部との連絡会へ県医師会から議題を出して確認 してもよい。

◇沖縄県医師会(宮城会長):地域医療再生事 業は、診療報酬を引き下げしていたために、地 域医療が疲弊しているのを再生させるのが目 的。本来は診療報酬をアップさせればよいが簡 単にできないので本事業が出来ている。そうい う意味では、地域医療に使うのが趣旨である。 国が予算をつけたとき、医師会に連絡せずに県 立病院で使おうとしていた県もある。1 医療圏 で25 億はつけましょうと、医師会他医療関係 団体が、それぞれどういう事業をしたいのか検 討してあがってきたのが1 次計画に盛り込まれている。

本来であれば、宮古からあがっているのは、県立宮古病院のカルテに使ってはいけない。

◇宮古地区医師会:県立病院のカルテとデータ の共有が使えないかということ、まだ間に合う のかどうか働きかけはどこにどういう風に聞け ばよいか。安里常任理事が説明いただいたこの 再生事業の予算は確定しているのか。

◇沖縄県医師会(宮城会長):各事業に予算は ついている。執行できない事業がたくさん出て きているようである。あとで、追加でやりたい 事業があると、県だけの問題で事業を振り替え ていっているのが出てきている。県立病院(宮 古・八重山・北部)と各医師会が事業主体となっている。

県だけで使おうとしている。今日も看護大学 から出したい、県医師会も認めて欲しいと言っ てきた。ということは他に使う予定の事業が何 も動いていないのではないか。「IT を活用した 地域連携システムの構築」は大きい予算がつけ られており、知らなければ没収される。

◇宮古地区医師会:それをどこに聞けばよいの か。病院事業局に聞いてもわからない。

◇沖縄県医師会(宮城会長):それは自分達で 聞かなくてはいけない。自分達で作り上げてい かなくてはならない。再生事業の資金を被災県 に持っていくことはない。

◇沖縄県医師会(安里常任理事):資料のとお り、いくつかの事業については確定している。

◇八重山地区医師会

上原会長

上原会長

医療再生事業は、例 えば、医師会館の建築 を出してもいいものか。


◇沖縄県医師会(安里常任理事):医師会館だ けではなく、何か研修施設とかをくっつけて出 せば可能性ある。看護協会は1 次で、歯科医師 会は2 次で出している。

◇沖縄県医師会(宮城会長):本来はそういう 使い方をしてはいけない。各団体が認めたら形 式的に研修センターという名前になっている。 2 次募集については、IT 事業は100 %使ってい いが、他は事業主が1/2 負担となっていたので、 医師会が強く申し入れて、どのような事業でも 全額使っていいことになった。最初、県は、お 金を使い切れない、これはやりたくないと翌年 に回そうとしていた。他県は医師会等に黙って いて県立病院等に使おうとしていた。診療報酬 をあげるのが基本だができないので、この予算 が出ている。趣旨から考えると再生事業はきち んと医師会がかかわっていないといけない。

◇宮古地区医師会池村会長:予算執行はされているのか。

◇沖縄県医師会(安里常任理事):県医師会は既に2 年目で、すでに予算が出ている。

◇沖縄県医師会

小渡副会長

小渡副会長

職員に言ってもだめ。宮里部長に直接話すと言い。


◇沖縄県医師会(宮城会長):医師会からも福祉保健部にどうなっているか聞いてみる。

その他

(1)平成23 年度うつ病に対する医療等の支 援体制の強化事業委託について(依頼) (沖縄県医師会)

本県の自殺者数は、平成10 年以降300 人を 越えており、いろいろ事業に取り組まれてきた が、なかなか減少していない。自殺の最大の原 因であるうつ病の早期診断及び早期治療を推進 体制作りが重要となってきている。地域の一般 かかりつけ医と精神科医等の連携を円滑にする ため、両者が一同に介し、うつ病の診断と治療 に対する知識を深め、尚かつ両者の連携につい て学ぶことにより、自殺対策の推進を図ること を目的として、研修会等の強化事業が実施され る。今年度相当な予算がついた。これまで県精 神保健福祉センターが研修会をやってきたが、 今年は地区医師会に事業を委託したいとの依頼 がある。業務内容は、1 地区50 万円の予算で やって欲しいとのことである。研修時間は、 120 分。参考となる研修プログラムの例が示さ れているので、各地区医師会において同事業を 受諾いただき、自殺者数の減少にご協力いただ きたい。

また、来週アンケート調査も実施されるとのこ とであり、アンケートにもご協力いただきたい。