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マッチング

金城泰幸

南部徳洲会病院初期研修医2年次 金城 泰幸

今回はこのような投稿機会を頂き、緊張しな がら書き進めています。稚拙な文章ですが、批 評批判などはどうぞお手柔らかにお願いします。

今回は若手医師による<若手コーナー>の記 載依頼でした。「新たに入る後輩に対してメッ セージを」と依頼文書には書かれていました。 しかし私も現在研修医2 年目で正確に進路を決 定していない立場であり、そんな大層なことは 書けません。そのため最近同期と話すことの多 い「研修医が集まるためには?(=フルマッチ の病院とは?)」について個人的に思っている ことを書かせてもらいます。

はじめに自分自身が研修先を選択する際、ど のようなことを条件に考えたかを振り返ってみ ることにします。既知の病院か否か、手技や症 例や手術件数が豊富であるか、指導医が十分に 在籍しているか、実際に働いている研修医のや る気や雰囲気、給料面などなど。研修医になっ た今現在では病院の概要を聞いてイメージでき ますが、入職前の医学生でも考えたり感じたり できることは限られていると思います。やはり 大部分の医学生は雰囲気や認知度、指導体制、 お給料、症例数と言う具合に考えやすいものか ら優先順位を考慮し志望病院を決めていくので しょう。

大学における一般的な病院実習は、手術や外 来・病棟診察の見学、講義、レポート作成であ ったと記憶しています。一方、市中病院におけ る見学は病気についての知識を教え、手技や手 術を見学させるといったポリクリの延長ではや はり研修医は入ってこないと気づかされます。 実際に研修医が持つ医師としての自覚や、フッ トワークを実際に見てもらう必要があります。 それを見て将来の目標と照らし合わせ納得して もらう必要があります。例えば、研修医が指導医からどれくらい自立して考えることが出来、 検査や治療方針を決定し実行できるか。あるい はコメディカルの方々とどのような関係性を持 って接し、協力体制を構築出来ているか。表現 を変えれば、指導医からどれだけ自立して仕事 が出来るのか。またはコメディカルの方々とど れだけ対等にディスカッションが出来るのか、 とも言えましょうか。完全に指導医頼みの業務 を行っていれば医学生の持つ理想像に対して不 十分であり、反対に完全に放っておかれていれ ば指導体制の不備として医学生の目に映るので はないでしょうか。状況に応じ患者さんの前で は医師として振舞え、その他の場面では研修医 としての役割をしっかり行えることが大切だと 考えています。

また医学生は研修医の業務だけではなく、院 外の日常生活も含め興味を持っていることでし ょう。「趣味」「恋愛」「結婚」「子育て」「初期 研修後の進路」など業務外にどのような生活を 送れているかが、現実問題として関心事項では ないかと思います。このような話は医局内で話 す内容としては非現実的なため、やはりお酒の 席は大切です。個人的にお酒の席は2 種類設け られたら理想的であると考えています。一つは 院長や研修委員長も含めた病院全体で催す飲み 会であり、医学生へ病院全体から歓迎の意を伝 えるために必要です。もう一つは上述の日常生 活も含めた分け隔てない会話が可能である研修 医のみの飲み会です。この二種類を催すことで 病院の理想的なアピールが可能ではないかと考 えています。

最近当院でもマッチング前の医学生が多く訪 れています。来年も県内の多くの病院のフルマ ッチを期待します。