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分科会(沖縄県外科会)の紹介

大久保和明

沖縄県外科会会長 大久保 和明

沖縄県医師会医学会分科会「外科会」に対す る御支援に感謝申し上げます。

沖縄県外科会についてご紹介申し上げ、県医 師会会員の皆様の御協力、ご指導をお願いした いと思います。

沖縄県外科会は昭和40 年(1965 年)、44 名 の外科系の医師を中心に発足いたしました。祖 国復帰頃には70 名ほどの会員数になっており ましたが、新たな保険制度の導入や急増する救 急患者への対応に時間を割かざるをえず、外科 会としての活動はそれほど活発には行われなく なっておりました。諸般の医療事情が落ち着き を見せた1980 年頃から、学術振興、外科診療 水準の向上を目的とした研究会の開催を希望す る会員の声があがり、1985 年に新たに第1 回 外科会として定例会が開催されることになりま した。会員数も100 名を越えるようになり、そ の後の医療機関・医師数の増加に伴って現在で は210 名の会員を数えるまでになって参りまし た。ここ数年は200 名前後で停滞しております が、研修医を含めた若い外科医の参加を増やす べく努力をしております。ちなみに初期研修医 は会費無料でございます。外科という手術手技 を伴う職種の形態から、どうしても勤務医が会 員の多数を占めてしまいがちになりますが、会 員の25 %は開業医の先生方でございます。

さて、「沖縄県外科会」の目的は、沖縄県に おける外科医学、医療の研究をなし、広く地域 住民の医療の向上と会員相互の親睦を図ること とされております(沖縄県外科会会則より)。 他の分科会同様、定例会等を重ねることによっ て会員相互の親睦と連携が図られていると考え ております。また、最近では医学・医療の進歩 の恩恵が地域住民に十分活かされることが求め られており、外科領域においてもQOL 重視の 医療、低侵襲性の手術などの技術革新が進んで おります。これらの技術が地域住民の為になる ことを願って頑張っているところであります。

沖縄県外科会の活動ですが、会の運営は、約 20 名の世話人(役員)を中心に行われており ます。春と秋の年2 回の学術集会を基本とし、 毎回15 〜 20 題の演題発表があります。2 回の 学術集会のうち1 回は、一般演題に加えて全国 から著明な講師を招聘した特別講演が行なわれ ます。この学術集会も世話人の持ち回りという 形で担当しております。外科会の学術集会は県 内の仲間による集会であり、暖かい議論やアド バイスに満ちた会であります。時には厳しい指 摘もありますが、研修医の先生や若手外科医に とっては、九州地方会や全国学会へ登壇する前 の準備や練習の良い機会になるものと思いま す。特別講演も全国の最先端の医療に接する良 い機会であり多いに刺激になるものととらえて おります。

沖縄県医師会との関係では、年2 回の沖縄県医 学会への参加、特別講演、シンポジウム、ミニレ クチャー等のテーマの提案、座長推薦などがござ います。国保、社保の保険審査委員の推薦依頼 などもあり、適任者の推薦を行っております。

沖縄県外科会は平成11 年(1999 年)から日本 臨床外科学会の沖縄県支部として承認されてお ります。毎年行われる日本臨床外科学会総会の 座長として、我々沖縄県外科会会員の中から座 長を推薦し、活躍してもらっております。また、 診療報酬改定にむけて日本臨床外科学会を通し て外保連への要望提出など県支部としての役割を 果たしております。さらに沖縄県外科会での発表 は、業績として残るよう日本臨床外科学会誌に支 部抄録として掲載していただいております。

現在抱える問題としては、前述した会員数増 の停滞と開業医の先生方の学術集会への参加が 少なくなりつつあることでございます。会員数 に関しては若手外科医の参加を促進するための シンポジウムを開催するなど、また開業医の先 生方にも興味を持っていただけるような内容の 集会の企画など、今後検討すべき事がいろいろ あるかと考えます。

これからも、他科分科会との協力もお願いし、 沖縄県における外科医学、医療の発展と地域住 民のための医療の向上のため、沖縄県医師会の 一分科会として医師会活動を支えてゆこうと思 っておりますのでよろしくお願い申し上げます。