沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 8月号

日常雑感(厄年と育児)
もしくは体力低下と子供との遊び

中野純一郎

高宮城皮フ科 中野 純一郎

今年で41 歳を迎えます。数えで42 歳。厄年 を信じているわけではありませんが、40 歳を越 してから急に肉体、精神的な疲労が取れにくくなっているのは自覚していました。仕事から帰 り、シャワーを浴びた後はもうぐったりで、そ の後はだらだら過ごしてしまいます。

視力:これがいわゆる老眼というものか仕事で 近くのもの、小さいものを凝視することが多い ため視力に変化が出てきたことがはっきりわか ります。もともと良性、悪性の鑑別など重要な 時はデルマトスコープが欠かせませんが、多く の小さな腫瘍性病変を観察するときにはめがね の上からのぞいたり、いぼの取り残しがないか 確認するため、胸のポケットに拡大鏡を常備し ています。いずれ眼鏡も遠近両用レンズを使う ことになるのでしょう。

腹囲:昨年の検診で、85 センチ以上あり(詳 しくはかけませんが)、また脂質異常や血圧が やや高めで、コメント欄に「あなたはメタボで す」と書かれてしまいました。他科の先生方ほ どではありませんが皮膚疾患にも乾癬その他生 活スタイルを指導する疾患が多数あるため、こ れまでもそこそこ自分の体のコントロールに気 をつけていました。悪くても現状維持でいいか と考えていましたが、最近、子供(6 歳と2 歳) と入浴する際、おなかで遊ばれてしまいます。 「ぼよんぼよんぼよんぼよん」「お父さんのせな かはお腹みたいになってきている。せなかがお なかとくっついてる!!」

童謡を引用して遊ばれている(しかも内容は 逆)。さすがにこれはまずい。まずいとおもって いるだけではまただらだら時間が過ぎてしまう。 体力がないので面倒くさがってしまう。学生時 代と体重はそんなに変わらないので全身の筋肉 量が減って基礎代謝量が減り、脂肪がかなり増 えているのだ。間食をふくめ食事量も多いわけ ではないので、やはり運動をすべきなのだ。 iPad :これまでも時間があればネットサーフィ ンをして有用無用の多くの情報を見ていました。 買えないのに毎月のように出る新車やAV 機器 情報を集め、まじめなところでは患者さんが使 用している一般薬、健康食品のほか日常生活用 品に含まれる成分を確認したりしていました。しかし、昨年末に買ったiPad により更にネット 社会にはまり込むことになりました。パソコン のように重い仕事をしなければ、使い勝手のい いアプリが大活躍です。ウィキペディアで調べ 物(Wikipanion を使うべきです。Wikipedia が 今まで以上の百科事典へと進化します。一部の 情報は偏った見方がされていることがあり注意 が必要ですが。)アマゾンでの買い物(ついポチ ッと押してしまうので、余計な買い物が増えて しまうのが難点ですが、専門書もそこそこそろ っているので便利です。)など、ソファのうえで あっという間に時間が過ぎ去っていきます。

これではいけない。今日から運動だ。ジムに 通う時間がないというのは言い訳に過ぎない。 でもいきなりこのおなかではスポーツマンが多 いと思われるジムにいきなりいくには逆に勇気 がいる。育児というより子供の相手が楽しいの で子供と一緒に体を動かそう。

散歩:マンションそばには小さな公園がありサ ッカー少年たちが夕方には集まってくる広場も ある。そばには小さな遊具もあり、うちの2 人 のこどもにはちょうどいいが僕の運動にはなり そうにもない。少し離れるとコンベンションセ ンターもありトロピカルビーチもある。6 歳に なったばかりの息子をつれて遠くの公園まで歩 こう。いつもは車であっという間に通り過ぎる 場所も、子供は足元の小さなものをよく見つけ る。ただの雑草も、触ると閉じるとわかると、 全部の葉っぱを触りだす。楽しそうにするので つい童心にかえり僕もオジギソウをついつい撫 でたくなるが、息子は自分で触って閉じさせた いようで文句を言われてしまう。歩いているこ とより立ち止まっていることが多く、体を動か すことが目的のはずだが、まあこれもいいか。 ようやく公園に到着して子供を遊具で遊ばせな がらそばを歩いてみる。ただ歩くだけだがスピ ードをはやめるとすぐに心拍数の増加がみられ る。どこまで体力が落ちているのだろう。心肺 機能の低下まで自覚させられた。

早歩きからジョギングまで自分の体力にあわ せて、いつまで続けられるかわからないがこれ を続けていきたい。別の運動方法もあるだろう し、体を鍛えるにはやはりジムに通うほうがい いに決まっている。でも子供との日常の些細な 触れ合いを今は大事に思っている。むしろ子供 に飽きられないように雑草の知識、小さな昆虫 の知識を仕入れよう。そのうちサッカーやキャ ッチボールもいっしょにしよう。今は肉体改造 して急に体を作ることよりは子供の相手をして (相手をしてもらって)少しずつ体力増強を心 がけよう。僕にとっても子供にとっても今はそ れが一番だから。