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料理とワイン

花城清治

花城内科医院 花城 清治

私が、ワインと出会ったのは、20 年前だった と思います。確か、赤ワインブームで恐らく、 その頃からワインは日常の飲み物となりつつ、 それまでは、食事をする時とか、クリスマスと いった季節季節の集まりの時ぐらいでしかワインにはお目にかかる事はなかったかと思います。

それが、今ではワインの魅力にとりつかれ、 ちょっとワイン通に思われてみたいという願望 も味方して徹底的にコツコツと、生産地、ぶど うの種類、銘醸地、収穫年などによりこの料理 にはどのワインがいいだろうかなど、自分なり にワインノートを作ってきた。これを参考に、 日々の食事でのワイン選びのヒントをワイン通 気取りで書いてみたいと思います。

まず、その前にワインの種類についてですが、 1)赤ワイン2)白ワイン3)ロゼワイン4)スパークリングワイン があります。

赤ワインは黒ぶどうを潰してから果汁も果皮 も種も全て一緒に発酵させたもの。白ワインは 白ぶどうを絞って、その果汁だけを発酵させた もの。ロゼワインは、赤ワインと白ワインの作 り方とほぼ同じですが、浸漬する時間を短くし たり、赤ワインと白ワインをブレンドして作り ます。何となく気がつきましたか?

赤ワインは飲んでみると渋みや苦みがありま すよね!これは、果皮や種も一緒に漬け込むか らなんです。白ワインにはこの様な特徴はない ですよね。

『こんな事ぐらい、わかっているよ』と思っ ておられる方もいらっしゃるとは思います が・・・・

さて、次にワインに合ったブドウですが、ワイ ンを造るのに適した品種は、400 〜 500 種類は あるそうです。ただ、その中でも、普段、私達 が飲んでいるのは20 種類程度だと思います。代 表的な品種を上げますと、赤ワイン用品種とし て@)カベルネ・ソヴィニヨン A)ピノ・ノ ワール B)メルロー C)シラー D)グル ナッシュE)テンプラニーリョなど、白ワイン 用品種として、@)シャルドネ A)ソーヴィ ニヨン・ブラン B)リースリング C)セミ ヨン D)ピノ・ブランなどです。

それぞれが、味や香り色調あるいは産地、造 り手によって異なります。これらのワインを料理と組みわせる事によって、もっと食事が楽し めると思います。

でも、ひとりひとり嗜好も違うわけですか ら、料理とワインの相性もルールがあるわけで はないと思います。

一般的に魚料理には白ワイン、肉料理には赤 ワインと良く言われますが、魚料理のような淡 白な味を引き立てるには白ワインの酸味が効果 的で、肉料理の脂肪の味わいと赤ワインの渋み は良く引き立てあう効果があると言われていま す。しかし、食べたい料理に、飲みたいワイン を組み合わせる、もちろんこれが一番です。飲 む方の好みを優先させる事です。ただ、そんな 時、ワインなんか何でもいいというよりは、そ の料理の味や香りを引き立てるワインを知って いれば、食事がいっそう楽しくなると思います。

そこで、私の今までの経験からワインと料理 の組み合わせを簡単に紹介しましょう。

香りと色で合わせてみてはいかがでしょう か?ワインを余り飲み慣れていない方は少し難 しいと思いますが赤ワインの色調から渋みとボ リューム感がわかります。だいたい、ボリュー ム感が軽快なら渋みも軽快です。よって、ボリ ューム感と渋みは平行しています。ですから、 赤ワインの色調からは明るい色彩のものからし だいに濃い色彩になるにつれてボリューム感が 増し、渋みも強くなります。赤身の牛肉や魚 (マグロやカツオ)なら赤ワイン。白身魚や 鶏・豚肉には白ワイン。肉の色で選択すればい いと思います。濃い焦げ茶色の料理にはボリュ ーム感があり、渋みも強い赤ワインを合わせる といいと思います。トマトソースを使った料理 (肉・パスタ系)には軽めの赤ワインかロゼワ インを合わせるといいと思います。

また、白ワインは甘みと酸味のバランスが重 要で、ワインの色調も甘みが増して酸味が少な いと黄金色になり、ボリューム感が減って酸味 が多ければ薄いイエローの色調がかった緑色に なります。例えば、クリームやバターを使った 料理には、ふくよかな甘みが増して、酸味の少 ない白ワインをあわせるといいと思います。香 草を使った料理にはグリーンがかった薄いイエ ロー系のワインが合うと思います。ずいぶんと 大雑把ですが、意外に合います。また、中華や エスニック料理などには辛口のロゼワインなど とても相性がいいですよ。

しかし、慣れないうちは大変かと思います が、ワインは料理を合わせる事により、もっと もっと、食事が一層楽しくなり、料理もワイン も楽しみが広がっていくと思います。

最後にワインの温度についてですが、赤ワイ ンは冷やすと渋みが強くなるので常温がおすす めですが、冷やした方が好きという方は、それ はそれで結構かと思います。白ワインは、冷や せば冷やすほど酸味が強くなり甘みが弱くなる ので、例えば、レモンを絞って食べると美味し い料理には、よく冷やし低めの温度で、逆にク リーム系の料理には少し高めの温度(常温でも OK)でいいと思います。

以上、いろいろ勝手に私なりに書きました が、まずはトライしてみて下さい。料理の味や 香りを引き立てるワインを知っていれば、あな たは完璧です!