沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 7月号

琉球大学医学部附属病院院長 村山 貞之 先生

村山貞之先生

琉大病院の伝統を踏襲しつつ、最新の医療が提供できる病院としての発展を目指します。

Q1.この度は、琉球大学医学部附属病院長ご就任おめでとうございます。現在の率直な感想をお聞かせ下さい。

実は、須加原現医学部長が病院長から任期半 ばで学部長に就任され、その後、心の準備もな く慌ただしく私が病院長に就任することになり ましたので、就任当初は面食らっておりまし た。2004 年の国立病院法人化後の琉大病院の かじ取りは瀧下先生、須加原先生が病院長とし て指揮されてこられ、私は、この間病院執行部 として微力ながら働いてきましたので、まず は、これまでの病院の方針を踏襲しなさいとい うことであると認識して、なんとか役目を果た していこうと、自分を元気づけている今日この 頃です。

Q2.来年度には、「沖縄クリニカルシミュレー ションセンター」が設置され更なる研修体 制の充実が図られることと存じますが、村 山病院長におかれましては、今後どのよう な病院運営を目指されるのか、抱負を含め てお聞かせください。

抱負というより、今年度遂行しなければなら ないことが山積みですので、それを意識した毎 日を送っています。すなわち、昨年から決まっ ていた、県内の主要な臨床研修病院が参加した クリニカル・シミュレ−ションセンターの大学 病院内設置、サイクロトロン・PET-CT によ る機能画像診断センターの設置、卒後臨床研修 センターと血液浄化部を拡充し移設するための 鉄骨2 階建て施設の建設をつつがなくやり遂げ ることが、さしあたっての私の仕事だと思って います。また、病院再開発、すなわち10 年後を 見据えた病院の改築・新築の準備も今年中には 方向性を出さなければならないと思っています。

病院長になって最初に手をつけさせていただ いたのは、病院機能の充実のために、この4 月 から新たに医療福祉支援センター(連携室)、 安全管理対策室に専任医師のポストを設けたこ とです。さらに現在、過酷な勤務医の労働環境 や待遇の改善が施策として求められていますの で、それを意識した病院運営にも心がけていき たいと思っています。

Q3.東日本大震災の発生からすでに3 ヶ月以 上経過しています。沖縄県における災害対 策とその中における琉大病院の役割につい てお聞かせ下さい。

最初に、未曾有の大惨事となりました東日本 大震災に被災された皆様のご親族、関係者の 方々にお悔やみ、お見舞いを申し上げたいと思 います。わが病院からもDMAT メンバーを早期に派遣したり、精神科医、薬剤師など多数の 琉大病院に勤務されている方々が、援助に行か れました。医薬品など物的支援も早期から行っ ております。現在は、被災地もやや落ち着きを 取り戻している状況と思われますが、現在の琉 大病院の取り組みとしては、九州の大学病院ブ ロックの一員として、岩手県への長期的医師派 遣に向けて待機中であります。また、放射線の 土壌汚染の計測の依頼に対して、最近福島県に 派遣いたしました。

Q4. 先生には6 月23 日から沖縄県医師会理 事にご就任いただいておりますが、県医師 会に対するご意見・ご要望がございました らお聞かせください。

私は現在まで10 年ほど沖縄県医師会代議員 を務めて参りましたが、会議に出席する以外 は、あまり活動に参加しておりませんでした。 しかし、議事の内容については認識しており、 医師会の活動に感服しておりました。これから 理事の仲間入りをさせていただくわけですの で、しっかり役割を果たし、沖縄県の医療の発 展に尽力したいと思っています。

これは、私見ですので、的外れなことを言い ましたらお許しください。琉大病院の病院長は 琉大病院医師会の会長も併任します。この琉大 病院医師会は、所在地が西原町で中部の南端、 南部の北端であるためか、地域の医師会での 色々な連携会議にお声がかからないことが多か ったと認識しています。是非、どちらの地区の 会議の一員にもしていただいて、地域医療連携 に尽くしたいと思っておりますので、よろしく お願いいたします。

Q5.最後に日頃の健康法、ご趣味、座右の銘等がございましたらお聞かせ下さい。

日頃の健康法は、特にありませんが、家では 油ものを控えるなど食生活には気をつけていま す。最近運動といえば、たまのゴルフぐらいで運 動不足になっているのを気にしています。昔行 っていたウォーキングを今年こそは復活させねば と思っています。趣味は、野鳥観察とやきもの 鑑賞・収集です。画像診断医のせいか、美しい もの、見事なものを見ることに対する執着が強 いようで、仕事の疲れを忘れさせてくれます。

座右の銘は、敬天愛人。自分は鹿児島生まれ なので、西郷隆盛に対する憧憬が小さい頃から あり、西郷さんのように生きたいものだと常日 頃思っています。

この度は、インタビューへご回答頂き、誠に有難うございました。

インタビューアー:広報委員 金谷文則