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沖縄県医師会医学会分科会産婦人科学会

青木陽一

沖縄県医師会医学会分科会産婦人科学会会長
青木 陽一

沖縄県医師会医学会分科会として産婦人科学 会に常日頃より、多大なるご支援を賜り、感謝 申し上げます。

産婦人科分科会は分科会の中で最も古く、他 の分科会に先立つこと10 年、昭和29 年6 月の 設立で、会員数は順調にその数を伸ばし、平成 23 年5 月現在200 名を超えております。歴代 諸先輩の偉大さに、ただただ感服させられるば かりです。歴代会長は川平昌晄先生、竹中静廣 先生、中山道男先生、金澤浩二先生と引き継が れ、平成18 年4 月からは、私がその責務を担 当させていただいております。

産婦人科学会は、沖縄産科婦人科学会と沖縄 県産婦人科医会の連携により、産婦人科の日常 診療に関わる問題、学術的事項等の事業を行っ ております。学術的事業として、年2 回の沖縄 県医師会学会への参加はもとより、年1 回の学 術集会の開催と学会誌の発行、日本産科婦人科 学会の産婦人科専門医取得・維持のための定例 研修会を1 か月に1 回のペースで開催していま す(表)。学会誌は年々投稿数、掲載論文数も 増え、特に後期研修医の先生の投稿も非常に多 くなっています。これは、産婦人科専門医受験 資格要項に筆頭著者としての論文が加えられた 影響もあるかと思います。会員の活発な論文執 筆、学会発表という学術活動への参加、沖縄県 の産婦人科の学術向上の一助としています。登 録事業として、婦人科悪性腫瘍登録、絨毛性疾 患登録を県内の先生のご協力により行っていま す。昭和61 年1 月から絨毛性疾患地域登録が 始められ、沖縄県における絨毛性疾患の実態把 握に大いに貢献しています。婦人科悪性腫瘍登 録は平成18 年から開始しましたが、すでに4 年間の登録が集計され、非常に貴重な統計であ り、今後さらに、その重要性が増すと思いま す。沖縄の産婦人科学術レベルが、さらに向上 するよう努力していく所存であります。

県医師会からは、産婦人科医療を円滑に行う ために常日頃よりご支援、ご指導をいただいて おります。

県医師会母体保護法指定医師審査委員会で は、母体保護法指定医師の審査を、ほぼ毎月し ていただき、母体保護法に則った産婦人診療の 遂行のためにご援助をいただいております。

産婦人科医師不足の問題に関しても、平成 18 年度の県開催の沖縄県産科医療連携等検討 会での産婦人科医療の集約化及び連携について の報告書作成に対して、医師会から貴重なご意 見を賜ったこと、また平成19 年度には医師会 開催の産婦人科医師確保に関する懇談会、さら に今年に入っても離島・僻地医療での産婦人科 医確保に関する懇談会でも、親身にまた真剣に ご討論いただき、方向性をしっかりと示してい ただいたこと等、大変心強いご支援を頂いてお ります。

産婦人科医師の充足状態、安定感はまだ不十 分ではありますが、より安定した産婦人科医師 の充足を満たすためには、近年その比率が著し く上昇している女性医師の継続就労、復帰支援 は非常に大切なことであります。女性医師の継 続就労、復帰支援に関して、県医師会女性医師 部会からは、女性医師バンクをはじめ、産休、 育休期間の女性医師のための就労継続・復帰の サポートについてご支援、ご助言を頂き大変感 謝しております。

周産期医療に関しても、沖縄県は県立病院2か所に設置された総合周産期母子医療センター を中心に大学病院を含め、本島内の5 施設の NICU を有する病院が沖縄県周産期ネットワー ク協議会を形成し、母体搬送・新生児搬送を円 滑に行い、沖縄県全体の周産期医療は連携が非 常に上手く行われていると思います。この協議 会設立においても医師会からご助言、ご支援を 頂きました。

産婦人科事業の運営において、医会と学会は その駆動のための大きな両輪であり、医会・学 会の合同理事会、合同講演会等、密に連絡を取 り合い、事業をすすめております。さらに今回 一部ではありますがご紹介した県医師会からの ご支援でもわかりますように、その事業推進の ためには、県医師会のご指導、ご尽力は欠くこ とのできないものであります。沖縄県の産婦人 科医療がますます発展・向上するよう、これま でのご支援に感謝申し上げるとともに、今後も ご指導の程、よろしくお願いいたします。産婦 人科学会といたしましても、学究的・学術的で 活気に満ちた産婦人科医療が沖縄県に提供でき るよう、さらに頑張る所存であります。