沖縄県内科医会会長 伊集 守政
沖縄県内科医会は、「会員の生涯教育、地域 医療、医療経営、医政についての研究及び会員 相互の親睦を図る」ことを目的として設立され ております。
現在、会員数は150 名で開業医が85 %、勤 務医が15 %の割合です。執行部は会長、副会 長、理事8 名、監事2 名で構成され、会長の任 期に合わせて2 年に1 回、総会を開催しており ます。毎月1 回、定例理事会を開催し、生涯教 育の企画等会務の運営が協議されております。
医会の歴史を振り返ってみると、昭和40 年 4 月、沖縄県内科医会の前身である沖縄内科会 が57 名の会員で発足しておりますが、本土復 帰前でまだ現金給付保険の時代でした。島内に 医科大学はなく教育病院的施設も限られ、厳し い医療環境でしたが、医療の質を担保する為、 開業医が中心となり、内科会が設立されており ます。当初から本土の大学病院等より各分野の 専門家を講師として招き、研究会活動が精力的 に行われていた事が記録に残されております。 当時は、殆どの開業医が入院室を持ち、患者さ んの転帰が完了するまで診ており、従って、内 科医には総合的な医療が求められ、医会活動も そのような方向性で取り組まれておりました。
設立より半世紀近くが経過した現在、内科医 会の会員数は150 名となっておりますが、殆ど の会員は他の学会にも属しており、医会を預か る執行部としては、如何にして会の独自性を発 揮し、会員にとってメリットのある運営を行う か知恵を絞っているところであります。
その中で、「生涯教育の充実」を最も大切な 会務と位置づけ、3 人の担当理事を配し、臨床 に直結した独自性のある講演会、技術講習会な ど企画しております。最近の新しい試みとして は、糖尿病診療を中心とした「症例検討会」を 定例理事会後に実施致しております。また、 「沖縄県内科医会季刊ニュース」を発刊し、会 員施設から病院へ紹介された症例について、毎 号一例、連携病院の担当医師による「病診連携 症例報告」を掲載し、会員の診療にリアルに反 映できるよう努めております。
内科医会の活動として、県医師会関連では、 年2 回開催される医学会総会の特別講演、シン ポジウム、ミニレクチャー等のテーマの提案や 座長の推薦。社保・国保の診療者代表保険審査 員の推薦や沖縄県行政関連の各種委員等の推 薦。県医師会誌の原稿執筆者、新聞の医学関連 記事の執筆者の推薦。
さらに、沖縄県内科医会は日本臨床内科医会 の県支部としての活動もあり、日臨内の「イン フルエンザの予防・診断・治療に関する全国調 査研究」等への参画や「日臨内専門医・認定 医」の第一次審査の実施、日臨内医学会総会で の演題発表も積極的に行っております。
毎年1 回持ち回りで開催される九州各県内科 医会連絡協議会(九内協)、九州各県内科審査 委員懇談会(九内懇)への参加も重要な会務の 一つです。九内協は医療保険等広く国の医療制 度に関わる事を討議し、九内懇は保険審査に関 して、各県の社保、国保の審査状況を事例に則 して協議しております。事後に会議録を当会の 会員、県医師会、社保、国保の審査委員会に配 布致しております。
以上、内科医会は、会員の診療支援や会員間 交流の為、幅広い活動をしておりますが、会の 活性化の為には、若い医師の入会が必要です。 勤務医の先生方、特に近い将来開業を考えてい る方、内科標榜の開業医の先生方、ご入会を宜 しくお願い致します。沖縄県内科医会は、日本 臨床内科医会とセット入会となっておりますの で、当会に入会すれば、日臨内会誌が年4 回と 日臨内ニュースが年6 回届けられます。会誌や ニュースは臨床医にとって非常に役立つ内容と なっております。
最後に、県医師会執行部への要望ですが、各 分科会は学術団体しての県医師会を側面から支 えて活動しております。しかし、十数年以上も 据え置かれたままの現行の助成金では充分な活 動はできません。分科会の位置づけをしっかり と行い、各分科会の活性化の為、更なる人的、 物的なご支援をお願い致したい。