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平成22年度 沖縄県医師会医療安全対策講習会
〜医療の質・安全の向上に向けての新たな展開〜

久田友治

琉球大学医学部附属病院手術部
久田 友治

標記講習会が2 月27 日(日)13 時より、沖縄 県医師会主催(共催:沖縄県歯科医師会、沖縄 県看護協会、沖縄県薬剤師会、沖縄県臨床工学 技士会)で沖縄県医師会館3 階ホールにおいて開 催された。今回の講習会の目的は、各医療団体 が取り組んでいる医療安全の対策について発表 し、団体間の情報共有を図り、全ての医療従事 者が、それぞれの立場から医療の質・安全の向上 を目指すことである。日曜日の午後にも拘らず、 参加者総数は計201名であり、職種別では、医師 26 名、歯科医師6 名、看護師84 名、薬剤師32 名、臨床工学技士8 名、その他45 名であった。

始めに東北大学の上原鳴夫先生が、医療安全 全国共同行動についての基調講演を行なった。 配分された時間では足りないくらいの盛り沢山の 内容であり、参加者に深い感銘を与えた。なお、 この共同行動の内容はウェブ上で是非ご覧いた だきたい。(http://kyodokodo.jp/index.html)

次にシンポジウムが行われ、沖縄県医師会、 沖縄県歯科医師会、沖縄県看護協会、沖縄県薬 剤師会、沖縄県臨床工学技士会の代表がその取 組みについて報告し、続いて参加者を交えて討 論がなされた。その詳しい内容については次の 機会に譲り、ここでは割愛させていただく。

終了後の参加者のアンケートから、幾つかの お声を下記に記載する。

・看護師:通常は医師、看護師からの報告しか 聞く機会がないが、今回は歯科医、薬剤師、 臨床工学技士の話を聴けて有意義であった。

・看護師:上原先生の講演もわかりやすく、勉 強になりました。医師の協力が得にくく、苦 慮しています。事故後の対策ではなく、未然 の防止対策という視点で、レポート分析の積 み上げによるスクラム構築が大切。レベル0 〜 1 のレポートを提出するとの意識付けを医 師会にもお願いしたい。

・薬剤師:各職種の医療安全に対する姿勢に頼 もしく嬉しく思った。ただ、事例紹介をたん たんと示されている面もあった。

・薬剤師:病薬としての取り組みも聴きたかっ た。今後も企画して頂ければと思う。

・事務員:聴かせて頂く中で、自院の不十分な 点に気づかされた。

沖縄県医師会医療安全対策講習会

総合司会:沖縄県医師会常任理事 稲田 隆司
主催者代表挨拶:沖縄県医師会副会長 玉城 信光

基調講演

座長:琉球大学医学部附属病院安全管理対策室副室長
久田 友治

「医療安全共同行動“いのちをまもるパートナーズ”に参加しよう
―これまでの成果と2011 の目標について」
東北大学大学院医学系研究科国際保健学分野教授
共同行動企画委員長 上原 鳴夫

シンポジウム

「各医療団体における医療安全の取り組みと今後の課題」
座長:琉球大学医学部附属病院安全管理対策室副室長
久田 友治
沖縄県医師会理事 當銘 正彦

<シンポジスト>

「沖縄県医師会における医療安全の取り組み」
沖縄県医師会常任理事 稲田 隆司

「沖縄県歯科医師会における医療安全の取り組み」
沖縄県歯科医師会専務理事 真境名 勉

「沖縄県看護協会における医療安全の取り組み」
沖縄県看護協会医療看護安全対策委員長 伊藤まゆみ

「沖縄県薬剤師会における医療安全の取り組み」
沖縄県薬剤師会理事 糸嶺  達

「沖縄県臨床工学技士会における医療安全の取り組み」
沖縄県臨床工学技士会理事 小田 正美

<コメンテーター>

東北大学大学院医学系研究科国際保健学分野教授
共同行動企画委員長 上原 鳴夫

(敬称略)