常任理事 真栄田 篤彦
去る1 月27 日(木)、県医師会館において標 記会議が開催されたのでその概要について報告 する。
冒頭、宮城信雄会長から下記のとおり挨拶が あった。
挨 拶
沖縄県医師会 宮城信雄会長
皆さん今晩は。日常 の診療でお疲れの中、 第2 回地区医師会長会 議を開催いたしましたと ころ、ご出席いただきあ りがとうございます。
現在インフルエンザ が非常に流行っております。ただ、ピークは過 ぎたとの話もあります。今日の新聞では、残念 ながらお二人が亡くなられたと報道されており ます。インフルエンザが流行っているからとい う訳ではないかと思いますが、急性期病院が大 第2 回地区医師会長会議 常任理事 真栄田 篤彦 変な状況になっており、入院を受け取ることが できないようです。そのため、先週の金曜日に 当会館において県の主催による会議が開催され 状況把握が行われております。県立南部医療セ ンターこども医療センターの問題だけかと思い ましたら、話を聞くとどうも急性期病院全てが そういう状態になっているとのことです。中部 のある病院ではベッド稼働率が110 %を超して いるとのことですし、浦添の病院では救急の外 来と病棟が「入院させる、させない」で厳しい やりとりが行われているとのことです。この問 題については、県と協力しながら対応してまい りたいと考えております。
医療崩壊ということで、前政権において地域 医療再生基金が出され、医師会を中心に立てた 計画が認められて実行段階に入っているところ でありますが、最近、二次募集がかけられてお ります。3 次医療圏に無条件で15 億円が出さ れるとのことで、現在県において計画を取り纏 めているようでありますが、各地区医師会も医療再建についての計画を是非出して頂きたいと 思います。県医師会としてそれを纏めて県に提 案したいと考えております。本日はその他を含 めて議題が5 題あげられており、是非討論を深 めて頂きたいと思います。
議 題
鍛司常任理事
<提案内容>
各種講演会や懇親会 など、那覇市内のホテ ルで開催されると北部 からでは交通混雑など で時間に間に合わない ことがある。県医師会 館だと一部の混雑はあ るが交通のアクセスがよい。更に、製薬会社と しても研修会などは軽食でよく経費節減になる と思う。
以前に会費検討委員会で議論したことがある が、会費の値下げの提案があり、医師会館を利 用することにより従来ホテルを使用していたの に比べ大幅に経費削減ができるとの意見があっ た。また、年齢がいくと読書は目が疲れるの で、スライドや講師による勉強会への参加が有 効である。できるだけ県医師会館を利用して頂 くよう要望する。
<回答>
○沖縄県医師会
真栄田常任理事
平成22 年度4 月から 1 2 月までの実積とし て、会館以外での本会 の大きい催しは、県民 を対象にしている県民 公開講座は除かせても らうと、叙勲等祝賀会 が2 回、永年勤続医療 従事者表彰式、新年祝賀会の合わせて4 回であ る。永年勤続表彰式は本会の支出となるが、叙勲等祝賀会は参加者から会費を徴収している。 また、新年祝賀会も会費を徴収しており、本会 からの支出は少ない。
会館の利用実積は、平成21 年度はホールの 使用が128 回、会議室の利用は409 回である。 平成22 年度4 月から12 月までのホールの使用 は113 回、会議室の利用は352 回である。メー カーなどにも本会館を優先して使ってもらって いる。参加者が多く、会館で収容できない場合 や食事が必要な時はホテルを使っているという 状況で、以前に比べホテルの利用は大幅に減っ ている。また、叙勲等祝賀会についても受賞者 が中部地区の場合はラグナガーデンホテルを使 用する等考慮しているのでご理解いただきたい。
○沖縄県医師会(宮城会長)
当初の会館建設の目的は、医学会総会ができ ること、複数の委員会が同時に開催できること であったが、それ以上の利用がある。しかし、 メーカー側は食事をつける時にはホテルを使用 することもある。
名嘉勝男会長
<提案内容>
南部地区では以前か ら2 〜 3 の施設の先生 が入会しておらず、開 設間もない時期に班長 や歴代会長が入会を促 してはみたものの、進 展はみられなかった。
昨年12 月1 日現在の日医会員数が、戦後初 めて減少に転じたとの報道があったので、南部 地区の事務局に確認したところ7 診療所が非会 員施設であることがわかった。
全員が入会すれば統制のとれた活動ができる し、医師会活動の効率性も高まる。また自治体 との交渉もやりやすくなる。原中日医会長は、 保険医登録の時に入会するような方策を働きか けていくことを表明されたが、弁護士会のよう にある程度強制的に入会するようになれば医師会の力が強くなると思う。
そこで、各地区の非会員施設の現状及び入会 促進活動について伺いたい。また、県医師会に おいては、診療所、B ・C 会員の入会率を把握 しているかご教示願いたい。
<回答>
○北部地区医師会
診療所2 件が未加入である。1 件は開業した てである。あと1 件は入会していたが途中で脱 会している。B 会員はほとんど加入しているよ うだ。
○中部地区医師会
呉屋五十六常任理事
中部は210 施設あり、 未加入は1 9 施設で約 10 %である。入会のお 願いをしているがうまく いかないようである。退 会した先生もいる。未 加入者の内、なぜか心 療内科が36 %と多い。
○浦添市医師会
山内英樹会長
本会は新しい医師会 でもあるし入会率は 100 %と思っていたが、 今回調べたところ84 施 設のうち、メガネ店の 附属診療所1 件が未加 入であることがわかっ た。全く把握していなかった。
この件とは違うが、ご意見を伺いたい。
病院から新設の老健施設に移った場合の入会 金の扱いである。今回は入会金をいただいた が、今後もこのような異動があるかと思う。
また、1 つの法人で複数の診療所をもってい て、各施設間の院長(管理医師)交代という複 雑なシフトがある。この場合の入会金をどうす るかということである。想定していなかったこ とであり、今後各地区でもあり得るかと思うの で、新たな構築が必要だと思う。ご教示、ご検討をよろしくお願いしたい。
○沖縄県医師会(宮城会長)
これは入会金の問題であるが県医師会で検討 しないといけない。老健施設の場合、取ってい る地区も取らない地区もあるようで対応が地区 により違う。沖縄の場合統一した見解がない状 況である。県医師会として調べて回答したい。
○那覇市医師会
246 施設加入で4 施設が未加入である。A 会 員については高い加入率を維持している。開業 の時にすぐにアプローチし、那覇市の行政と係 わる事業も説明しながら入会した方がメリット があることを話している。新規開業の先生方に は一人ずつ会長がオリエンテーションを行い、 医師連盟についても説明し了解をとっている。
○宮古地区医師会
現在の会員数はA 会員が26 名、B 会員は12 名である。32 施設のうち6 施設が入会していな い。新規開業で入会しない施設がある。3 件は 脱会である。機会あるごとに入会のお願いをし ているが入会率が悪く申し訳ない。
○八重山地区医師会
上原秀政会長
2 年前までは入会金を 徴収していなかった。会 費は月額A 会員12,000 円、B 会員は7,000 円で ある。経営上入会金を 取る必要があるとのこと で議論したが15 万円な ら入会しない、また、メ リットをはっきり説明してほしいと言われた。 現在、入会金は5 万円である。よって、脱会者 はいないがはたしてそれで良いかということで 新たな議論がでている。
未加入は3 件だが、2 件は老健施設で以前は 入っていたが医師が替わってから入っていな い。また、1 件は皮膚科で医師が2 年ごとに替 わるから入っていない。今後検討の余地がある というところである。
○那覇市立病院医師会
喜屋武幸男会長
医師は常勤、非常勤 を合わせて120 名おり、 医師会に加入している のは60 名弱である。毎 年3 分の1 の医師が入れ 替わる状況であるので 積極的な勧誘はしてい なかった。今回の提案 を受け4 人の理事で話し合い、次回の医局会で 入会促進をすることになっている。その際メリ ットをどう説明するかということであるが、会 内の動きを知らせてできるだけ入会の勧めをす ることになった。
○県公務員医師会
當銘正彦理事
県公務員医師会の会 長が欠席の為、小生の 方から本会の状況をご 報告させて頂きます。
中部病院と南部医療 センターの医師は8 割が 公務員医師会に入会し そのまま県医師会にも 入会している。先島は4 割程度である。先島へ は琉大からの派遣医師と県立から派遣する研修 医がいるが、1 〜 3 年で異動するから入らない のが原因である
加入が8 割を維持しているのは、県医学会で 発表するには会員であることが基本条件である ことが加入率を上げている要因だと思う。この ようなことは他府県にはないとのことである。 このコンセプトが定着しているのがよい。
○沖縄県医師会(真栄田常任理事)
各地区から入会はあがってくるので本会では 特に入会促進はしていない。鹿児島県医師会は 加入率が高い。会員のためのガイドブックを作 成しており、特に注目すべきは医学部学生のオ リエンテーションに配布し入会促進しているこ とである。各地区医師会がこれを参考に利用し てはいかがかと本日は紹介した。
○南部地区医師会
地区医師会は開業する先生を呼んで説明して いる。県医師会として、メリットや県医師会案 内冊子を作って各地区へ配布すればもっと強力 にアピールできると思う。
○沖縄県医師会(真栄田常任理事)
協同組合は以前作っていたが、県医師会でも 案内冊子を作ることを検討したい。
○沖縄県医師会(宮城会長)
4 月に行われる琉大オリエンテーションで配 布できるようお願いしたい。
○沖縄県医師会
宮里善次理事
日医の勤務医の加入 率は6 割しかない。日医 でさえも入会の案内が ホームページにない。若 い勤務医はホームページ をすぐ見るので、ガイド ブックを地区におろすよ りホームページに載せる 方がよいと思う。
○沖縄県医師会
照屋勉理事
1972 年からの会員数 の推移を今回発行する 会史に掲載するが、グ ラフを見ると会員数は 順調に伸びている。C 会員は少し減少してい る。加入率がわかれば もっと入会促進の取り 組み方、努力目標が出てくるのではないか。
○沖縄県医師会(宮城会長)
加入率が問題である。人数と加入率を把握で きる方がよい。
(本会の加入率について、事務局より報告: 平成2 0 年1 2 月末現在の沖縄県の医師数は 3,115 人で本会の会員数は2,243 人で加入率は 72 %である)
しかし、医師数は把握できないこともある。 毎年100 人近く増えていることになると全国平 均をかなり上回っていると思う。ただ研修生が増えていると思うので考慮する必要がある。県 で把握している医師数は保険医登録数であるか ら、本土への移動などでも届け出ないこともあ るから正確な数字ではないと思う。今後いろい ろな意見を取り入れて加入率を上げたいと考え ている。
池村眞会長
<提案内容>
菅政権になってから 消費税の増税が現実味 を帯びてきている。会員 の一部から日本医師会 や医師連盟は消費税問 題にどのように考えてい るのか質問がでた。薬 剤・医療機器・医療材料など診療報酬に消費税 が反映されているのか質問をさせていただいた。
これに対して、担当の佐久本理事から日本医 師会のこれまでの対応について、つぎのとおり 報告があった。
<回答>
○沖縄県医師会
佐久本嗣夫理事
政府は、社会保障と 税の一体改革を進める にあたって、6 月までに 政府案をまとめ、超党 派による協議により12 月には2012 年度の税制 改革大綱を策定し、予 算案と関連法案を国会 提出予定である。
一方、日本医師会の対応については、平成 23 年度医療に関する税制改正について、平成22 年8 月に政府与党に要望書を提出した。こ の中で「消費税」については、日医が従来から 第一の要望として挙げていた損税いわゆる「控 除対象外消費税」の問題で、「軽減税率」ある いは「ゼロ税率」という複数税率の考え方を要 望していたが、平成21 年12 月の政府税改正大 綱の中で否定的な意見が明確に示され、日医は これまでの考え方を改め平成23 年度の要望の 中で「仕入税額控除が可能な課税制度」とし、 かつ「患者負担を増やさない制度」とするよう 要望をしている。
また、この消費税の問題については、昨年 10 月には四病院協会と連盟で同様な要望を政 府に対して行っている。
また、昨年12 月15 日の定例記者会見の中 で、民主党の「税と社会保障の抜本改革調査会 『中間整理』を受けて、日医は、消費税の目的 税化に慎重な姿勢を示すとともに問題提起を行 っている。
中川副会長は「消費税をあえて目的税化せ ず、現在の福祉目的化という緩い仕組みにし て、仮に、消費税の目的税化が、将来の社会保 障費抑制をするものであれば、日医はその方向 性に反対である」として、国・地方の消費税の 配分や社会保障の役割分担まで踏み込んだ議論 をするべきあるとしている。
今村常任理事は、「制度が複雑になり、政治 的な要因が働きやすい『複数税率(軽減税率・ ゼロ税率)』よりも、制度が簡素で、透明性の 高い『還付制度』を優先的に検する」ことにつ いて、「日医の提案は、民主党の調査会の方向 性と同じであると考えている。したがって、消 費税を上げていくということであれば、この方 向性で早急に解決を図っていただきたい」と要 請をしている。
このように、日医執行部は政府に対して、平 成23 年度の医療に関する税制改正の要望の中 で消費税についても重点項目として取り上げ、 強力に働き掛けを行っているところである。
今後、政府が進める「社会保障と税の一体改 革」に関する政治日程も睨みながらさらに関係機関に働き掛けを強めていく必要があろうかと 思われる。
本会としても、日医はじめ九医連とも連携を 蜜に取りながら税制の改正に向けた対応を進め ていきたいと考えているので、その際はご協力 をお願い申しあげる次第である。
○沖縄県医師会
玉城信光副会長
日医の検討委員会の 中で、消費税が3 %と して作られたときに、 日医は消費税を診療報 酬に掛けないとした。 その見返りとして診療 報酬で補填をするとい うことで、3 %は診療報 酬に含まれていたが、それが診療報酬が下げら れている間に次々に無くなってしまった。逆に 損な状態になった。診療報酬が上がるのであれ ば、3 %から5 %の消費税は吸収できたと思う。 日医の税制検討委員会で、自民党の時代から患 者さんに負担を掛けないためにはゼロ税率を診 療と報酬に掛けてもらえれば自分たちの支払っ た税は還付できるが、掛けないと言ってしまっ たから、どこにも行き場が無くなって、次の税 制改正のときは約束を自民党でも民主党でも行 っている。ただ、食料品や医療にはどのくらい の税を掛けるかは最終的な判断で、必ず税を掛 けるという方向でないと病院は年間何億という 損失を出して、税負担をカバーするために一生 懸命働かなくてはならないという矛盾は共通認 識で持っていると思う。
○沖縄県医師会(佐久本理事)
日医がこれまで第一に要望していた「軽減税 率」や「ゼロ税率」の見直しについて、税制大 綱の中でも否定的な意見がある。また、制度が 複雑になるという理由で、今回見直しを行っ た。還付制度にした方がクリアになるのでいい のではないかとしている。
目的税にしないという理由について、目的税 にすると消費税だけで社会保障費を賄えるとは 思えない、したがって財源不足になるとさらに 増税をせざる得ない。そこでもう少し緩い考え 方で福祉目的化という仕組みにした方がいいと している。財源が足りない場合は他から持って これるような緩いニュアンスがある。
○沖縄県医師会(玉城副会長)
日医の税制検討委員会には、国税の出身者も 入っているし、病院事業を見ている公認会計士 もたくさんいる。
政府の税制委員会に入っている先生方もい る。これでバランスを取りながら日医はそのよ うな形で議論をしている。したがって詳しい内 容になっている。高度な議論をしている。消費 税以外に医療は大きな恩恵を受けている。トー タルで、消費税のときこれらが全部切られたら 困るということで総合的な形で税制を検討して いる。
○沖縄県医師会(佐久本理事)
現状だと消費税は5 %であるが、現在の社会 保障費を全て賄うと全てが国税になったとして も9 %必要となるが、今の消費税の配分率を国 税の中でも国と地方分があるが、その配分率を 考慮すると12 %まで上げる必要があると、こ れを消費税だけで確保することはできないと思 おう。
目的税化にしてしまうと、消費税というルー ルからするとすぐ下げられるというデメリット もある。上げる場合に国民から反対があった場 合は下げられてしまうということで一元的にや られてしまう。目的税にするとそういうデメリ ットがある。
真栄田常任理事より概ね下記のとおり説明が あった。
昨年の日本医師会長選挙において立候補者が 3 名いたが、その際全出席代議員の3 分の1 プ ラスαの得票にも関わらず新会長が新任される ことになった。そのため今後、県医師会でも複 数名の会長候補者が出た場合のことを想定し、 これまで定義していなかった会長選挙に関する 条文を下記のとおり15 条として新たに役員選任規定に追加したいと考えている。
第14 条 選挙の結果、有効投票の最多数の 得票を得た者をもって当選者とする。ただし、 最多数の得票を得た者が2 人以上あるときは、 抽選で定める。
第15 条 会長の選挙においては、有効投票 数の2 分の1 以上の得票を得なければならない。 ただし、2 分の1 以上の得票を得た者がいない ときは、上位2 人をもって候補者とし、再投票 を行う。
2前項において、最初の投票で2 位の候補者 の得票数が同数のとき、又、再投票において2 人の候補者の得票数が同数のときは、抽選で定 める。
協議した結果、趣旨については了解が得られ たが、上記条文では解釈しづらい点があること から、法律に詳しい弁護士等に相談した上で修 正を行うことになった。
1)国立療養所宮古南静園の園長について
国療沖縄公務員医師会の石川先生が急遽欠席 となったため、宮城会長より、国立療養所宮古 南静園長が空席の状態が続いるとのことで、情 報があればご石川先生にご連絡いただきたい旨 の説明があった。
○宮古地区医師会
前任の園長が8 月に突然異動になり、その後 任を探しているところである。何人か候補に上 がったが本人に断られたとのことである。本日 の時点で全く進展していない状況である。その ため、現在は愛楽園の山内先生が併任というか たちで週1 回ほど南静園に来ている。宮古病院 あるいは医師会の先生方も診療の応援に行って いる状況で、この状態は当分続きそうとのこと である。