Don't be afraid to do things differently from others.
3C's ; Cooperation, collaboration with competition.
Q1.昨年4 月に医学会長にご就任され、医学 会総会の企画・開催等にご尽力されておら れますが、感想・抱負をお聞かせください。
医師会活動だけでなく医学会も発表や座長等 の参加以外は積極的に関わっておりませんでし たので沖縄県医師会医学会長就任依頼は私にと って晴天の霹靂でした。就任後はまず組織の仕 組みや運営について勉強する必要がありまし た。本会の原型は1903 年(明治36 年)の沖縄 県医会に始まり以後時代の変遷の中で解散と設 立があり現在の会の始まりは1951 年(昭和26 年)の沖縄群島医師会の設立に伴って開催され た第1 回沖縄群島医学会(南風原朝保会長)と されています。その後諸先輩の努力により現在 の参加分科会は21 となっています。ほとんど の医療分野を網羅しており全国的にみてもユニ ークな存在となっています。運営は分科会長会 議の審議の後医師会理事会の承認を経て決定さ れています。医学会総会の開催要項、会頭、講 演者、座長の選出なども分科会長会議で討議決 定されます。就任以来2 回の総会を開催しまし たが須加原、田名両副会長の適切な補佐と各分 科会長と玉城医師会副会長のご指導に感謝して おります。また運営や会の在り方、歴史につい て知るに従いすべての会員にも知っていただき 積極的な参加をお願いしたいと強く思うように なりました。モットーは簡単、楽しく、ために なるです。
Q2.本会の医学会総会は、年2 回の開催に毎 回あらゆる診療科の医師より200 題前後の 演題を集め、他県にも類を見ないハイレベ ルの医学会であり、県医療界全般の資質向 上に大きく貢献しておりますが、今後の展 望等についてお聞かせください。
今後については学術的な面と運営の面につい て配慮する必要があります。学術では研修医の 最初の発表の練習としての役割の深化や開業さ れている先生方の発表数の増加への取り組みな どがあります。また個人的な意見ですが本土か らの講演者だけでなく沖縄への留学生やアジア 諸国からの招請講演、“世界のうちなーんちゅ 医師大会”なども考えられます。昨年北京で講 演した際に“世界の中国人医師睡眠フォーラ ム”が同時に開催されていました。運営では現 在各分科会の事務局を医師会内部に設置するか が提案され検討されています。各先生方の積極 的な提案を歓迎します。
Q3.県医学会は全科の診療所や勤務医の先生 方が一堂に会する場として、交流・連携の 場としても活用できる良い機会と思いますが、何か「連携コーナー」のようなものの 設置は如何でしょうか。
非常に良いご提案と思います。医学会は学術 だけでなく情報・意見交換も大きな意味があり 特に専門分野の違う領域や医師同士の交流も大 切で談話室や連携コーナーも重要と思われま す。幹事会や分科会長会議等で検討し早急に結 論が出せるように努めます。
Q4.細かい点になりますが、一般演題はポス ターが主体で、科によっては長時間の立ち っぱなしを余儀なくされていますが、座っ て聴講等、工夫の余地はありましょうか。
スペースの問題もありますが工夫の余地があ ると思いますのでこれも調整したいと思いま す。ご提案ありがとうございます。
Q5.本会または日本医師会へのご意見・ご要 望がありましたらお聞かせ下さい。
医療はチームでないと質の向上は望めませ ん。医師は治療の技術的なことだけでなく医療 におけるリーダーとしての役割の自覚と他の専 門職との連携についての教育や研修も必要では ないかと思います。また介護や福祉・保健など の社会資源の活用についてももっと理解し活用 できるようになると良いと思います。その意味 では医師以外の医療あるいは健康専門職(個人 的にはコメディカルという表現は避けたい、日 本独自の表現で英語にもない)の参加や市民講 座の同時開催など将来の視野に入るかも知れま せん。
沖縄は地政的にも文化的にもいろいろな面で 日本における後進性と先進性の両面を有した特 異な存在であると思います。医療の面でも疾病 の罹患状況が本土に先駆けて欧米型になる傾向 があり沖縄で対策を早急にすればその後本土も 参考になるし、また救急医療や群星研修プログ ラムなど優れた面もあります。本土のように大 学一極中心のヒエラルキーでなく、大学を含め て公立、民間病院がお互いに競争と協力すると いう面もユニークです。日本本土に同化するだ けでなく異質としての側面が長い目でみると日 本全体の発展に寄与するのではないでしょう か? 1609 年薩摩の琉球侵攻や明治の琉球処分 などを歴史の教訓とすると大局的な展望と如何 に独自性を発揮するかが沖縄の課題となるでし ょう。また医療も日本だけでなくアジアの中の 沖縄の視点も重要だと思います。
Q6.最後に日頃の健康法、ご趣味、座右の銘 等がございましたらお聞かせ下さい。
健康法は特にありませんが数年前体重が 91kg となり頻尿も出現しましたのでダイエッ トし現在77kg 台を維持しています。運動はほ とんどしていませんので間食しない、無理に我 慢しないで食べる優先順位を決める、ケーキを 食べたらご飯を残すなど総カロリー抑制を目標 としてどうにかやっています。趣味は英会話か もしれません。毎日英字新聞を読むようにして いますがレベルはまだまだです。座右の銘は特 にありませんが強いて言えば“和して同ぜず” です。また“師は常に身近にもいる”というこ とです。
この度は、インタビューへご回答頂き、誠に 有難うございました。
インタビューアー:広報委員 久場睦夫