琉球大学医学部附属病院
専門研修センター特命助教/第一内科
玉寄 真紀
新年明けましておめでとうございます。この 度、原稿依頼を頂いて、改めて自分の年齢を実 感しているところです。実は、昨年7 月に大学 の同窓会が開催されました。県内外から集い、 中には卒業以来10 年ぶりに会う友人もいまし た。その顔ぶれは、「各診療科や各医療機関に おいて、中心となり第一線で頑張っている先生 方」が殆どでした。皆、各々近況を語り合いな がら、「自分自身は年上になっている実感はな くとも、徐々に後輩が増えており、気付けばい わゆる‘中間管理職’の年代となっているよ ね」と談笑しました。また、その際に、「今ま ではただひたすら自分の道を進むことで精一杯 だったけど、少しずつ‘後輩への道作り’をす る年代にもなってきているのかな」と少し感慨 深くも思いました。
お話は変わって、ここで私の近況をご紹介さ せてください。私は平成20 年11 月より、呼吸 器内科医として診療に携わりながら、専門研修 センターの専任教員として様々なお仕事をさせ て頂く機会に恵まれました。当センターでは、 「最新医学の知識・高度医療先進医療技術の習 得のみならず、専門医取得を積極的に目指した 教育。および科学的な思考を持って、専門医療を実施できる医師の育成」をコンセプトに全国 複数の医療機関と幅広く連携しながらの医師育 成を支援する取り組みを行っています。その活 動は、専門を極めることを目指した若手の先生 方のためだけではなく、指導医の先生方も対象 とした内容もあり、非常に多岐に亘ります。 種々の教育的講演会やセミナーやワークショッ プの企画立案および実施・指導医による離島圏 での教育的回診のシステム構築・シミュレーシ ョン教育の充実化に向けての様々なワークショ ップ開催・職場復帰支援および職場の環境改善 のための支援・院内保育拡充や更なるニーズ (時間延長保育、病児保育など)に向けての立 案など、多方面の内容に関わらせて頂きました。
また、このようなお仕事の中で、沖縄県内外 の様々な医療機関の先生方(時には病院長クラ スの先生方まで)・沖縄県医師会の活動に関わ っていらっしゃる先生方・県医師会のスタッフ の皆様・沖縄県福祉保健部や沖縄県病院事業局 の皆様・そして全国の様々な大学病院の先生 方・更には海外の先生方にお会いするご縁や一 緒にお仕事をさせて頂く機会に恵まれました。 その出会いからも、様々なことを学ばせて頂き ました。何かを極めた方・トップに立っていら っしゃる方は、視野が広く医学のことに限らず 非常に話題が豊富で、洞察力や着眼点が鋭い。 そしてそのような方々は、‘知識や技術が一流 の医師や教育者というだけでなく、場を和ませ るユーモアに富んでいて、相手や周りへの思い やりにも溢れていて、余裕もあり‘ジェントル マン・人格者’といった方が多い印象でした。 このような素晴らしい先生方との出会いやご縁 に恵まれ、人生勉強までもさせて頂いた気持ち になりました。ですので、「何も無い0 の状態か らシステムを構築したり、形にする」ことへの 不安や心労があっても、楽しみや充実感を持っ てお仕事をさせて頂くことができました。
そして様々なお仕事をする際に離島医療や女 性医師など医師を取り巻く環境や現状を改めて 見直す機会もあり、この事も非常に良い経験の 1 つとなりました。
専門研修センターで様々なお仕事をすること によって、それが少しでも‘後輩への道作り’ の一部に関わらせて頂けたのなら、嬉しく思い ます。
今年の抱負、そして今年に限らず今後の目標 としましては、「これまでの経験を通して学ん だこと・感じた想いを胸に、自己研鑽に励みな がら、そして後輩にも医学・内科学・更には呼 吸器内科診療の面白さをきちんと伝えていきた い」と思っています。
細木数子さんの本によると、「卯年の6 月生 まれは、来年から大殺界に入る」そうですの で、今年のうちに思い切り楽しく過したいと思 っています(笑)。最後になりましたが、私に このような機会を与えてくださった県医師会広 報委員の先生方に心より御礼申し上げます。そ して今回ご覧頂いている先生方のご健勝とご多 幸を心より祈念し、筆を置きたいと思います。