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頭部MRI の基礎
−頭部MRI で撮られる各画像について−

友愛会南部病院 仁井田 明

【要旨】

現在、日常的に撮影されている頭部MRI(Magnetic resonance imaging :磁気 共鳴画像法)画像にはT1 強調像(T1WI)、T2 強調像(T2WI)、プロトン密度強 調像(PDWI)あるいはFLAIR(FLuid-Attenuated Inversion Recovery)像、 T2*(T2 スター)強調像(T2*WI)あるいは磁化率強調像(SWI)、拡散強調像 (DWI)、MRA(Magnetic Resonance Angiography)画像などがある。各々の画像 により正常組織および病変の見え方(コントラスト)に違いが認められる。本稿で はその違いは何に起因するのかを理解するためにMRI の基礎から各画像の成り立 ちについて簡潔に述べる。また、日常最も遭遇する脳出血、脳梗塞について時間の 経過とともに変化する各画像での見え方及び脳梗塞の鑑別診断についても述べる。

はじめに

MRI が臨床応用されて30 年以上が経過し、 2008 年には全国で6,000 台以上のMRI 装置が 稼働するようになっている。そのため、以前は 特殊な検査であったMRI が現在ではCT 同様、 日常診療でよく目にする検査となっている。そ こで、今回は日常診療でも目にする機会の多い 頭部MRI 画像の基礎について概説してみたい。

MRI の基礎知識

MRI の原理を簡単に説明すると、均一な静 磁場内におかれた被検者にラジオ波(RF)を 照射して体内の水素原子(プロトン)にエネル ギーを与え高エネルギーの状態にし、その後 RF 照射を切ると高エネルギーの状態にあった プロトンが得られたエネルギーを放出して元の 状態に戻る過程を電気信号として採取し画像化 するということである。この時、体内のプロト ンの存在状態(組織)により元の状態に戻る早 さが異なり、その違いにより各画像でのコント ラストが生じてくる。元の状態に戻る時の物理 学的特性として縦緩和時間(T1)、横緩和時間 (T2)があり、水素原子の量(プロトン密度)、 流れ、拡散とともに各画像の信号強度を決定す る主な要因となっている。

ここでT1 は高エネルギー状態のプロトンが周 囲の格子(分子等)との間でエネルギーを授受 することにより元の状態に戻る時間を表してい る。周囲の分子等がプロトンの自然運動の周波 数(ラーモア周波数)に近いほどエネルギーの 付与が高率に行われT1 が短縮する。脂肪中のプ ロトンはこのラーモア周波数に近い自然運動周 波数をもっており、結果T1 が短縮する。水中の プロトンの自然運動周波数はラーモア周波数よ りもずっと高く、エネルギーの付与が低率でT1 は長くなっている。固体中のプロトンの自然運 動周波数はラーモア周波数よりもいくらか低く なっている。蛋白性溶液における結合水分子は ある程度運動の自由性を失い、自然運動周波数 がラーモア周波数に近づくため、高率なエネル ギーの付与が生じ、結果としてT1 が短縮する。

T2 はRF 照射により同じ位相で動くように された各々のプロトンが元の状態(ばらばらの 位相)に戻る時間を表している。この現象(位 相分散)は近接するプロトンによる局所磁場の 不均一性によりもたらされる。固体のように組 織内でプロトンが近接していればプロトンによ る局所磁場の影響をうけやすく位相分散は速く なりT2 は短縮する。逆に水のようにプロトン が遠く離れていれば位相分散は遅くなりT2 は 延長する。

T2* はこの近接するプロトンによる局所磁場 の不均一性と外磁場の不均一性によりもたらさ れ、T2 より短くなっている。外磁場とは装置 の主磁石のことで均一な磁石は不可能である。

MRI 画像の種類

現在、頭部MRI で通常撮影されている画像 にはT1 強調像、T2 強調像、プロトン密度強調 像、FLAIR 像、T2* 強調像、磁化率強調像、 拡散強調像、MRA 画像がある。各々の画像に ついてその特色について概説していく。

1)T1 強調像(図1)

図1.

図1 A : T1 強調像(SE 法)、B : T1 強調像(GRE 法)、C : T1 強調像(IR 法)

T2 の影響をできるだけ排除しT1 の違 いを際立たせた画像でスピンエコー ( SE : Spin Echo) 法、反転回復 (IR : Inversion Recovery)法、グラデ ィエントエコー(GRE : GRadient Echo)法などによって撮影される。IR 法では空気、骨も灰白質同様に灰色に表 示され、GRE 法では磁場の不均一性に 鋭敏であり空気と接する組織でアーチファクト が目立つためSE 法が用いられることが多い。

頭部の正常像ではT1 の短い脂肪が高信号を 呈して白く表示され、T1 の長い水(脳脊髄液) が低信号を呈して黒く表示される。空気、骨皮 質はプロトンそのものの量が少なく、低信号を 呈して黒く表示される。また、速い流れの血流 は信号を採取することができず、黒く表示され る。白質は脂肪と同様に振舞う髄鞘を有してお り、T1 は短く、白く表示される(脂肪ほどでは ない)。灰白質は髄鞘を有しておらず、固形組織 のように振舞い、中間の明るさとなる(表1)。

表1 正常脳MRIの信号強度

表1.

多くの頭蓋内病変は含水量によりT1 強調像 で灰白質と比べて低信号から等信号を呈する。 診断において意味を持ってくるのは高信号を呈 する場合である。脂肪腫や類皮嚢腫などの脂肪 を含む病変、脳内出血や硬 膜外血腫などの出血性病変、 高蛋白の病変などは高信号 を呈する。また、ガドリニウ ム造影剤や金属などの常磁 性体によっても高信号を呈 する(表2)。

表2 MRIの特異的信号所見:T1強調像の高信号

表2.

2)T2 強調像(図2)

図2.

図2 D : T2 強調像(SE 法)、E : T2 強調像(FSE 法)

T1 の影響をできるだけ排除しT2 の違いを際 立たせた画像でSE 法により撮影されるが撮影 時間が長くかかるため、1 回の90 °パルス励起 後位相エンコードを変えながら複数のスピンエ コーを採取することにより撮影時間が短縮され る高速スピンエコー法(FSE : Fast Spin Echo 法)が通常用いられている。SE 法と FSE 法では同様のT2 コントラストを示すが、 FSE 法では180 °パルスを短時間に繰り返す ことにより位相分散が起こりにくくなり脂肪が 高信号に描出されたり、磁化率効果による信号 低下が少なくなり血腫における鉄の沈着による 低信号が見えにくくなる。

表3 MRIの特異的信号所見:T2強調像の低信号

表3.

表4 MRIの特異的信号所見:T2強調像の均一で著明な高信号

表4.

頭部の正常像ではT2 の長い水と同様に脳脊 髄液が高信号を呈し白く表示され、白質は灰白 質よりもやや短いT2 をもち低信号を呈し黒く 表示される。灰白質は中間の色(灰色)に表示 される。空気、骨皮質はT1 強調像同様に無信 号から低信号を呈して黒く表示される。また、 速い流れの血流は黒く表示される(表1)。

多くの頭蓋内病変はT2 強調像で等信号から 軽度高信号を呈するが非特異的である。信号強 度が診断に意味を持ってくるのは低信号を呈す る病変、著明な高信号を呈する場合である。低 信号を呈するものとしては出血、鉄沈着、石灰 化、骨化を来す病変や高蛋白の嚢胞、密な組 織、線維組織を有する病変である(表3)。著 明な高信号を呈するものとしては嚢胞性病変、 神経鞘腫、海綿状血管腫、軟骨腫などがあげら れる(表4)。

3)プロトン密度強調像(図3)

図3.

図3 F :プロトン密度強調像(SE 法)

T1 とT2 の影響をできるだけ排除し組織内 のプロトン量の多少を際立たせた画像でSE 法により撮影される。通常は撮影時間を短縮 するためにFSE 法が用いられている。ただ、 短時間でT1 の影響を十分排除することは困 難であるため、多分にT1 の影響を受けた画 像となっている。

頭部の正常像では脳脊髄液はプロトンが 最も多く高信号を呈するはずだが、T1 の影 響により信号は抑えられ黒っぽく表示され る。白質は灰白質よりもプロトン密度が低 く、低信号を呈し黒く表示される。灰白質 は中間の色(灰色)に表示される。空気、骨皮 質は無信号から低信号を呈して黒く表示され る。また、速い流れの血流は黒く表示される。

多くの頭蓋内病変はプロトン密度強調像で等 信号から軽度高信号を呈するが非特異的であ る。脳脊髄液が低信号を呈するため、高信号を 呈する脳室周囲の病変やくも膜下出血などの脳 脊髄液腔の病変の検出に有効である。また、血 管閉塞も血流による無信号(flow void)の消 失として認められる。

4)FLAIR 像(図4)

図4.

図4 G : FLAIR 像

水の信号を無くしその他の組織のT2 の違い を際立たせた画像でIR 法を用いて撮影される。 T1 とT2 の影響を色濃く受けた画像となって いる。

頭部の正常像では脳脊髄液は水と同様無信号 で黒く表示される。白質、灰白質はT2 の影響に よりT2 強調像同様に白質は黒く、灰白質は中間 色(灰色)に表示される。空気、骨皮質、速い 血流は他の画像同様に無信号から低信号を呈し て黒く表示される。

脳脊髄液からの信号が無いため、プロトン密 度強調像同様に脳表や脳室周囲のT2 の延長す る病変の検出が容易となる。しかし、水成分の 多い梗塞巣などの病変の異常信号が不明瞭化 し、無症候性白質病変が目立ってしまう。

5)T2* 強調画像(図5)

GRE 法を用いてT2* の違いを際立たせた画像 である。画像コントラストはT2 強調像に似てい るが、局所磁場の不均一に敏感で出血性病変は 常磁性体の還元ヘモグロビンや赤血球内メトヘ モグロビン、超磁性体であるヘモジデリンにより 無信号で黒く表示され、出血性病変の検出能が 高くなっている。反面、副鼻腔などの空気と接 する場所などでは磁化率の違いによるアーチフ ァクトが発生しやすくなっている。

図5.

図5 H : T2* 強調像

6)磁化率強調画像(SWI : susceptabilityweighted imaging)(図6)

図6.

図6 I :磁化率強調像

広義にはT2* 強調像もこの範疇に入れられる が、狭義には組織間の磁化率の違いを際だたせ た画像で、静脈血管内の常磁性体である還元ヘ モグロビンが周辺組織に与える磁場の変化を鋭 敏にとらえたものである。T2* 強調像よりも磁 化率変化に鋭敏となっている。T2* 強調の三次 元GRE(3D-GRE)法で撮影される。T1、 T2*、プロトン密度に影響される画像となる。 脳脊髄液は灰色に静脈は黒く描出されている。 また、淡倉球のように微量鉄沈着部は黒く描出 される。T2* 強調像同様に出血性病変の検出に 有効である。加えて、静脈強調により静脈奇形 等の血管病変の検出、診断に有用である。

7)拡散強調像(DWI : diffusion-weighted imaging)(図7)

図7.

図7 J :拡散強調像、K : ADC-map 像

水分子の動きやすさを反映した画像である。 通常はエコープラナー(EPI)法で撮影される。 T2 の影響を受けた画像となっており、画像コン トラストはT2 強調像に似ているが、脳脊髄液 は水分子の動きが妨げられず無信号で黒く表示 されている。多くの急性期病変でT2 強調像と 共に高信号となる。著明な高信号は急性期脳梗 塞や低酸素脳症などの細胞性浮腫を来す病変、 脳膿瘍、脈絡叢嚢胞などの粘稠な液体、出血、 悪性リンパ腫などの細胞密度の高い腫瘍性病変 などでみられる(表5)。ただし、拡散強調像の 信号強度にはT2 の影響が強く反映されるため、 見かけの拡散係数像(ADC map)を作製し、拡 散強調像での高信号の解釈に用いられている。

表5 拡散強調像の著明な高信号

表5.

8)MRA 画像

血管内の血流を画像化したものでtime of flight(TOF)法、phase contrast(PC)法、 造影法があり、それぞれ2D 法と3D 法がある。 脳血管では通常3D-TOF 法が用いられている。 T1 強調の3D-GRE 法で撮影され、血管内の速 い血流が高信号に白く表示される。また、出血 のようにT1 が短縮した病変も白く表示される。 得られた画像から最大値投影法(maximum intensity projection : MIP)を使ってMRA 画像が表示される。脳動脈瘤や脳動脈の狭窄、 閉塞等の検出に有効である。

9)造影MRI 画像(図8)

図8.

図8 L :造影T1 強調像(SE 法)

MRI 用のGd(ガドリニウム)造影剤を静脈 内に投与してT1 強調像を撮影する。Gd 造影剤 はCT でのヨード造影剤とは異なりそれ自体が MR 信号を出すわけではなく、周囲の水素原子 に影響して組織のT1、T2 を短縮させる。通常 はT1 短縮効果が著明なのでT1 強調像により 撮影され、造影された部分は高信号で白く表示 される。造影剤の濃度が非常に高い場合には逆 に信号が低下し、黒く表示される。

正常像では鼻粘膜がよく造影され白く表示さ れているので造影の有無は鼻粘膜をみれば容易 に判断できる。血管内は通常は造影されない が、TE の短いGRE 法で撮影すると血管内も よく造影される。

血液脳関門の破綻した病変でよく造影され、 腫瘍や炎症病変を疑う場合には必須で、急性・ 亜急性期の血管障害にも有用であることが多 い。繰り返して行う高速撮影によるダイナミッ ク検査では病変の血行動態を観察することも可 能である。

10)その他の画像

以上述べてきた通常の頭部MRI 画像以外に も特殊なものとしていくつかあげられる。

Gd 造影剤初回通過時の陰性造影効果(高濃 度のため信号が低下し黒く表示される)を利用 した灌流画像では脳血流の状態を観察すること ができる。

脳内の白質繊維の走行方向による拡散の違い を画像化した拡散テンソル画像や白質繊維の走 行方向を3 次元的に表示したファイバートラク トグラフィー(fiber tractography)画像では白 質繊維と病変との関係を観察することができる。

脳血管内の還元ヘモグロビンによるblood oxygen level dependent(BOLD)効果を利 用して脳血流量の増加する領域を画像化する functional MRI(fMRI)では脳の賦活領域を 推定することができる。

T1 強調3D-GRE 法で撮影した全脳画像から 統計学的処理により脳萎縮の程度をスコア化し てアルツハイマー病の診断を支援するVoxelbased Specific Regional analysis system for Alzheimer’s Disease(VSRAD)は認知症の 診断に利用されている。

脳出血と脳梗塞のMRI 画像

最後に日常よく遭遇する脳出血と脳梗塞、ラ クナ梗塞の各画像について述べる。

脳出血は発症からの時間経過とともに変化す る赤血球内のヘモグロビンの状態によりT1 強 調像、T2 強調像で異なる信号を呈する。出血 から約12 時間程度では赤血球内のヘモグロビ ンは酸化ヘモグロビンの状態で反磁性体であ り、T1 強調像、T2 強調像共に等信号を呈す る。その後還元ヘモグロビンとなり常磁性体と なるが赤血球内に閉じ込められ自由に水分子は 接近できず、主に磁化率効果によりT2 強調像 で低信号となる。3 日程してより強い常磁性体 であるメトヘモグロビンへと変化し、T1 短縮効 果によりT1 強調像で高信号となる。1 週間ほど 経つと赤血球が崩壊し、メトヘモグロビンが赤 血球外に放出され水分子との自由な相互作用が 生まれT2 強調像で高信号を呈するようになる。 2 週間以上経過すると超磁性体のヘモジデリン となりT1 強調像で等信号、T2 強調像で低信号 となる(表6)。T2* 強調像や磁化率強調像では 比較的早期から低信号を呈する。拡散強調像で は早期に高信号を呈するので急性期梗塞と間違 えないようにT2* 強調像や磁化率強調像など他 の画像を観察することが重要である(図9)。

表6 MRIにおける出血の信号強度

表6.
図9.

図9 急性期脳出血
A : T1 強調像、B : T2 強調像、C :磁化率強調像、D :拡 散強調像 左視床に急性期血腫(矢印)を認める。

脳梗塞は発症からの時間経過による組織の性 状変化と共に拡散強調像、T2 強調像、T1 強調 像で信号変化が認められる。まず、脳梗塞発症 から24 時間以内の超急性期では細胞性浮腫に よる細胞膨化、細胞間隙の狭小化により拡散の 低下を認め、発症から1 時間程度で拡散強調像 で高信号を呈するようになる。ADC-map では 低信号を呈している。6 時間程度経過すると T2 強調像でも高信号を呈するようになるが、 T1 強調像では等信号である。1 〜 7 日の急性期 では拡散強調像、T2 強調像で高信号を呈し、 T1 強調像で低信号を呈する。1 週間〜 3、4 週 間の亜急性期では拡散強調像で高信号を呈す るもののADC-map では高信号を呈するように なる。1 ヶ月を経過した慢性期では拡散強調像 では等信号となる(表7)。

表7 MRIにおける脳梗塞の信号強度

表7.

ラクナ梗塞と鑑別すべきものにラクナ梗塞同 様にT2 強調像で点状の高信号域として描出さ れる血管周囲腔、高血圧や動脈硬化に併った ミエリンの希薄化に相当する変化である大脳白 質病変がある。T2 強調像に加え、T1 強調像、 FLAIR 像あるいはプロトン密度強調像によっ て鑑別される。ラクナ梗塞ではT1 強調像で低 信号、FLAIR 像で等信号あるいは高信号で液 状変性に至っていれば内部に低信号を含む場 合が多い。血管周囲腔はT1 強調像で等信号あ るいは低信号、FLAIR 像で等信号あるいは低 信号を呈する。大脳白質病変はT1 強調像では 不明瞭でFLAIR 像で明瞭な高信号を呈する (表8、図10)。

表8 ラクナ梗塞、血管周囲腔、大脳白質病変の診断基準

表8.
図10.

図10 ラクナ梗塞
A : T2 強調像、B : FLAIR 像、C : T1 強調像 左被殻にラクナ梗塞(太矢印)を認める。拡大血管周囲腔 (細矢印)も多数認められている。

おわりに

日常的に用いられる頭部のMRI 画像におけ る信号の意味について概説した。MRI 像の詳 細な原理等については割愛させていただいた。 もし、興味があれば成書を詳読していただきた い。簡単な説明ではあるが、これらが日常の MRI 読影に役立てば幸いである。

文献・参考図書
1.Ray H. Hashemi, et al : MRI The Basics, 2nd edition. 2004[荒木力(監訳): MRI の基本パワーテキスト (第2 版)、メディカル・サイエンス・インターナショ ナル、東京、2004. ]
2.青木茂樹、他(編著):新版よくわかる脳MRI(第2 版)、秀潤社、東京、2006
3.高橋昭喜(編):脳MRI 2.代謝・脱髄・変性・外 傷・他、秀潤社、東京、2008.
4.西村恒彦、他(編): diffusion ・perfusion MRI 一望 千里、メジカルビュー社、東京、2006.
5.金崎佳子、他:頭部3T MRI におけるSWI、画像診 断28 : 1061 ― 1071、2008.
6.細矢貴亮、佐々木真里(編):救急で役立つ頭部 CT ・MRI、南江堂、東京、2006.



Q U E S T I O N !

次の問題に対し、ハガキ(本巻末綴じ)でご回答い ただいた方で6割(5問中3問)以上正解した方に、日 医生涯教育講座0.5単位、1カリキュラムコード(84. その他)を付与いたします。

問題
次のMRI に関して次の設問1 〜5 に対し、 ○か× 印でお答え下さい。

  • 1. MRI 装置は常時磁場を発生しているので検 査を行っていないときでも検査室への立ち入 りには注意を要す。
  • 2. MRI は生体内の炭素の状態を画像化したも のである。
  • 3. T1 強調像では生体内の脂肪組織は白く表示 される。
  • 4. 脳出血は時期により画像での見え方が異なる。
  • 5. ラクナ梗塞を診断するためにはT2 強調像、 T1 強調像、FLAIR 像あるいはプロトン密度 強調像での撮影が望ましい。

CORRECT ANSWER! 6 月号(Vol.46) の正解

人格障害について
問題1
境界性人格障害によく認められる徴候として正 しいのはどれか?

  • 1)抑うつ気分
  • 2)希死念慮
  • 3)分裂した自己および対人評価
  • 4)身体的不定愁訴
  • 5)見捨てられに対する強い不安

1】1),2),3) 2】1),3),5)
3】3),4),5) 4】すべて

問題2
人格障害への対応として正しいのはどれか?

  • 1)主訴にとらわれないで、できるだけ多くの 訴えを解決するように心がける。
  • 2)治療の枠組みを緩やかにしていつでも対応 できるようにする。
  • 3)自傷行為などの自己破壊的行動や暴力には 毅然と禁止を表明する。
  • 4)できるだけ親密な関係で対応して受容的、 傾聴を第一とする。
  • 5)治療者への試しや操作性には無視をして乗 らないようにする。

1】1),2),3) 2】1),3),5)
3】3),4),5) 4】3)のみ

問題3
投影性同一視について正しい説明はどれか一つ 選びなさい。

  • 1)心理検査における投影法とその視方の一つで ある。
  • 2)人物誤認の一つで他人を家族が変装している とみなすことである。
  • 3)芸術療法の一つである。
  • 4)自分に悪意があると、それを相手にあるとみ なして葛藤を軽減させる機制である。

問題4
リミットセッティングについて正しい説明はど れか一つ選びなさい。

  • 1)治療を迅速に行うための方法である。
  • 2)防衛機制の一つで願望が満たされないとき一 段低い願望で満足を得る事である。
  • 3)精神科診療で行われる隔離と拘束の事をいう。
  • 4)患者に起こる事態を想定し、対処をあらかじ め設定し患者の行動化や現場の混乱を防ぐ事 をいう。

問題5
境界性人格構造について正しいのはどれか一つ 選びなさい。

  • 1)カーンバーグが提唱し、人格障害を重症度で 3 つの人格構造に分けて人格障害を統一的に 理解しようとするものである。
  • 2)フロイトが提唱し、人格構造をエス(イド)、 自我、超自我に分けて理解することをいう。
  • 3)アメリカ精神医学会精神疾患の診断と統計の 手引きによる人格障害の診断で重複診断が多 い事をいう用語である。
  • 4)2 重人格において主人格と第2 人格が統合さ れずに分離した状態をいう。

答え 問題1.4】 問題2.4】 問題3.4) 問題4.4) 問題5.1)