中頭病院泌尿器科 島袋 善盛
私には動と静の二つの趣味があります。動は ゴルフをする事、静は音楽鑑賞です。ゴルフを 始めたのは遅く40 歳前でした。あるきっかけ でショートコースに誘われ、まぐれでバーディ をとり、それからゴルフレンジに通う様になり ました。2 〜 3 カ月練習して、病院のコンペを 国際ゴルフクラブで行い、2 回目の参加で93 の スコアーを出して周囲を驚かせた。ビギナーズ ラックというやつですが、自分には才能がある と思い込んだ。次にはしっかりと100 以上をた たき、才能のなさを実感した。仕事を終わった 夜遅くにも、ほぼ毎日ゴルフレンジに通う程夢 中になる始末でした。当時、浦添伊祖ゴルフレ ンジに狩俣プロがプロになる前に従業員として 働いており、2 度程手ほどきをうけました。
10 年程前からは兄弟やその友人達のコンペ に参加し、通称うんたまで第4 日曜日のコンペ を楽しみ、そのあとで酒を飲み交わし、ゴルフ 談義に花をさかせる事になります。月例会にも 参加し、月2 回はゴルフをしています。年1 回 は九州遠征もして、沖縄では味わえないグリー ンの柔らかさを経験したのは驚きでした。ま た、同期生からのゴルフの誘いもあり、月3 回 やる事もたまにあります。何年か前には70 台 でまわった事も夢の様で、最近はスコアメイク に苦しみ、それを年のせいだといいわけしなが らもゴルフを楽しんでいます。
さて、静の趣味の音楽鑑賞ですが、かなりマ ニアックで殆ど知名度のないグスタフ・マーラ ーという作曲家の交響曲をよく聴いています。 その音楽の内容を人に伝える事はなかなかに難 しく、また能力もありません。あえて、ひとつ 言うなら、ベートーベンの交響曲第5 番で運命 の扉を叩く、冒頭のフレーズは皆さんよくご存 知だと思います。マーラーにもそのフレーズを アレンジした曲がありますが、高揚感はなく、 むしろ淡々とした始まりです。それからは喧噪 と静寂の繰り返しの長い音楽です。色々な楽器 を使い、音を重ねあわせ音楽用語ではいわゆる ポリフォニーと呼ばれ、その躍動感がたまらな くはまっています。音楽は夜遅く聴くため、家 を建てる時にオーディオルームをつくり大音量 でも周囲に気兼ねなく聴いています。オーディ オ器機にはこだわらず、高価な器機は持ってい ません。ソフト面にこだわり、LP レコード 500 数枚、CD は数え切れない程もっています。 最近はDVD を薄型TV で視聴しています。マ ーラーの交響曲の緩叙楽章には胸にせまるもの や、癒し系の所があります。映画監督ヴィスコ ンティの作品にも使われ、初老の男性が浜辺で 肘掛け椅子にすわり、遠い水平線を眺めながら 晩年の境地をさまよう心象風景が描かれ、音楽 は第5 番の4 楽章アダージェットが浪々と鳴り 響き、印象的でした。交響曲の何曲かに合唱を とりいれ、第8 番は千人の交響曲と呼ばれ、ス ケールが大きく、迫力に満ちています。東洋思 想をとりいれた“大地の歌”もあり、土曜日の 夜は酒を飲みながら全曲聴いたりしています。
マーラーにもバブル経済時期に一大ブームが あり、外国から様々なオーケストラが来日して コンサートが行われ、NHK ・TV、FM ラジオ でよく視聴していました。
マスコミ、商業主義が先行して、バブル崩壊 と共にブームも終焉を迎えました。マーラーは 大指揮者として有名でシーズンオフに湖畔近く の山小屋で作曲したが、当時は殆ど演奏されま せんでした。50 年後には自分の時代がくると 周囲にうそぶいたそうです。ある書店で音楽雑 誌を読んでいると、今年はマーラー生誕150 年 と知りましたが、ショパン生誕200 年の祭りの 影に隠れて、殆どイベントはない有様で、やや 寂しい感じです。
休みの日はできるだけマーラーの音楽を聴く 様にしています。
この様にゴルフは月2 回しながら、音楽も聴 いて人生を楽しんでいる所です。