沖縄県歯科医師会学校歯科担当理事 新里 叡
歯の衛生週間は歯の衛生に関する正しい知識 を普及啓発するとともに、歯の寿命を延ばし、 国民の健康の保持増進を寄与することを目的と して、その期間中は日本全国各地で工夫をこら した様々な行事が展開されています。
今回、沖縄県歯科医師会が開催している恒例 行事の中から「デンタルフェア」と「歯・口の 健康に関する図画・ポスターコンクール」につ いての簡単な紹介に加え、昨年度は例年と違い 前者に予期せぬ残念な出来事、および後者に嬉 しい出来事があったので併せて報告したいと思 います。
〔デンタルフェア〕
デンタルフェアは、1977 年(昭和52 年) に、幼児のう蝕予防を目的にスタートしまし た。第1 回開催は県歯科医師会主催で、会場も デパートリウボウのみでした。第9 回からは南 部、中部、北部、宮古、八重山の各地区歯科医 師会主体で全県的に開催されています。
30 回を越えた現在は、幼児、児童生徒のう 蝕予防のフッ化物塗布や、口腔診査のみなら ず、成人、高齢者の歯周疾患予防から義歯相談 等まで、幅広く対応しております。毎年の開催 を楽しみにしての来場者も多く、地域に密着し た住民参加型の一大イベントとして定着してお ります。しかし34 回となる昨年は地区によっ ては中止、延期の決断がなされました。「かみ しめる 生きる喜び 歯とともに」を標語に 県内9 会場で予定しておりましたが、直前の新 型インフルエンザの流行によるもので非常に残 念な思いでの決定でした。
今年は『広げよう「噛む」から始まる 健 康づくり』を標語として、6 月5 日(土)、6 日 (日)を中心に県内10 会場で繰り広げられる予 定となっております。
〔歯・口の健康に関する図画・ポスターコンクール〕
標記コンクールは県内の小学校、中学校、特 別支援学校(小学部、中学部)の児童生徒を対 象に、口腔保健への理解・認識を高めることを 目的とし、1987 年(昭和62 年度)にスタート しています。第9 回(平成7 年度)からは表彰 式・展示会場をそれまでの(現在は姿を消し た)沖縄山形屋から県庁1F 県民ホールに移し ており、第23 回となった昨年度も、県庁1F 県 民ホールに於いて主催:沖縄県歯科医師会学校 歯科医会、共催:沖縄県教育委員会、後援:沖 縄県学校保健会、沖縄タイムス社、琉球新報社 で開催されました。
表彰式には、県医師会宮城信雄会長も沖縄県 学校保健会会長として前年に続きご多忙の中、 臨席下さり、沖縄県学校保健会会長賞の授与を していただきましたことに対し、この紙面を借 りて感謝申し上げます。
ちなみに昨年の応募校数は、281 校(小209 校 中64 校 養護等8 校)、応募点数は1,605 点(小1,376 点 中188 点 養護等41 点)と なっております。
賞の内容 ☆最優秀賞(県知事賞)3点(小学校低学年1点、高学年1点、中学校の部1点)(標語の部特別賞)1点
☆優秀賞:教育長賞、学校保健会長賞、学校歯科医会長賞、歯科医師会長賞
☆優良賞
この行事に関する嬉しい出来事が2 点ありま した。
1 点目は牛乳パックに作品掲載という新企画の 実現です。
これまで最優秀作品および優秀作品を一面に 載せたA1 サイズのポスターを作製し、学校や 医院待合室に掲示してもらっておりましたが、 それに加え沖縄森永乳業さんの協賛により、4 商品の牛乳パックに作品の印刷掲載がなされま した。2 ヶ月間の期間限定で店頭に並びました が反響は大きく好評で、新たな大きな啓発効果 を上げることができ喜んでおります。
2 点目は文部科学大臣賞受賞です。
県知事賞の作品は中央での「歯・口の健康に 関する図画・ポスターコンクール」(主催:日 本学校歯科医会)に毎年応募しています。中央 では従来、小学生、中学生ともに学年ごとに最 優秀賞を選出していましたが、昨年度より特に 優れている作品として、小学校低学年、小学校 高学年、中学校の3 部門から各3 点(合計9 点)を選出し、その中からさらに最優秀賞とし て選出された2 作品(小学校の部1 点、中学校 の部1 点)には文部科学大臣賞が付与されるこ とになりましたが、見事に本県から出品した作 品が小学生の部に於いて最優秀賞の文部科学大 臣賞受賞という快挙がなされました。嬉しい限 りです。
今年度の「歯・口の健康に関する図画・ポス ターコンクール」は7 月1 日に審査会、22 日に 表彰式を予定しています。審査は、例年いずれ も個性溢れる作品で選出に苦労するところです が、今年もまた、子どもらしい感性による色彩 豊かな、素晴らしい作品に合えるのを楽しみに しているところです。