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1 年目を振り返って―笑顔で親切―

金城太貴

社会医療法人かりゆし会ハートライフ病院初期臨床研修医
金城 太貴

みなさん、こんにちは。ハートライフ病院研 修医2 年目の金城太貴と申します。

研修医になって早1 年が過ぎました。1 年前 の今頃は医師国家試験の勉強に躍起になって、 試験の数ヶ月後には社会人として、また医療者 として自分が働いている姿など想像すら出来て いませんでした。現在では、ハートライフ病院 という恵まれた環境の中で良き研修生活を送 り、日々新たな経験を積み重ねております。

私が初期臨床研修医として1 年間過ごしてき て、新臨床研修制度に関して最もすばらしいと 感じた点は、各科ごとの独特の視点、物事の考 え方、そして患者への接し方などを学び感じ取 ることができたことです。当初はローテートで あり、各科を回る期間は短く、各専門分野に精 通するのは難しい、つまるところ学生時代の実 習となんら変わらないものになるのではないか と不安もありましたが、今ではこの1 年間の経 験は自分の将来を担う重要な財産になるだろう と思っています。そういった点から考えてみる と自分がハートライフ病院を選択したのは、自 分にとっては正しかったことであると自負して います。それは当院では、3 〜 10 年目の医師が ほとんどおらず、いわゆる屋根瓦式の研修制度 とはなっていないのですが、逆にいえば専門分 野に精通した医師との関わりが密になり、各科 の視点や考え方に触れやすい環境となっている からです。また指導医一人一人が気さくで、話 しやすいといった点も、そんなに表立って前に 出ない自分にとってはとても働きやすい環境と なりました。

初期臨床研修を送ってきた中で、多くの指導 医・上級医の先生方と出会い、色々なことを学 びました。医師として働き始めて間もない自分 たちに対して、優しく手ほどきしてくれる先生 や、厳しく叱る先生、私たちが答えを導くまで 沈黙を続ける先生など様々なタイプの指導医が おり、その全てが良き経験となっています。

初期臨床研修を送る上で、指導医に求めるこ と、指導医のあるべき姿として私が考えるの は、研修医に愛情を持って接して欲しいという ことです。愛情さえあるのであれば、どんなに 叱られようとも、それは自分にとっての財産と なると思います。叱ってくれる指導医がいると いうのは、とても貴重であり、ありがたく思い ます。逆に研修医に対して無関心な指導医とは 働きたくはありません。研修生活を送る上で、 無関心な指導医とともに働くことほど辛いこと はないように思います。

指導医という立場からみれば、研修医目線に 立って物事を考えるというのはなかなか難しい ことかもしれませんが、同じ初期臨床研修を創 っているという感覚で、お互いに歩み寄り、仕 事上の議論のみならず、生活面でのサポートな どもしていける関係を築けたらと私は思いま す。そして、指導医自身の経験してきたこと や、そこから学び築いてきた医師像や患者関係 などを、私たち自身の経験に生かしていけるよ うな研修生活を送れたらと考えています。

ハートライフ病院で初期臨床研修をスタート させ、1 年が過ぎ、その間多くの出会いがあり ました。

医療関係者はもちろんのこと、患者さん、そ の家族、施設などの職員、そして同期のみんなと指導医の先生方、彼らとの出会いの中で多く のことを経験し、喜び、嘆き悲しみ、支えら れ、学んできました。この1 年という短い期間 でさえ、紆余曲折あり密の濃いものでありまし た。ということは、今後長い将来、いったいど んな紆余曲折が待ち受けているのか不安と楽し みでいっぱいです。

もうすぐ後輩もでき、私自身が指導教育をし ていく立場にもなります。他人に教えるという のは大変難しく労力を要します。それを日々行 ってくれる指導医の先生方には、本当に感謝と 尊敬の念を抱いております。その指導医の気持 ちに応えるためにも、私自身強い心とやる気を 持って研修に臨み、たくさんのフィードバック を得て、更なるやる気で応えて、今後の長い医 師人生に向けて、医師としてのしっかりとした 土台を造っていけるように、次の1 年も「笑顔 で親切」を忘れずに研修生活を送っていきたい と思います。