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都道府県医師会産業保健担当理事連絡協議会

理事 金城 忠雄

去る平成22 年2 月12 日(金)、日本医師会 館で開催された標記協議会について次のとおり 報告する。

開 会

司会の今村常任理事から開会が宣言された。

挨 拶

唐澤会長から次のとおり挨拶が述べられた。

地域産業保健センターは、産業医選任義務の ない小規模事業所の労働者に産業保健サービス を提供することを目的に、限られた予算と大き な制約の中、事業の重要性をご理解いただいた 多くの産業医の先生方の地道な活動により、小 規模事業所の労働者の健康管理に大きく貢献し て来たものと確信している。

この間、地域産業保健センターでは、多くの課 題を克服し、運営されてきたことは、産業保健活 動推進全国会議において、ご報告いただいてい るところである。中でも、3 千万円の地域産業 保健センター事業の契約方式の見直しに際して は、国の都合による一方的な変更にも関わらず、 郡市区医師会のご理解をいただき、347 の全セン ターが引き続き、郡市区医師会において運営さ れたことについて、感謝しているところである。 又、その際、本日ご出席の都道府県医師会の皆 様には、大変重要な役割を担っていただいた事 に、この場をお借りして、お礼を申し上げる。

しかし、この度、ご案内のとおり厚生労働省で は、地域産業保健事業の実施体制の大幅な見直 しを進めている。政権交代により、様々な分野 で新しい取組みを行っており、厚生労働省内で の政策決定過程での大きな変更がなされている 事は推測される。

しかし、この事業が、医師会の協力なくして成 り立たないことは明白であるにも関わらず、社 会常識を逸脱した極めて短い期間で、事業の実 施にご尽力いただいた郡市区医師会並びに今後 実施主体として想定される都道府県医師会の意 向も踏まえずに見直しを断行した事は、誠に遺 憾である。

この度の厚生労働省の対応に対して日本医師 会は、協力しないという選択肢も考えられた。 しかしながら、特に現在のような経済状況にお いては、全事業の6 割を占め、経営基盤の脆弱な 小規模事業所に対して、地域産業保健センター 事業の果たす役割は、事業者と就労者の労働安 全衛生基準を確保する意味から産業医の専門的 見地からの役割は、ことのほか重要であるとい うことはいうまでもない。国民の生命、健康を 守ることは医師会の使命でもある。産業医の先 生方の小規模事業所の健康管理対策が、後退す るような事態は極力避けなければならない。

この様なことを踏まえて、急遽1 月26 日に 開催した本会役員会打合会において、本件に対 する日本医師会の考え方を協議した結果、この 度の実施体制の見直しについては、方向性につ いては理解し、平成22 年度からの実施について は、あまりにも性急かつ大幅な変更であること を考えて、各都道県医師会のご事情を尊重した 対応をさせていただくこととした。主旨を説明 し、あるべき方向を説明して実施させるべきで あろうということが第一である。引き続き、地 域産業保健センター事業の推進にご理解とご協 力を得られるよう、情報提供に努めさせていた だくことにした。これについては、忌憚のないご意見を賜りたいので、宜しくお願いしたい。

一方、日本医師会認定産業医制度については、 平成8 年に労働安全衛生法に位置づけられた事 もあり、認定産業医数も平成22 年1 月現在で7 万9 千余名となった。これも偏に都道府県医師 会のご協力、特に出席いただいた先生方、又、関 係者の皆様の賜物と理解しているところであ る。日医認定産業医制度が社会の要請に応えら れるよう、より一層充実強化を図っていきたい と思っている。その為には、都道府県医師会の ご協力が不可欠である。改めて、この点につい ても、ご理解とご協力を賜りたい。

それぞれの制度とも、労働者、事業者にとって 大変重要かつ意義の深い事業であり、大変不可 欠な事業であるということをご理解いただきた い。そして、この事業が今後とも円滑に実施され る事を祈念したい。本日は宜しくお願いします。

議 事

1.地域産業保健センター事業の見直しにつ いて

今村常任理事から、先程唐澤会長からも説明 があったが、この度は、突然の様々なお願いの文 書を出させていただいて、ご迷惑をお掛けした ことお詫び申し上げたい。最初に、地域産業保 健センター事業の見直しについて、これまでの 経緯を含めてご報告をさせていただきたいとの 挨拶があり、早速資料に基づき説明があった。

1)平成19 年〜 20 年度

平成19 年〜 20 年度に、19 の労働局に対し 「平成14 〜 18 年度に係る地域産業保健センタ ー事業等に関する会計検査院の実地検査」が行 われた。そのうち15 の地域産業保健センター に対して、直接、会計検査院の実地検査が行われ た。その結果、金額の多寡に係らず、全ての地域 産業保健センターに対し、不適正経理の指摘が なされ、不適正金額を各労働局へ返還するよう 求められた。

2)平成21 年12 月14 日

厚生労働省担当者が来館し、次のとおり報告 がなされた。

参議院本会議(H21.7.1)において、平成19 年度決算に関する議決が示された。

厚生労働省の委託事業における不適正経理の 多発が指摘され、地域産業保健センター事業に ついても言及がなされ、厚生労働大臣より再発 防止策を講じることが求められた。これを受 け、従来郡市区医師会で受けていたものを、平成 22 年度からの都道府県単位の実施の提案がな され、実施にあたって、事前に都道府県医師会の 意向調査をしたいということであった。

見直しの方向性は同意するが、都道府県単位 の平成22 年度実施は、都道府県医師会、地域医 師会への情報提供、準備時間等が十分でないた め、全国一斉の実施は無理であるとの意向を示 した。地域の実情を把握する必要はあるので、 調査実施については、同意した。

3)平成22 年1 月14 日

厚生労働省担当者が来館し、これまで2 回に わたり調整を行った見直し案が示された。これ まで郡市区医師会から指摘された課題に対し て、見直し案による具体的な改善策が示された。

本センター事業の委託契約に当たっては、公 募・企画競争に参加する必要があり、1 月中に 競争参加資格の申請が必要になるので、都道府 県医師会への情報提供と意向調査に向け、労働 衛生課と調整したが、厚生労働省が「地域産業 保健センター事業の募集は、公募によるため、事 前に特定の団体に情報提供や相談はできない」 との立場を主張したことから、見直し案の取り 扱いについて、合意に至らなかった。

国の委託事業は3 つの方式で行うことになっ ているが、今回は、形の上で国の方では、企画競 争という形で、この事業を出してきている。国 の事業を企画競争の中で手を挙げる為には、競 争資格というものをもっていなければいけない との事で、アンケートの中で、この競争資格を ふれさせていただいた。各都道府県医師会は、 数日しかない中で、いくつかの都道府県は、企 画競争の資格を取っていただいたところである。

しかし、最終的には、厚生労働省は、総務省と 交渉して、今回急にこのような短い時間の中で、事業実施をしていただくということであれば、 今年に限っては競争資格はなくても、公募に手 を挙げることは可能だと言うことを総務省から 了解をもらったということである。

従って、本当に忙しい中で、資格をとってい ただいた県と、そうでない県があるが、実際上 は、同じ条件で手を挙げていただくことは可能 になった。

4)平成22 年1 月20 日

厚生労働省より、平成22 年度の地域産業保健 センター事業案が労働局あて通知された。

しかし、日本医師会にはその報告はなかった。 この事業は、企画競争なので、手を挙げる団体に 対して情報提供を事前にすることは出来ないと の極めて形式的なお話であった。

5)平成22 年1 月22 日

日医より、都道府県医師会産業保健担当理事あ て、アントート調査実施の協力依頼を発出した。

調査結果は、下記とのおり。

6)平成22 年1 月25 日

日医より、都道府県医師会産業保健担当理事 あて、地域産業保健センター事業の競争資格参 加に関する資料等を送付した。

7)平成22 年1 月26 日

本件について、役員会に問題提起し、今後の対 応を決め、各都道府県医師会へ通知した。

地域産業保健センター事業見直しに対する日 本医師会の対応について、1)平成22 年度から の実施可能な医師会(10 医師会)、2)見直し案 に賛同するが平成22 年度からの実施が困難で ある医師会(12 医師会)、3)見直し案に対して 賛同いただけない医師会(25 医師会)につい て対応を示した。

企画競争の公示が2 月19 日となっている。 今後、労働局がこの事業について公示を行うが、 公示期間は2 月19 日〜 3 月1 日、企画書は3 月 3 日までに提出することになっている。3 月3 日までに手を挙げて、この事業を受託する場合、 費用が概算払いということで予算が下りてく る。ところが、3 月3 日以降に手を挙げて契約す る場合、いわゆる精算払いということで、事業の 実施の結果に応じて支払われることになり、一 時的に、県医師会の立替え払いが生じてくる。

日本医師会も事業について、細かい説明は出 来ないが、今後の話の進め方については、労働局 から県医師会に説明に行くと思うので、先程の 3 月3 日までの間に出来るだけ、良く情報をとっ ていただき、最終的な判断をしていただきたい と思う。労働局も県医師会以外に受託できると ころは想定されないと思う。しかし、今年度は 無理というのであれば、有効団体のようなとこ ろに手を挙げていただいて、暫くやっていただ くことも良いと考える。

この有効団体とは、都 道府県の産業保健推進 センターのことである が、統括されている労働 者健康福祉機構とはあ る程度、お話をさせてい ただいており、県医師会 で困難というのであれば、この部分をしばらく 担うことも考えなければいけないという事で、 前日に返事をいただいている。

しかし、これも県医師会が大変なように、産業 保健推進センターも今まで全く実施していなか った事を、いきなり受けるという話になるので、 大変さという意味では同じであり、そこは、労働 局と県医師会が良く話しをしていただき、又、産 業保健推進センターとも話をしていただきた い。どういう役割を担っていただくのか、推進 センターが実施するにしても県医師会はいろん な形で積極的に関与していただきたい。

従って、県医師会がどうしても無理な場合の 受け皿という形でのものはないわけではない。事業の実施の方向そのものは県単位で、企画競 争でやるという事は国が決めてしまっており、 その中で、郡市区医師会には大きな変化はなく、 県医師会には新たな負担をかけることになる。 現実的に、今年度から無理な県は、産業保健推進 センターでということで、話を進めていただい ているところである。

なお、厚生労働省は、事前に特定の団体に情報 提供は出来ないとのことで、本日参加されてな い。ご意見があれば分かる範囲で回答させてい ただきたいと思う。

以上の説明の後、各県より次のとおり意見が 挙がった。

<質疑応答>

●埼玉県医師会:埼玉県医師会が受託者となる と、県内9 ヶ所の地域産業保健センターを纏め るとなるとその事務量は膨大となり、人件費な どを含めた予算が必要となる。今回の一番の問 題点は、県の職員がやる場合に、その人件費をど うするかと言う問題である。県医師会がコーデ ィネーターを雇う場合、委託費から賄えるのか、 その辺のところを教えていただきたい。

又、資料に示したように、埼玉労働局が2 年 に亘り会計検査院の監査を受け、その受託事業 者の地域産業保健センターに会計検査院の監査 が入った。

○今村常任理事:行政の問題点については、労 働局だけの問題だけではなく、国のそれぞれの 基準というものが都道府県の現場で、実はバラ バラになっている。ここはきちんと徹底して、 同じ基準でやってもらわないと困る。基準の徹 底をしたい。

又、会計検査院の監査については、労働局と 話をするというのは、現実的には不可能で、会計 検査院は、絶対的権限をもっており、財務省も反 論できない組織になっている。

予算については、今の段階では説明できない。 各都道府県の労働局と良く話し合いをしていた だきたい。メンタルヘルス問題もあり、予算も増 えていると思うが、日医としても働きかけたい。

今回の件については結果的に、労働局が楽に なると思うが、最初申し上げたように、この委託 事業の契約が347 もあるやり方で非常にイレギ ュラーな形で実施されており、これを出来るだ け少ない契約でという国の大きな方向性の中で 決まっている部分がある。労働局がこのように したいから、こうしようという話ではないと考 える。

●神奈川県医師会:先程の都道府県の産業保健 推進センターの活用については、昨年からセン ターは予算が3 割減という話であり流動的であ る。センターが受けるのは無理ではないか。又、 県医師会が受託した場合、統括コーディネータ ーを確保しないといけないということであるが、 人件費について、具体的にどう考えているか。

○今村常任理事:日医は、47 都道府県の産業保 健推進センターに意見を聞く立場にはないの で、統括である労働者健康福祉機構とお話をせ ざるをえない。本部の方は、引き受けるつもり は有っても、現場で難しいというケースはある。 しかし、大事な事業を担うという事で、その存在 意義が出てくるということも機構は考えてお り、機構から産業保健推進センターで受けても 良いという情報である。

又、統括コーディネーターについては、常勤 ではなくても非常勤の形もあり得る。役割も地 域産業保健センター数の違いなど、規模の差に よると考える。

本件について、日医も性急な話で、県医師会が 大変な思いをされるということは重々分かって おり、当初からこのような性急な話はのめない ということで対応している。しかし、郡市区医 師会が事業を出来ないと困るので、とりあえず、 出来る範囲で情報提供しながら、実施していた だけるようなところがあればお願いしたい。日 医から強制は出来ない。ただ、今回この会議で 先生方とお話をさせていただかないと前に進め ないので、宜しくお願いしたい。

●大阪府医師会:本件については、都道府県の 産業保健推進センターに受けて貰いたいと思 うが。

○今村常任理事:最終的には、いろんな予算的 なもの等条件がそろえば、日医としては県医師 会に受けていただきたいと思うが、産業保健推 進センターが受けるのはあくまでも臨時的なも のだと考えている。とりあえず平成22 年度実 施が無理であれば、産業保健推進センターを考 えてもらいたい。永久的に産業保健推進センタ ーで実施してもらうことは考えていない。

●愛媛県医師会:日医からのアンケートについ て、1 月28 日に各地域産業保健センターに確認 したところ、全ての地域産業保健センターがこ れを機会に受けたくない(協力できない)との ことであった。この場合どのように考えて良い か伺いたい。

○今村常任理事:この情報も伺っている。347 の地域産業保健センターも2 年前にこういう形 での手挙げ方式になった時に、今まで頼まれて 必死になって実施して来たが、監査の問題も含 めて実施したくないという声は、全国で相当出 された。県単位でやるやらないは別として根本 的な問題はずっと続いており、基準監督署は説 明に回られお願いをして来たという経緯がある。

今まで県医師会が関与しなくても良かった県 もあったが、今回県医師会が手挙げするような 形になってご苦労を掛けている。

今後出来ないものを県医師会から郡市区医師 会にやってほしいという権限はない。それは、 日医が県医師会に強制してやっていただくこと は出来ないということと全く同じである。そこ は労働局が、現場の労働者に対するサービスを 提供して頂くために、地域産業保健センターに 説明し、お願いし納得して頂くしかないと思う。

先生方から、郡市区医師会にどうしてもやっ てほしいとは申し上げられないのは分かるの で、それはそれとして厚生労働省に伝えたいと 思う。

●宮城県医師会:今回の案については、厚生労 働省が県医師会に、「細かいことは言わない。 予算を任せる」というような事を約束していた だければ、県医師会としては引き受けることで、 関係団体を纏めていきたいと思うので、宜しく お願いしたい。

○今村常任理事:本日のことは、厚生労働省に お伝えしたいと思う。

2.日医認定産業医制度について

今村常任理事から、資料に基づいて、「日本医 師会認定産業医制度実施要領の改定」につい て、次のとおり説明があった。

昨年の労働安全衛生法における産業医研修に 係る指定法人制度の見直しに伴い、産業医研修 については、「労働安全衛生法及びこれに基づ く命令に係る登録および指定に関する省令(登 録省令)」に基づき実施することとなった。登 録省令の施行に伴い、基礎研修実施者について は、日本医師会が国からの指定を受け、日本医師 会から都道府県医師会に日本医師会認定産業医 制度基礎研修の事業を委託する方式に改定し た。これに伴い、都道府県においては、平成21 年4 月10 日付日医発第30 号(地U 8)および 日医発第31 号(地U 9)をもってご依頼したと おり、日本医師会と研修実施の委託契約を締結 していただいているところである。

こうした中で、平成21 年7 月に、登録省令に 基づき日本医師会が厚生労働省に対して申請お よび届出手続きを行ったところ、この度、厚生労 働省より改善点の指摘を受けた。これを受け、 本会の産業保健委員会ならびに日本医師会認定 産業医制度運営委員会において検討した結果、 日本医師会認定産業医実施要領案が取り纏めら れた。そして本改定案を本会理事会において協 議した結果、承認された。実施要領の主な改定 内容および基礎研修の主催者における他の法人 の関与については次のとおりである。

(1)改定内容

1)認定証の交付

基礎研修修了者に対して、労働安全衛生規則 第14 第2 項第1 号に規定された研修を修了し た旨が記載された認定証を交付する。なお、基 礎研修と同等以上のカリキュラム(産業医科大 学の産業医学基本講座)修了者および認定産業 医の更新申請者については、従来の認定証を交 付する。

2)基礎研修会の趣旨

日本医師会認定産業医制度基礎研修会は、労 働安全衛生規則第14 条第2 項第1 号に規定され た研修として実施するということを明記した。

3)研修時間

1 単位は1 時間であることを明記した。

4)日本医師会認定産業医制度産業医学研修会 申請書・報告書の様式の改定

協力団体の記入欄を設けた。

(2)基礎研修の主催者における他の法人の関 与について

産業医研修の業務を行えるのは、指定産業医 研修機関である日本医師会のみである。ただ し、都道府県医師会は日本医師会から産業医研 修の業務の一部を委託されているため、日本医 師会の産業医研修を実施することができる。従 って、日本医師会の産業医研修に都道府県医師 会以外の法人等(郡市区医師会、労働者健康福 祉機構、産業医科大学、産業医学振興財団、中央 労働災害防止協会等)が関与する場合は、都道 府県医師会と同様の位置付けにはならず、「協 力」または「協賛」などの位置付けとなる。

続いて、(財)産業医学振興財団から、資料に 基づいて、「産業医研修事業の改正」について 説明があった。

(1)改正の趣旨

労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る 登録及び指定に関する省令(昭和47 年労働省 令第44 号)の改正(平成21 年3 月30 日厚生 労働省令第55 号)に伴い、「産業医要件充足の ための法定の産業医研修に対しては、国の補助 金等は拠出できない」ことになった。これによ り、(財)産業医学振興財団が都道府県医師会 に委託する産業医研修事業について制約を受け ることになり、改正が必要になった。

(2)改正の骨子

1)産業医基本研修の廃止

産業医基本研修は、「日本医師会認定産業医 制度の基礎研修会」と「産業医要件充足のため の法定の産業医研修」に相当するので廃止する ことになった。

2)資質向上研修(リフレッシャー研修及び特定 科目専門研修)の取り扱いの変更

資質向上研修は、その多くの研修会が基礎研 修会と生涯研修会を兼ねる方式で開催されてい るので、資質向上研修の開催に要した経費を基 礎研修会受講者数と生涯研修会受講者数の割合 により按分し、生涯研修会受講者数相当分の経 費を産業医研修の委託費から拠出できるものと する。

なお、基礎研修会と生涯研修会を兼ねない方 式の場合は、後者の生涯研修会の開催の経費は 委託費から拠出できる。

3)実施時期

平成22 年4 月〜 9 月開催分は、従来どおりの 取り扱いとし、同年10 月以降の開催分は上記1)及び2)によることとする。

4)その他

産業医研修事業の委託費は、従来どおり、概算 払い又は清算払い(都道府県医師会の選択)と する。産業医研修事業計画票は2 月末〜 3 月上旬 頃を目処に発出。産業医研修大綱及びマニュア ル(平成19 年)を改正し、4 月以降に送付予定。

閉 会

今村常任理事から閉会の挨拶があり協議会を 終了した。

印象記

金城忠雄

理事 金城 忠雄

政権交代により、国の各種事業仕分けや見直しが行われている。厚生労働省関連の事業も例外 ではない。小規模事業所の健康管理を対象にしている地域産業保健センター事業も見直されるこ とになった。

平成22 年1 月20 日、厚生労働省から「平成22 年新会計年度の地域産業保健センター事業見直 し案」が労働局に通達された。平成22 年4 月からの産業保健事業の見直し案の具体的な実施計画 である。そのことが、今回の慌ただしい医師会の反応、突然「都道府県医師会産業保健担当理事 連絡協議会」が招集された理由である。

産業医選任義務のない労働者数50 人未満の小規模事業所の産業保健サービスの充実目的に、こ れまでの郡市医師会347 ヵ所の地域産業保健センター委託契約を各都道府県単位に47 ヵ所に集 約させることである。

平成22 年1 月20 日厚労省通達、委託契約までのスケジュールは、2 月19 日に公示と説明会、 3 月3 日締め切り、契約決定が3 月5 日と非常に性急である。

こんな突飛なことができるはずはない、断れと激しい意見があった。

国からの予算枠は、約3,500 万円と決まっている企画競争入札になる。参加できるのは、都道 府県医師会か労働者健康福祉機構の推進センターかである。

勿論、改善が期待されることはある。郡市医師会は、事業を直接には受託しないので、健康相 談窓口サービスに専念できる。謝金は、業務を行った者に直接、県医師会が支払うので郡市医師 会は、会計監査などわずらわしさから開放される。都道府県内のコーディネーター間の連絡や情 報が普及して産業保健サービスが平準化が期待できるなどである。

唐澤会長が力説するように「国民の生命、健康を守ることは医師会の使命である」小規模事業 所の健康管理が後退することは極力避けねばならない。

各地区医師会地域産業保健センターと協議し、県医師会はこの新事業を無理をしてでも引き受 けることになるのだろうか。