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6 回目の寅年を迎えて

嶺井進

嶺井第一病院 嶺井 進

あけましておめでとうございます。

昨年、国内では生活重視を訴えた民主党が政 権を取り、海外にあっては変革を主張したオバ マ氏が大統領となった。いずれも世界大不況の 暗い気持ちを一新する出来事であったと思う。

鳩山政権は、無駄が多く効率の悪い行政か ら、子育て、人材育成に重点を置き、中央政府 による画一的な行政から地方に各々適した制度 に舵をとりつつある。また、世界に向けてCO2 25 %削減を宣言し評価されている。

民主党の医療界に関する政策をみると医療費 削減を中止し、医師数を50 %増員する、介護 職の手当を増やす等となっている。

これまでの自民党政権は、目覚ましい戦後復 興を成し遂げ、経済大国を築きあげてきたが、 長期政権のおごりもあって、官僚の跋扈をゆる し、国民生活を重視せず、国民の意見をくみ取 れなくなってきた。今後は国民の目線に立った 政党になることを希望する。

我々医師会は、今後どの政党にも組みせず、 国民の健康を守る専門家集団の立場から是々 非々の提案や提言をしてもらいたい。そしても っと国民から信頼される医師会を目指すことを 希望する。

メディアで失業率の悪化と自殺者の増加が報 道されている。新政権には弱者救済の社会のセ ーフティネットの強化も期待したい。

江戸時代まで国民の80 %は農水産業であっ たが、現在は5 %まで減少している。このよう に社会のニーズに応じて国民の労働力はその配 分が変わる。近年、高齢社会を迎え、医療福祉 分野の人材ニーズがかなり高まっている。さし あたって大幅な医師、看護師、介護士の増員が 急がれる。

民主党政権は社会のニーズに柔軟に対応して いると思われるので、今後を待ちたい。