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骨髄バンク推進月間(10/1 〜 10/31)に寄せて

友寄毅昭

沖縄赤十字病院内科 友寄 毅昭

骨髄移植は移植する細胞が再生能のある造血 幹細胞であるため生体間移植で行われ、ドナー は血縁者間なら1 〜 65 歳、非血縁者間では20 〜 55 歳までが対象年齢です。その点が固形臓 器の移植と異なり、ドナーは原則(生存してい る)健康な方になります。骨髄移植は白血病や 再生不良性貧血など化学療法や免疫抑制療法の みでは治癒することが困難な血液疾患などに主 に行われる治療です。骨髄バンクのドナー登録 者数は341,818 人(2009 年7 月現在)と目標 の30 万人を超え、実際にこれまで日本骨髄バ ンクを介したドナーからの移植実施数は 10,759 例(2009 年7 月現在)と累積1 万例を 突破しました。しかし、まだ登録した患者さん 全員に最適なドナーが見つかるわけではありま せん。現在、2,617 人の患者さんが骨髄バンク に登録しています。骨髄移植でドナーと一致さ せる血液型をHLA(human leukocyte antigen)( ヒト白血球抗原)といいます。HLA に はA, B, C, DP, DQ, DR のサブクラス(座) があり、その中でもHLA-A, B, DR が移植成 績に関わると言われていました。一つの座に2 つの型(両親から遺伝をうけるので)があるの で計6 つの型が一致するドナーが遺伝的に適し たドナーと言えます。しかし、最近の調査では HLA-C 座の一致度も移植成績に関わっている ことがわかりました。血清型という大雑把な型 があったドナー候補からアレル型(遺伝子型) を調べて一致者(1 座不一致までなら適)を探 します。さらにそのドナー候補者の提供する意 思を確認し、同意があれば確認検査(一般的な 血液検査)を実施します。適格条件を見たし、 最終同意を得られたらようやく骨髄採取術の準 備(術前検査や自己血貯血など)が始まりま す。確認検査などでドナー候補者の健康状態が 理由で提供できないことも少なくありません。 沖縄県はメタボリックシンドロームの方も多 く、これまで検診を受けていない方ではドナー 検査で初めて異常を指摘されることもありま す。国内バンクで適したドナーがみつからない 場合、希望者は海外バンクに登録を広げます。 日本のドナー登録者は30 万人をこえましたが、 まだ登録患者さんの中には国内バンクで適した ドナーが見つからない患者さんもいます。骨髄 バンクに登録している患者さんのうち国内バン クに登録しているのが1,397 人に対して海外バ ンクに登録している患者は1,220 人います。

沖縄県はドナー登録数の割合が最も高く、登 録対象年齢(18 〜 54 歳)人口あたりの登録者 数は全国が5.69 / 1,000 人に対して沖縄県は 14.85 / 1,000 人です。確かに沖縄県ではドナ ー登録数は多いのですがドナーは基本的に健康 な方にお願いをする医療行為です。ドナーとし て提供する気持ちはありがたいのですが、自分 の健康にも留意する気持ちも大切です。こうい った点からドナー登録者は目標を達しました が、まだまだドナー登録を募集していますし、 併行してドナーとして提供できるためにも県民 が健康に留意する興味が高まる機会になればよ いと思います。