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理想の指導医

安藤美月

琉球大学医学部附属病院卒後臨床研修センター
安藤 美月

早いもので研修医生活も2 年目となった。今 までの約15 ヵ月間、私は琉球大学医学部附属 病院をはじめ、県立宮古病院、オリブ山病院に て臨床研修を行い、実に多くの先生方に医療に ついてはもちろん、コミュニケーションの重要 性、生死について等、多くのことを御指導いた だいた。そして私は自分の研修医生活はとても 有意義なものになっていると自負している。今 回は『研修医が理想とする指導医』ということ で、自分であれこれ考えてみたが、研修医も十 人十色、いろいろなタイプがいる。ここに述べ る理想像はあくまで私が理想とする指導医であ り、すべての研修医が私と同じように感じてい るかどうかはわからない点を御了承いただけた らと思う。

『理想の指導医』だが、私個人的には、1)話 しやすく質問しやすい、2)分かりやすく基本か ら指導してくれる、3)困った時には相談に乗っ てもらえる、また連絡がとれる、4)間違ったこ とをした際にはそれをしっかり指摘してくれる 指導医を理想としている。机の上の勉強とは違 い、ベッドサイドに立ち医療を学んでいく立場 に立つと、思いもよらなかったことに疑問を感 じ、悩むことが多々ある。そういった時、指導 医の先生がとても話しづらいと、こちらも萎縮 してしまい、「こんなことを聞いたらバカだと 思われないか?」などとくだらない事を考え質 問出来ず、答えも見いだせないまま、うやむや に終わらせてしまうことがある。もちろん、そ うであっても第一に患者のことを考え、どんな に指導医に笑われようが質問すべきであろう が、協力を得られず、挙句の果てに一喝された 際には、その指導医に次、質問することはない と断言してもいい。そのことが診療に影響を及 ぼさなければよいが、患者に不利益を与えるよ うなことでもあれば目も当てられない。指導に あたる先生方には出来れば私達がどんなにくだ らない質問をしたとしても、笑顔で馬鹿にせ ず、一つ一つ説明してほしい。またその際の説 明がとてもわかりやすいと、その場で疑問をす ぐに解決できる上に、脳裏に焼き付いてきっと 一生忘れないであろう。そして将来、自分の後 輩が同じようなことを疑問に思った際には自分 も同じことを感じたことがあると笑顔で説明で きるであろう。

困った際には連絡が取れる指導医という点だ が、診療、教育と多忙な指導医にとっては、ず っと研修医の傍にいろという事は事実上無理な 話である。研修医たるものは患者のバイタルの 微々たる変化にもその後が予想出来ずに不安の 塊の中で生きている。かくなる私も一年目の4 月、まだろくにライン取りも出来ない時に、患 者が目の前で「ちょっと胸が痛い気がする」と 訴えた時は真っ青になって慌てふためいたもの である。指導医と連絡が取れても、そんなこと で電話するなと頭ごなしに怒られてしまうと、 次に本物のバイタル変化などが起こった際には 私達は指導医に連絡しづらくなってしまう。そ んな時は身の振りかまわず、患者を第一に考 え、怒られようが指導医に連絡を取り、また連 絡が取れない際には周りに助けを求めるべきだ と考えるが、指導医に連絡を取る時点で尻込み をしてしまう研修医も中にはいると思う。そう ならない為にも、研修医が不安で連絡をした際には、なぜ不安に思っているのかをくみ取って ほしい。もちろん私は決して研修医には常に優 しくしろと訴えているわけではない。中には非 常識な行動をとる研修医もいると思う。その際 にはその研修医の将来を思って、なぜ私達が間 違っているのかを指摘してほしい。そこで文句 を言うような研修医であれば、指導医としても 決して面白くはないであろうが、その研修医は 人間として、そのレベルでしかないのだ。

基本的に私は有名病院、無名病院、どんな病 院で研修をしようが、そこで良い研修を受けら れるか否かは、すべて研修医一人一人の『やる 気』にかかっていると考えている。つまり私達 研修医がこんなことを学びたい、経験したいと 自分の意思表示をはっきり示せば、指導医から はそれ相応のフィードバックはしっかりあるも のである。研修医自身が積極的な態度を見せな い限りは指導医からは得られるものも得られな いと思ってはいるが、研修医も十人十色、きっ と自分からうまく表現できない人もなかにはい ると思うし、私のような考えでない人も多くい ると思う。しかし基本的には大半の研修医は指 導に当たる先生方の人間味ある、熱い指導を求 めていると思う。少なくとも私は求めている。

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