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第36 回沖縄県学校保健・学校医大会

宮里善次

理事 宮里 善次

平成21 年3 月1 日『第36 回沖縄県学校保 健・学校医大会』が開催された。講師は国立病 院機構福岡病院小児科の柴田瑠美子先生で、 『学校における食物アレルギー児への対応と除 去食』をテーマにご講演をして頂いた。

今回の講演の主旨は「アレルギーをもつ児童、 生徒の対応について医師、養護教諭などが共通 の認識をもつことが重要である。食物アレルギ ー児への対応と除去食について最新の知見を伺 い、学校現場での適切な対応と今後の学校保健 活動の充実に資したい」である。

柴田先生は厚生労働省科学研究班による『食 物アレルギーの栄養指導の手引き2008』の検 討委員でもあり、当を得た人選となったため か、日曜日開催にも関わらず、100 人近い出席 があった。

さて、内容については細かく多岐にわたるの で柴田先生の掲載論文をご参照頂きたい。

今般最も問題となっているのは、食物アレル ギーでアナフィラキシーショックをおこしたこ とのある児童について、エピペン(エピネフリ ン)の処方と適切な使い方、除去食などの環境 創りである。

エピペンの使用は養護教諭または教師が注 射しても医療法上問題ないとの見解であるが、 学校現場では統一見解が得られてない現状で ある。

食物アレルギーによるアナフィラキシーショ ックは蜂刺の超即時型とことなり、30 分ほどの 時間がかかるので、沖縄県の救急体制であれば、 早期発見早期救急搬送で解決可能と思われる。 その為には、学校に一番近い救急隊と密に連絡 を行っておくことが必要と思われる。

会員の先生方のお手元に既にあると思われますが、厚生労働省科学研究班による食物除去の 指示書(診断書)と『栄養食事指導示箋』を掲載 します。

記載した時は診断書と同様な取り扱いが可能 です。