常任理事 真栄田 篤彦
去る1 月10 日(土)沖縄ハーバービューホ テルクラウンプラザにおいて、平成21 年沖縄 県医師会新年祝賀会が開催された。今回は、例 年を上回る多数の参加申込みをいただいたが、 当日この冬一番の寒さとなり欠席者が多く、会 員77 名、家族46 名、来賓等60 名と例年並み の参加となったのが残念であった。
初めに玉城信光副会長から開会の辞が述べら れ、その後引き続き宮城信雄会長から次のとお りご挨拶を述べた。
宮城会長挨拶
「新年あけましてお めでとうございます。本 日は、2009 年の新春を 寿ぐ沖縄県医師会新年 祝賀会を開催いたしま したところ、仲里副知 事をはじめ、ご来賓の 方々、会員並びにそのご家族の皆様方多数ご参 加いただきまして衷心より感謝申し上げます。
昨年は、日本経済が回復を見ないうちに、米 国でのサブプライムローン問題に端を発した 100 年に1 度といわれる金融危機が瞬時に全世 界を駆けめぐり、その煽りを受け更に厳しい経 済状況に至っております。
医療界においては、社会保障費の自然増年間 2,200 億円の機械的削減が強行され続け、医療 現場は非常に疲弊し、医師不足・偏在は、産 科、小児科医療、救急医療をはじめとする地域 の医療に深刻な影響を及ぼしております。この 様な医療崩壊の現状から、麻生総理は、昨年暮 れの予算編成にあたり、ようやく2,200 億円の 圧縮は限界にきているとの認識を示し、抑制の 見直しを示唆しておりますが、残念ながらまだ 撤廃すると断言しておりません。
また、昨年4 月に実施された後期高齢者医療 制度は、年金問題も絡んで、国民、特に高齢者 に疑問と不満の波が広がりました。医療を年齢 で区別するのは問題であるとの指摘もありますが、日本医師会が当初から主張していたように 保険ではなく保障との考えをもとに、高齢者が 長生きしてよかったと思える制度に作りかえる 必要があると考えます。
社会保障の充実は国民誰もが最も望む事であ り、憲法でも保障されております。国民の健 康・福祉の充実があってこそ、国家の発展が望 めるものであります。社会保障費、とりわけ医 療費の財源確保を具現化するために、我々が力 を一つにして事に臨むことが最も肝要でありま す。沖縄県医師会といたしましても、日本医師 会や関係機関と連携して地域医療再生に向けて 誠心誠意頑張って参る所存であります。
一方、県内では、県立病院のあり方の問題が 審議され、マスコミでも種々報道されておりま すが、実際に審議に加わっている私どもは、県 立病院のこれまでの実績、機能等を十分評価し ております。その上で引き続き県立病院が継続 していくためにはどうしたらいいのかというこ とを基本に議論を進めております。皆様方にお かれましても、県立病院が、今後如何に県民の 福祉向上のために健全な運営ができるか、お考 えいただきたいと思います。
さて、昨年、永年会員が待ち望んだ新会館が 落成いたしました。新会館が会員の拠り所とも なり、医師会活動が今まで以上に活発になるも のと期待するとともに、「地域に根ざした活力 ある医師会」を更に推進し、沖縄県の医療活動 の拠点として資するよう、県民の保健・医療・ 福祉の向上に邁進する所存であります。
最後になりますが、医療を巡る情勢は依然と して混沌とし、今後も困難な状況が予想されますが、我々に与えられた崇高な使命である、「県 民のための良質な医療提供」が全う出来るよう、 会員並びに関係各位のより一層のご協力をお願 いすると共に、平成21 年がご参会の皆様にとっ て明るく希望に満ちた一年になるよう心から祈 念致しまして、私の年頭の挨拶と致します。」
続いて、仲井眞弘多知事が訪米中のため出席 いただけず、ご名代としてご出席いただいた仲 里全輝副知事が、来賓を代表して仲井眞弘多知 事からのご祝辞を代読された。
仲井眞知事挨拶(仲里副知事代読)
「新年おめでとうご ざいます。宮城信雄会 長を始め、社団法人沖 縄県医師会の会員の皆 様には、平素から沖縄 県の保健、医療、福祉 の向上に御尽力をいた だき、深く感謝申し上げます。
さて、沖縄県の保健医療水準は、沖縄県医師 会を始め、国や多くの関係団体の御理解と御協 力により年々向上しております。
一方、沖縄県民の健康状態は、男女共に肥満 割合が高く、生活習慣病の増加が懸念されるほ か、平均寿命の全国順位が低下するなど、健 康・長寿の邦沖縄に新たな課題が提起されてお ります。
沖縄県におきましては、長寿世界一復活に向 けたアクションプランである「健康おきなわ 21」に基づく、県民一体の健康づくり運動を展 開するほか、「保健医療計画」を改訂し、効率的で切れ目のない医療提供体制の構築に取り組 んでいるところであります。
県としましては、今後とも、沖縄県医師会を 始めとする関係機関・団体の皆様とともに緊密 な連携を図りながら、健康・長寿沖縄の維持継 承と、総合的な保健医療体制の確立に全力を尽 くしたいと考えております。沖縄県医師会並び に会員の皆様には、なお一層の御支援、御協力 をお願い申し上げます。
結びに、社団法人沖縄県医師会のますますの 御発展と、お集まりの皆様にとりまして、新し い年が良い年となりますよう心から祈念しまし て、新年のごあいさつといたします。」
続いて、宮城会長、新垣代議員会議長他6 名 の来賓による鏡開きが賑々しく行われ、来賓を 代表して須加原琉球大学医学部附属病院長が次 のとおり挨拶された後、乾杯の音頭をとられた。
須加原琉球大学医学部附属病院長乾杯挨拶
「皆様あけましてお めどうとうございます。 皆様には健やかに新年 を迎えられたこととお 慶び申し上げます。 2009 年の沖縄県医師会 の乾杯のご指名をいた だき大変光栄に存じております。医師会や県の 皆様におかれましては、長い間本県の健康長寿 のため日夜ご尽力されておりますことに深く敬 服しているところであります。また、沖縄県医 師会の新会館ができたことを契機に尚一層県民 の長寿復活のために猛進されるよう期待しております。琉球大学においても岩政学長並びに佐 藤医学部長とともに少しでも健康福祉向上に手 助けが出来るよう努力していきたいと存じます。
病院長に就任して、県民に信頼される大学病 院を目指して、県医師会はじめ医療関係者、県 の皆様と地域連携を強く進めております。これ までのご支援・ご協力に対し、この場を借りて お礼を申し上げます。
現在、全国28 大学及び県内外の医療機関と 連携した質の高い専門研修プログラムを立ち上 げております。このプログラムが軌道にのって 医師をはじめコメディカルを含めた循環型の研 修教育システムが出来たら、沖縄県の医療問題 の解決の道を開くことができ、県立病院或いは 関係医療機関とともに地域医療に貢献できるの ではないかと期待しているところであります。
これまで以上のご支援・ご協力をお願いする とともに、沖縄県医師会及び会員の皆様の健康 と益々のご発展を祈念いたしまして乾杯の音頭 をとらせて頂きます」
その後、本県のジャズ界の重鎮でありますポ ール石垣さん他4 名のメンバーで構成された 「ポール石垣サウンドクラブ」による洗練され たジャズ演奏の中、祝宴が和やかに行われた。
福引きで幸運を射止めた方は、21 名おられ たが、1 等賞(液晶テレビ)は石川秀夫先生 (石川眼科医院)、2 等賞(自転車)は比嘉国基 先生(豊見城中央病院)、3 等賞(ミニコンポ) は平良直樹先生(天久台病院)であった。
最後に小渡副会長より2009 年が明るい年に なるよう祈念する旨挨拶があり、閉会となった。
乾杯
ポール石垣サウンドグラブ
宮城会長と会員の方々
1等を当てた石川秀夫先生
2等を当てた比嘉国基先生
3等を当てた平良直樹先生