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第50回地区医師会連絡協議会

仲間健二

八重山地区医師会
会長 仲間 健二

平成20 年11 月29 日(土)午後6 時より、 石垣全日空ホテル&リゾートにおいて第50 回 地区医師会連絡協議会が開催されました。2 年 前に法人化された八重山地区医師会主催によ る、初めての協議会開催となりました。各地区 医師会の皆様には、ご多忙の折り、遠路はるば るご参加いただき有難うございました。

医師会長会議に続き、6 時30 分から八重山 地区医師会の金城浩副会長の司会進行のもと、 協議会が開催されました。

はじめに、「八重山地区の医療の現状と課題」 と題して、私の方からスライドに基づき次のと おり発表を行いました。

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引き続き、県立八重山病院の伊江朝次院長よ り当時の新聞記事を交え「慈善病院〜沖縄県立 病院59 年の足跡」と題して、先輩医師の苦闘 の歴史を中心にスライドを用いてご説明がなさ れました。(一部、時間の都合で割愛されたス ライドも含んでいます)

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引き続いて、宮古地区医師会池村眞会長、中 部地区医師会安里哲好会長、沖縄県医師会玉 城信光副会長、県立八重山病院伊江院長、南部 地区医師会名嘉勝男会長から、医師確保、離島 医療の格差問題、経営問題、臨床研修制度、県 立病院のありかた部会、独立行政法人化等につ いて活発な討議が行われました。次いで、県医 師会の宮城信雄会長よりご挨拶およびコメント を頂きました。最後に、次期開催予定の中部地 区医師会の安里会長よりご挨拶があり、協議会 は終了致しました。

その後、8 時過ぎから隣の間で懇親会が行わ れました。各地区医師会長からのご挨拶もいた だき、和やかなうちに交流を深めることができ ました。

翌日は、小浜島リゾートハイムルミラージュ カントリークラブにてゴルフコンペが開かれ、 更に親睦も深まり、大変有意義な二日間となり ました。

最後に、各地区医師会へのアンケートの結果 を報告いたします。

<設問>県病院事業局が検討している、県立病 院の医師手当廃止について

北部地区医師会 … ?どちらとも言えない

〔意見〕・医師手当を廃止した後、どの様なこ とが起こるのかを想定(離島・僻 地へ医師が行かなくなる等)し対 応策を十分に検討をすべきである。

中部地区医師会 … 反対

〔意見〕・医師手当を廃止すれば県立病院に 勤務を希望する医師が減り、沖縄 の医療崩壊に拍車をかけることに なる。
       ・全て廃止は反対であるが、僻地手 当等については考慮の必要性あり (本島内に比べ高額である)。
       ・全て廃止には反対であり、離島に ついては医師手当を継続して頂き たい。

※以上のような意見があり、協議の 結果、中部地区医師会理事会の総 意としては、医師手当の廃止につ いては反対である。

浦添市医師会 … (未回答)

〔意見〕詳細を承知しておりませんので、 反対・賛成、具体的に申し述べられませんが、
      ・理事会の総意として
      医療崩壊(特に地方の)、地域 格差が叫ばれる昨今、それに繋 がるような状況になるのかどう か、もしそうであれば反対です。

那覇市医師会 … 反対

〔意見〕県立病院全体の医師確保が困難に なるので反対

南部地区医師会 … 反対

〔意見〕離島医療における医師の確保は今 なお厳しい状況にもかかわらず、 離島勤務医手当を削減すること は、これまで離島医療を支えてき た医師のモチベーション低下につ ながると同時に離島勤務への抵抗 感を増幅させ、離島勤務離れが進 むことが予想される。
      よって離島勤務手当の縮小およ び廃止については反対である。

宮古地区医師会 … 反対

〔意見〕1)医師確保がさらに困難となる。
       2)現場の士気が下がる。
       3)県の財政がきびしいのなら、市 町村にも応分の負担を考えても らう。しかしこの議論は後の事 である。

八重山地区医師会 … 反対

〔意見〕・過去〜現在と長年に亘り医師確保 が困難な状況の中で、益々医師の 確保が困難となる。

<設問>県医療審議会「県立病院のあり方検討 部会」で審議されている、宮古・八重山病院を 独立行政法人化する意見について

北部地区医師会 … ?どちらとも言えない

〔意見〕・現在、既におきている都市部と離 島・僻地での医療格差、県立病院の本来の役割をせず経営重視の独立 行政法人と同じ経営方針・将来展 望に進んだ場合、都市部と離島・ 僻地の医療格差が加速する事も踏 まえ十分に検討をすべきである。
      ・北部医療圏も離島・僻地を抱えて おり県立病院の役割は高く評価し ている。

中部地区医師会 … 未定

〔意見〕・宮古・八重山病院の現場の意見が 通りやすいのではないか。
       ・病院の裁量権が増すので、行動が 早くなる。
       ・人口の少ないところで経済効率を 優先させてはいけない、住民の健 康を守るということから考えない といけない。
       ・現状がよくわからない。
       ※以上のような意見があり、協議の 結果、中部地区医師会理事会の総 意としては、この問題は現状を把 握した上で慎重に審議すべきであ り、現段階では賛成とも反対とも 意見を纏められないことで意見が 一致した。

浦添市医師会 … 反対

〔意見〕県立、公立病院の独法化には、そ れなりの意味があり、基本的に評 価できます。しかし、特に宮古、 八重山地区においては、都市部と 異なり、公立病院の役割はまだま だ多いと思われます。同地区にお ける独法化は、更に検討を要する 課題で、現在は時期尚早ではない か、と考えます。

那覇市医師会 … (未回答)

〔意見〕法人化の是非については判らない が、離島医療を守るため、医師、 看護師不足が起こらないように行 政から最低限の補填は必要である。

南部地区医師会 … 反対

〔意見〕離島にある県立病院が独立行政法 人化すると医師の確保も独自で行 う必要が出てくるため、当然のご とく経営は厳しい状況に追い込ま れ、最終的には撤退の可能性も出 てくる。
      これまで離島医療を支え続けて きた県立宮古・八重山病院につい ては、今後とも中核病院として存 続させるべきと考える。

宮古地区医師会 … 反対

〔意見〕1)医師確保が困難となり、離島医療 が崩壊する。
       2)赤字医療、不採算部門の医療が切 りすてられる。
       宮古としては、医師確保と離島 医療、地域医療が担保されれば経 営形態は問わない。しかし、独法 化は県立病院を大きな開業医に変 化させる危惧がある。

八重山地区医師会 … 反対

〔意見〕本島都市部では大型民間病院が多 く医療体制は充実しているが、八 重山地域では24 時間全診療科の 救急対応や、重症患者の受け入れ に関して、現在の県立病院以外で は対応困難である。地域のコンセ ンサス無くして独立行政法人化は 時期尚早である。

印象記

玉城信光

副会長 玉城 信光

11 月29 日石垣へ行った。県医師会の仕事では一昨年の全国医師国保大会の観光案内でいって 以来である。今回は多くの方を案内しなくてよいので気が楽である。

全日空リゾートホテルで会議がもたれた。八重山地区医師会の主催で初めての地区医師会連絡 協議会である。石垣に各地区から多くの役員が集った。八重山地区医師会の仲間会長から八重山 地区の現状報告があった。詳細は仲間会長の報告を参照してほしい。

八重山も医師が増えてきており、医療機関は34 施設あり医師数も94 名(平成19 年6 月現在) にのぼる。10 年くらい前までは20 数名ほどであった会員が人口の増加とともに増えてきている。 本土の方も多いようである。

人口10 万人当たりの医師数では全国平均は206 名で八重山はまだ176 名である。しかし沖縄県 は全国を追い抜いて208 名になっているのだ。(臨床研修制度のおかげかもしれない)

八重山の医療従事者を増やすためには地元三高校の進路指導への働きかけ、琉大、自治医大、 看護大学等へ特別枠確保を要請したいと述べた。

医師手当廃止問題について各地区医師会にアンケートをとったが、反対ないしはどちらともい えないとの回答が多いが、八重山地区においては医師確保が困難な状況であることを考慮して反 対としている。

独立行政法人化については離島・へき地医療の実状を考慮して欲しいとの意見である。

伊江八重山病院長から八重山病院の歴史を教わった。昔も今も医師確保が院長の大きな仕事で あり、あり方検討委員会でもそのことを十分に考慮いただきたいと述べた。

宮古からは八重山と同様の問題を抱え、宮古病院の今後のあり方に大きな関心を抱いている。 また同様に医師確保が重要課題であると言われた。医師確保に関しては沖縄の3 つの研修群の連 携が大切でそのプログラムの中から離島へ興味を抱く医師を多く育てる必要があると意見が交わ された。

皆の大きな関心ごとは県立病院のあり方、八重山病院の今後である。公営企業法の全部適用の現 在を検証しないでいきなり独立行政法人化は早すぎると伊江院長の発言もあるが、各地区の先生方 も独法化の中身を余り理解されていないようである。時間がなく私の説明も舌足らずであった。今 後マスコミとの懇談会などを通じて広く議論し改革のあり方を医師会員に広報したいと思う。

会議のあとは八重山の料理を楽しみながら、各地区の先生方と交流が深まった。その後2 次会、 3 次会と深夜3 時まで石垣の夜を楽しんだ那覇市の先生がいたらしい。不況の波が押し寄せる昨 今、先生方のおかげで石垣への経済効果は甚大なものがあったであろうと推察される。