沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 1月号

将来の夢

野村謙

国立療養所沖縄愛楽園
野村 謙

娘がまだ幼かった頃、

「大きくなったら何になりたい?」と聞いたら、

「お花屋さん」と娘、そして続けて・・・

「お父さんは大きくなったら、何になりたい の?」ときた。

「んっ?」「お父さんはこれ以上(体が)大きく なったら大変なことになるよ。」と苦笑いした。

いつの頃からか『将来の夢』を聞かれなくな り、そして自分も『将来の夢』を考えなくなっ ていた。『将来の夢』があるって羨ましいなと 思う。いくつになっても『大きくなったら、○ ○になりたい。』って言えると楽しいと思う。

10 年前あることをきっかけに、日記をつけ ようと思った。たまたま、書店で見つけた10 年日記を購入して書き始めた。毎日つけるよう に心がけているがそうはうまくいかない、1 行 の日もあれば1 週間分以上をまとめて書くこと もある。何とかかんとか、今年でとうとう1 冊 終わることになる。

毎年1 月1 日の夜、家族全員に新年の抱負を (半強制的に)宣言させて書き込んでいる。「ホ ームランを1 本打つぞ!」、「うしろあやとびの 3 回を成功させたい。」、「野菜をたくさん食べた い。(一部を除く)(笑)」、「ピアノ全国大会に 行くぞ!」、子供たちの目標は楽しい。自分は というと「健康に注意したい。」、「ウォーキングを始めるぞ。」、「お腹を小さくしたい。」、「髪 の毛の手入れに気をつける。」などなど、まっ たく「トホホ」状態である。

何かウキウキする事、そう大人の『将来の 夢』―「大きくなったらなりたいもの」―はな いだろうか。

小学校の頃、とてもパイロットになりたかっ た。高学年でめがねになりパイロットになれな いとあきらめたときの悲しかったことは今でも 心のどこかに残っている。

『夢』を語る際に、自分的には『パイロッ ト』は外せない。今からでも、自家用操縦士に はなれるチャンスがあるかもしれない。時間と 費用が超かかるからそんなの無理、―なんてこ とをいっていては夢は語れない。『自家用操縦 士』―これはいいかもしれない。

とにかく空に関することは好きだ。空を眺め て季節の移り変わりを感じることも楽しい。雲 の種類やその流れ、変化に富む空の色・・・今 見上げている雲は、衛星写真ではどの辺を観て いるのかとか、イベント時にチェックする気象 庁ホームページの「解析雨量・降水短時間予 報」で観られる、地域の雨雲の動きは実に興味 深い。

そんなことからすると『気象予報士』―これ もまた面白そうじゃないか。

もっと身近なところでは、「洋画を字幕なし で観れるようになりたい。」、しゃべれないまで も聞くだけなら何とかなりそうじゃないかと考 えるのは浅はかか?

また、日記の新年の抱負にほとんど毎年のよ うに登場する、「楽器演奏に挑戦する。」―これ はホントに挑戦だけで終わっている情けない状 況(汗)。ここは一念発起して楽器演奏をもの にするか?いや1 曲弾けるようにする。う〜ん、 何か段々スケールが小さくなってる〜っ!

今年は年男だし、年の初めに楽しい夢をたく さん見てもいいのかもしれない。12 年後の還 暦の次回、この紙面に運良く登場できるとした ら、どんな自分になっているのか心配でもある が、楽しみでもある。はてさてどうなっている ことやら・・・

何はともあれ、『謹賀新年、今年もよろしく お願い申し上げます。』