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今年は・・・

大湾勤子

沖縄病院 大湾 勤子

年頭には、昨年も無事に過ごせたことを感謝 し、新しい年も1 日1 日を大切に重ねていくこ と、そしてしたいと思うことを可能な限り挑戦 していこうと思っている。

元々学生の頃から旅行が好きで毎年出かけて いた。夫の米国留学中にも、米国内を何か所か 旅行した。その後最近までは仕事や子育てで手 いっぱいで、学会へ行くのがやっとであった。 それでも学会先では、仲間内でおいしい食事に 舌鼓をうち、当地の名所などを訪ねるとよい気 分転換になった。

4 年前、忙しい毎日から解放されたい衝動で、 新聞広告で見かけたアンコールワット旅行を申 し込んだ。最初家族を誘ったが、仕事の都合 や、学校の日程があわないと断られ同僚と一緒 に出かけた。10 月の末、遅い夏休みをとって4 泊5 日の旅に向かう心は解放感にあふれうきう きしているのが自分でもわかった。器械音痴の 私が初メールを夫に送ったのが出発前であり記 念すべき瞬間であった。

アンコールワットのあるシェムリアップの土 地は、暑く、土埃まみれになりながらの観光で あったが、貧しくも素朴な人々の素顔に出会 い、世界遺産としての素晴らしい寺院群を訪ね 感動の毎日であった。その上携帯電話が通じな いので日常から解放されたのが新鮮であった。

沖縄に帰ったのは朝9 時であったので、その まま午前中のうちに仕事にもどった。暦上仕事 を休んだのは2 日間。海外といっても日程によ っては長期間休まずとも出かけられることがわ かった。以来、年に1 回は遠方へプライベート な旅に出かけるようになった。

3 年前はイスタンブール、カッパドキアへ5 泊6 日の旅に出かけた。このときもインターネットで短い海外旅行を探し、キャンセル待ちで 申し込んだ。もちろん家族を誘ったが夏休みの 期間は終わっていたので、一人で出かけること になった。直行便で12 時間ノンストップであ る。以前と違って長時間の飛行機の旅は結構き つかった。

イスタンブールはアジアとヨーロッパの中継 点で両方の顔をもっており、人々は親日派が多 く友好的であった。アジアといってもイスラム 色の強い文化であり極東の我々とは異なってい る。モスク(寺院)の装飾芸術が素晴らしくト ルコブルーがいたるところ目につく。トルコ料 理が世界3 大料理の一つだということも恥ずか しながら初めて知った。歴史の中で重要な位置 を占め現在でも国際都市として世界中から多く の人々が訪れている。機内でアメリカ人の夫婦 と隣り合わせた。彼らはエーゲ海沿いを旅して きたらしい。景観の美しさや歴史のある建造物 などを見て感動したこと、また訪れたいことを 興奮して話していた。よっぽど気に入ったに違 いないと思いながら、私も居心地の良さを感じ ていた。

カッパドキアでは気球にのって、独特の地形 を利用して住居を形成しているさまを見た。と ても寒かったが(10 度前後だったと思う)、自 然の造形の美しさに目を奪われ感動した。自分 の小ささを思った。またそれまで興味のなかっ たトルコ石がとても好きになった。

去年も、新聞広告でみつけたニュージーラン ドの5 泊6 日の旅を申し込んだ。今度は娘を同 行した。この旅もキャンセル待ちで出発2 週間 前をきって決まった。忘れ得ない珍道中となっ た。米軍の飛行訓練が飛行航路上にあるとのこ とで、出発時になって航路変更のアナウンスが あった。予定より遅れてニュージーランドのオ ークランドに着いた。あわてて国内線に乗り継 いだものの悪天候で飛行中大揺れ。着陸を2 回 試行していたが機体が大きく傾いて叫び声があ がり初めて怖いと思った。目的地に降りられ ず、着陸地から目的地までバスの旅8 時間。翌 日には観光の目玉であったフィヨルド観光が雪 崩のためキャンセルになった。しかし翌日は快 晴となりマウントクックの氷河遊覧飛行ができ た。氷河に降り立ったときはこの数日の不幸は 帳消しにされた。

今度はオーロラ観光にもう一度ニュージーラ ンドを訪ねたいと思った。娘にもいい刺激にな ったようで以来英語の勉強に熱がはいってい る。さて今年はどこへ行けるか・・・?

チャンスがあれば今年もまた知らない世界を 旅したいと思っている。