沖縄県立中部病院内科・感染症グループ
遠藤 和郎
数年前から元旦と誕生日に、その年の計画と 決心を1 冊のノートに記すことにしている。そ のノートの2 ページ目に以下の記載がある。
地球が出来て46 億年。地球の歴史を1 年 365 日に例えると、微生物が誕生したのが4 〜 5 月ころ。人類が誕生したのは45 万年前、すな わち12 月31 日の22 時ころ。さらに人類が文 化をもったのは1 万年前と言われているので、 我々が人としての体をなしたのは大晦日の23 時57 分ころになる。地球上でもっとも新参者 の私たちが、母なる地球を汚している傲慢を感 じざるを得ない。
次に、人の一生を1 日24 時間に例えてみる。 私の寿命を80 歳とすると、1 年は18 分、10 年 で3 時間となる。生まれおちたのが午前0 時、 小学校入学は1 時48 分、20 歳は午前6 時であ る。ちょうど朝目覚め、社会に飛び出そうと準 備する時間になる。30 歳は午前9 時。1 日の仕 事の始まり、エンジンがかかった頃。この時私 は中部病院での研修を終え、県立宮古病院に勤 務していた。エネルギーに溢れ、未熟さゆえに 周囲との軋轢をものともせず、前だけを見て進んでいたころだ。40 歳は正午、たっぷりの昼 食と同僚との語らいから沢山のエネルギーを得 て、午後に向けて力を蓄える。60 歳は18 時。 ようやく一日の仕事が終わる。そのまま帰宅し 家庭を楽しむ人、もう一歩進んで新たな仕事に 着手する人が分かれる時間帯。70 歳は21 時。 多くの人がリラックスする時間。75 歳は22 時 30 分。今日一日を振り返りながらウトウト居 眠りを始めるころ。そして80 歳は24 時。深い 眠りにつく。
私は丑年生まれ。今年48 歳になる。すなわ ち14 時24 分を迎える。何とも中途半端な時間 だ。気になる患者のデータフォロー、机の上の 書類整理、稟議書への押印、メールへの返事、 そして会議への出席。だんだんベッドサイドか ら遠い仕事が増える。臨床と管理的仕事を行き 来する毎日。
私が沖縄に来たのは22 歳、朝のカンファレ ンスの始まる午前7 時30 分すぎ。沖縄での生 活の大半を県立中部病院で過ごし、すでに7 時 間あまりが過ぎた。随分きつい仕事もしてきた が、凡夫の私を人並みの医師に育ててくれた沖 縄に心から感謝している。帰宅時間までにはま だ時間がある。もう一仕事できそうだ。そろそ ろ自分中心の仕事から、県立病院にご恩返しの 仕事をする時間帯に入ってきた。今年はそんな 年の始まりにしてみたい。
筆を置こうとした時に大切なことに気がつい た。そろそろガタのきはじめた私と言う時計 は、いつ壊れるのか私にも分からない。24 時 を迎える前に止まってしまうかもしれない。正 月早々縁起でもないという方が居られるかもし れないが、正月だからこそ決意を新たにしなけ ればならない。大切なことは、いま、ここで、 自分自身が、具体的に何をするかだと。