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ちゃ〜がんじゅ〜沖縄へ

奥島しょう子

ハートライフ病院
メディカルサービスセンター(非常勤)
奥島 しょう子

新年明けましておめでとうございます。今年 が皆様にとりましても、より良き一年となりま すように・・・

さて、〈新春干支随筆〉なるものの原稿依頼 をいただいたのが昨年の9 月。干支に当たる会 員から干支に因んでの抱負・近況報告をとの ことでした。干支に因んで?? 丑年だから、 何?(食べてすぐ横になると今年の主役になれ るぜ!イェ〜ぃ!なんちゃって・・・)今どき (?)干支を意識するのは年賀状を書くときく らい、還暦ならまだしも、四十八はいかにもこ じつけのような、、、いやいや、せっかくのご指 名を無視するわけにもいかない、、、そんなこん なで9 月にして新年の抱負を考えることになり ました。

Case1 :人間ドック廊下での受診者と職員の 会話。

「○○さん、次は保健師による健康相談です」 「え〜、もういいですよ。毎年同じ話しかしな いし、言われること分かってるし〜、何か変わ った話でもしてくれるんですか〜」「もう〜○ ○さんよ〜、毎年結果が変わらないから同じ事 言われるんでしょ。まずは、聞いていって下さ い。」「はぁ(ため息)」

Case2 :某企業での面談(健康相談)中の会話

中くらいなメタボ体型の管理職A さん。高血 圧と糖尿病の薬を飲んでいるがコントロールは 今一つ。そのことを指摘すると、、、「先生、ボ クの主治医は昔からの知り合いなんだけど、ボ クより太っていてね、『あんたねー、運動もして やせないといつ倒れるかわからんよー、酒も減 らさんとねー』って言うんだけど、よっぽどそ っちの方が顔も赤くしてさ、汗かきかき患者さん診ているのよ。なんだか、話ながらゼーゼー 息切れもしちゃって、先生大丈夫かいなって、 先生もダイエットしないとやばいんじゃないっ て患者のボクの方が心配しちゃうんだよね。ハ ッハッハー」「・・・」「運動っていうけどさ、疲 れて帰ってなかなか出来んでしょ。先生はやっ てるの?」(オ〜とこっちへきたか(心の声))

『メタボ』という言葉が、老若男女に広く認 知され、腹囲に注目が集まっている昨今、二つ のケースに共通する『分かっちゃいるけど、、、 (CM にもあるように)♪好きなお酒はやめら れぬ〜♪好きなケーキもやめられぬ〜』は、健 康相談をしているとよく耳にすることです。が、 どの程度分かっているのかは???で、意外と 思いこみでモノをいっている人も多く、一人一 人良く噛んで含んで話をする必要があると日頃 から感じています。一部の勤勉な方をのぞき、 運動などは、ウォーキング何分、週何回が効果 的といって、本格的に始めようと気負ってしま うとかえって機会を逸したり、続かなかったり するのが世の常です。だから、先ずはハードル を下げ、続けられればなんでもいい、すぐに出 来そうなこと(それぞれの生活範囲で活動量を 増やすこと)例えば、階段を使う、歯磨きしな がらスクワット、テレビを見ながら腿上げ、ス トレッチ、腹式呼吸を行うなど本人にも考えて もらい、とにかく始めることがポイントだと説 明します。食事も普段よく食べているモノのこ れだとこれ位減らせば月1 s減などと具体的に 知っていれば実践しやすいでしょう。こんな風 に『今年』は、メタボ+ その周辺グループを言 葉巧みにその気にさせる共感できるような『よ り効果的な保健指導』を目指そうと考えていま す。一人でも多くの脱メタボ健診者をふやし “ちゃ〜がんじゅ〜沖縄へ”Go ! 食べてすぐ 横になったらメタボだイェ〜ぃ!

追:昼夜をわかたず重いテーマと直面してい るDr.から見ればお気楽に見えるかもしれませ んが、疾病の予防、未病対策もまた医師の守備 範囲とご理解いただければ幸いです。