副会長 玉城 信光
去る7 月31 日(木)、県庁3 階第3 会議室に おいて標記連絡会議が行われたので以下のとお り報告する。
議 題
<提案要旨>
男女共同参画社会基本法が成立して早10 年、 他業種ではどの程度浸透しているか分からない が、医療面では昨年、沖縄県医師会に女性医師 部会が誕生した。その設立の趣旨には、女性医 師の働きやすい環境整備を求めていくことが含 まれている。
具体的な施策の一つとして、院内保育所の整 備拡充がある。必ずしも女性医師だけでなく、 看護師や病院に勤務する他職種の女性にも、更 には男女共同参画社会の視点から言えば男性に とっても重要なことだと考える。不規則な勤務 を余儀なくされている医療従事者にとって、解 決できれば朗報であり、医師不足や看護師不足 問題の解決の一助になるものと考える。
県として具体的な動きがあれば、どの様なも のかを教えて頂きたい。無ければ、早めに計画 を立て、実行に移して頂きたい。
<医務・国保課医務看護班(新垣医務国保課長)回答>
院内保育所施設整備事業は、「病院内保育所」 を新たに開設するために新築・増改築等を行う 病院及び診療所に対する補助事業として、平成 20 年度より新たに設けられた
事業であるが、昨年度、当該補助事業の希望 について調査を行ったが、特に希望がなかった ため、平成20 年度は予算措置を行っていない。 来年度以降、希望する施設があれば国に対し予 算要求を行いたいと考えている。
また、参考までに厚生労働省所管の「病院内 保育所運営事業」などの補助事業もあるので是 非ご活用頂きたい。
なお、当補助事業は、病院及び診療所に従事 する職員のために保育施設を運営する事業(病 児等保育を含む)に助成する内容で、医療従事 者の離職防止及び再就業を促進することを目的 としている。
その他、県内の医療機関で院内保育施設を設 置している病院を資料に纏めてあるので、ご確 認頂きたい。
<主な意見・質疑>
○県医師会:沖縄県医師会女性医師部会でも、 女性医師の働きやすい環境を整備していくた め、9 月に県内病院長等との懇談会を予定して いる。院内保育所の問題も出てくるので、中頭 病院で実施している院内保育所の概要について 宮里理事から説明をして欲しい。
○県医師会:中頭病院では5 年程前から院内保 育所を設置している。
看護師の離職の理由に「子育て」が多かった ため、25 年前から「院内保育所が必要か」確 認を取っていた。その頃は未だ必要なかったが 5 年に1 度の割合で確認し、5 年前に「是非設 けて欲しい」との意見が多かったので設置に踏 み切った。
対象とする職種は、女医と看護師に限定し、 院内への保育施設へ呼び込むために補助も加え た。また、子育て就労支援策としては、授乳時間はいつでも業務を離れることを許可し、風邪 などの症状の際には院内の小児科6 名の誰かに 連絡が繋がるよう手配した。また、夜勤につい ても出来るだけ同じ日になるようシフトし、そ の日だけ保育所を延長するなど工夫を行った。 病児に関しては、小児科医の立場から病気の時 位はお母さんが側について欲しいと考えてお り、出来る限り休ませるようにしている。その 甲斐あって、現在離職者は殆どない。
○県医師会:今回の提案は県公務員医師会から の要望であり、他でもなく県立病院である。離 職防止並びに看護体制などについて是非ご検討 頂きたい。民間は色々工夫している。
○福祉保健部:いろいろ検討してみたいと思う。
補助制度については、病院事業局でも利用で きないことはないが、議会で公平な立場から利 用者の職種を限定出来ないのではないか等、 種々課題が出てくるとの意見があった。
○県医師会:今後、女性医師部会でも勤務環境 の整備に向け、色々活動して行くので、何か情 報があれば報告したいと思う。
<提案要旨>
県立中部病院、県立南部医療センターでは、 看護師不足のために病棟運営に支障を来たし、 病棟閉鎖に追い込まれている病棟がある。国は、 病院の高機能性を発揮するために7:1 看護基準 を提示しているが、県立病院の定数管理では、 7:1 の看護基準を実現することは不可能であり、 日常的に救急救命センターから搬入される重症 患者への対応は、現在の10:1 の看護体制では非 常に厳しいものがあり、看護師の定着を阻害す る悪循環の大きな原因とすらなっている。
県は県立中部病院、県立南部医療センターが 基幹病院として高度多機能を発揮させるために も、定数条例の改定をも視野に入れて、看護師 の確保が出来るように検討をして頂きたい。
また、7:1 基準になると、民間病院ではさら に看護師が不足することは明らかであり、看護 師養成が極めて重要だと考えているが、県立浦 添看護学校が民間移譲される事を含めて、県と して今後の看護師養成についての考えをお伺い したい。
<県立病院課(新垣医務国保課長)
回答:定数管理について>
新垣医務国保課長より、本日病院長会議の日 程と重なり、県立病院課が参加出来ないため、 下記説明を持って回答とさせて頂きたい。
県立病院の看護体制は、一般病床において は、患者10 人に対して看護職1 人、精神病床 においては、入院患者15 人に対して看護職1 人の配置をしている。
7 対1 看護の配置については、看護師の負担 軽減や患者サービスの面からも、改善効果があ ると考えているが、職員定数については、条例 で定められており、昨今の厳しい行財政改革の 流れを踏まえると、更なる職員の定数増は厳し いものがある。
また、現行の10 対1 看護配置においても看 護師確保が十分ではない状況にあることから、 当面は、現体制の維持・充実を図ることが先決 だと考えている。
なお、今年度の職員選考採用試験において、 一般教養試験の廃止及び受験上限年齢の撤廃に より、受験者数を確保するとともに、ベテラン ナースの採用により病院現場の戦力の向上及び 教育に要する負担軽減等による労働環境の改善 をめざしている。
さらに、看護師を確保するために、今年度か ら東京における就職説明会の開催及び学校訪問 を実施するなど、県外においても看護師確保を 積極的に展開している。また、欠員の多い、臨 時的任用看護師および嘱託看護師の確保をすす めるため、求人誌とタイアップし、出産や育児 等で、一旦退職した看護師を対象とした県立病 院への就職説明イベントの開催に向けて準備を 行っているところである。
<医務・国保課医務看護班(新垣医務国保課長)
回答:看護師養成について>
現在、沖縄県においては、5 つの養成所及び 3 つの大学で看護職の養成が行われている。
平成21 年度は、浦添看護学校と那覇看護専 門学校に看護師3 年課程が新設される予定と なっており、これにより県内の看護養成校の 入学定員は平成18 年度の470 名から250 名増 の720 名(進学課程の40 名を除く)となる見 込みである。
また、県においては「沖縄県行財政改革プラ ン」に基づき、行財政改革に取り組んでおり、 民間でできることは民間でという役割分担のも とに、県立浦添看護学校の民間移譲に向けて準 備を進めているところである。
浦添看護学校の民間移譲については、看護師 進学課程(2 年課程)及び設置予定の看護師3 年課程を引き継ぐことや中長期的に安定的な経 営を行うことなどの条件を付すこととしてお り、経営主体が県から民間に移行した後も、こ れまで同様、看護学校として存続し、看護師を 養成していくこととしている。
一方、県は、看護職の養成・確保策として、 看護師等就労促進事業、看護師等修学資金貸 与事業、民間看護養成所への運営費助成等の事 業を実施している。
また、潜在看護職員の再就業を促進するため に沖縄県ナースセンター事業により、求人・求 職紹介を行うナースバンクや現在就労していな い看護職員の職場復帰を容易にする看護力再開 発講習を実施している。
さらに、県は、実習指導者講習会等を開催す るとともに、看護大学において島嶼看護の高度 実践指導者の育成を図るなど、看護職員の育成 を図っていく考えである。
<主な意見・質疑>
○県医師会:職員定数については、条例により 難しいとの説明は理解出来る。しかし、厳しい 行財政改革の流れにより、更なる定数の増は厳 しいとの説明は間違っている。
7 対1 看護の導入は収入の面でプラスになる はずである。収入を増やすための一つの方法と して民間では多くの機関が導入している。必要 なところに増やすのは当然のことである。
○福祉保健部:今の給与体系で7 対1 看護の導 入は慎重に考えたい。暫くは収入増となるが、 後々マイナスとなる。
○福祉保健部:大きな流れについては、今県立 病院のあり方を検討しているのでその中で検討 されると思う。
○県医師会: 7 対1 看護は県病の赤字解消に役 立つことは間違いないが、やり方の問題であ る。赤字を解消すべく、人件費を適正にし、そ れでもって7 対1 看護を導入すれば赤字は解消 されるだろう。それを実行したのが那覇市立病 院である。定数条例を変えることは困難に近い ため、やはり人件費を適正化すべきである。し かし、民間としては県立病院に7 対1 看護が導 入されると非常に困る。
○県医師会:那覇市立病院は、多額の赤字を解 消出来た最も大きな要因として、職員全体に危 機意識が芽生えたことを指摘している。県立病 院でも各人がそういう気持ちになれば成功する と思う。市立病院は、本土から優秀な人材を受 け入れることなく、内部での改革を行った。全 体的に給与を減らし、7 対1 看護を導入した。 今では経営が健全化しているとのことである。
○県医師会:南部医療センターは非常に高度な 医療を行っているにも関わらず10 対1 で賄っ ている。そのため現場のナースはかなり疲弊し ていると思う。この提案そのものが南部医療セ ンターからの提案である。
○福祉保健部:県内の看護養成校の入学定員は 平成20 年の560 名から平成21 年には720 名と なり、増員(160 名)が見込まれる。平成21 年度課程変更により看護師3 年課程を開設する 養成校は、県立浦添看護学校(1 学年定員80 名)と那覇市医師会那覇看護専門学校(1 学年 定員80 名)となっている。
○県医師会:浦看3 年課程の認可はいつ頃か。 認可後すぐに民間移譲できるのか。
○福祉保健部:平成21 年4 月開校の予定であ るが、当面(3 年)は県の運営である。移譲さ れる民間は、国に対し新しく設立許可を得なけ ればならない。開設許可を受けるまでに約2 年 の期間を要する。予定では平成24 年4 月に民 間移譲となる。
○福祉保健部:浦看の昼間定時制については、 看護学校の調査結果から働きながら学ぶ生徒が いなかったので閉じた経緯がある。
○県医師会:県は、今回はじめて看護職養成数 について「進学課程を除く養成数」を提示し た。これまでは、進学課程の学生数も加えて、 充足する見通しと説明してきた。
○福祉保健部:浦看を民間にする最大のメリッ トは、国や県から補助が出ることである。補助 額は約4,500 万円あり、国と県でそれぞれ1/2 毎負担する。現在、浦看は一般財源から総額2 億円支出している。1/10 で済む。
○福祉保健部:県の役割は、指導者や教員の育 成など、民間で出来ない部分に取り組みたいと 考えている。別科についても徐々に専門職種を 養成できるコースを増やしていきたいと考えて いる。
ナースバンクについては、年間200 名の就業 に繋げている。
通信課程については、九州管内の養成校へ協 力を依頼したところ、本県でスクーリングを開 催して頂ける学校(2 校)が挙がり、募集も多 数あがり非常に良い感触を得ている。
○県医師会:民間移譲については、条例が通ら なければ移譲が出来ない。頓挫して廃校になる ことが無いよう是非お願いしたい。
<提案要旨>
新型インフルエンザの発生が懸念されてい る。国においては今年度に入って5 月の感染症 法の改正、6 月の与党プロジェクトチームによ る「鳥由来新型インフルエンザ対策の推進につ いて」が発表され、国家の危機管理の問題とし て取り扱われている状況である。
沖縄県では平成19 年12 月に新型インフルエ ンザ対策行動計画の改訂を行い、現在は具体的 なマニュアルづくりにとりかかっているところ である。その中で医療対応について、新型イン フルエンザの患者を診療する発熱外来のあり方 と、入院医療体制の整備について部内で話し合 って案をまとめたので、提示させて頂きご意見 を賜りたいと考えている。新型インフルエンザ は、発生した場合にいかにその被害を最小に抑 えるかが重要と言われている。今後とも対策を 協議して県民への感染拡大を防ぐ努力を続けて いく所存ですので、医師会の先生方の多大なる ご協力をよろしくお願いする。
<主な意見・質疑>
○県医師会:新型インフルエンザが発生した場 合に職場の欠勤率が最大で40 %に上ると予測 されているが、社会の機能等どのような影響が でるのか。また県医師会が具体的に対応する発 熱外来において専門の先生の協力や専門外の先 生の協力。専門外の先生はどのような準備をし なければならないのか等まだまだいろいろな問 題を考えていかなければならない。
○福祉保健部:実際に八重山で発電所の職員が 一斉に17 人インフルエンザで休み仕事ができ なくなった例があるなど各企業に対し対策を練 らなければならない。
○県医師会:沖縄県内で一人でも発生した場 合に「新型インフルエンザ」を1 類感染症と同 じ措置にし、県知事命令で沖縄県民を県外へ 出さないなどの対策が必要。また、南部地区は 人口65 万人に対し10 箇所対応できる医療機 関があるが、中部地区は64 万人の人口に対し て4 箇所しかないのでこれから対応を考えねば ならない。
○福祉保健部:沖縄県内で一人でも発生した場 合のプレパンデミックワクチンとタミフルの不 足が懸念されているがその件に関しては、まず 国と話し合って沖縄県分の確保をする。また、 「はしか“0”プロジェクト」により封じ込めや追跡調査の確立、また前回のSARS 騒動時の対 応のようなイメージを持っておけば新型インフ ルエンザにも対応できるのでなないか。これか らも医師会と連携を図りながら対応していく。
印象記
副会長 玉城 信光
去る7 月31 日(木)、県庁3 階第3 会議室において標記連絡会議が行われた。
1.院内保育所について
女性医師の働きやすい環境づくりの一環として、院内保育所の設置について沖縄県はどのよう に考えているのか質問した。
医務・国保課からの回答は「病院内保育所」を新たに開設するために国の補助事業として、平 成20 年度より新たに設けられている事業と厚生労働省の「病院内保育所運営事業」の2 つの事業 があり、県内で希望する施設があれば利用できるとのことである。
沖縄県医師会女性医師部会でも、9 月に県内病院長等との懇談会を予定しており院内保育所の 件も話題にする予定である。
院内保育所は本当に必要なのか。これまで病院長と話した中では保育所をつくった病院もあっ たが、利用者の減少とともに廃止になったことを聞いていた。
中頭病院の宮里院長が県医師会の理事でもあり、今回の連絡会議に参加しておりその意見を聞 くことが出来た。
詳細は報告に述べられているが、私が話を聞いて感動したのは、子供が病気をしたときには子 供を病児保育に預けるのではなく、お母さんを子供のために休ませることにしているとのことで あった。これが理想的な姿であると感じた。
翻って自分の施設はと考えたときに、同じことをしていることに気づいたのである。子供が熱 を出したので誰々さんが休みます。いつものことである。小さな組織は残りのスタッフで一時的 なカバーをしないといけない。沖縄県の企業でこのようなことが出来る様になると、夜間に救急 病院を訪れる小児科の患者も減るであろう。
中頭病院ではその他の支援も行っている。他の病院でそのようなことが出来るのか。病院の質 を問う大切な事業である。
今回の提案は県公務員医師会からの要望であり、県立病院で手厚い保育所、就業環境の整備が できるのか、大きな議論が必要なところである。
2.看護基準7:1 問題を含めて、県立病院における看護師不足問題について質問した。
病院は7:1 看護体制を追求しているが、県立病院においては10:1 看護の確保も出来ない状況にあ る。現状では職員定数条例がある上に、昨今の行財政改革の流れから定数増は難しいといわれた。
今年度の職員選考採用試験において、一般教養試験の廃止及び受験上限年齢の撤廃により、ベ テランナースの採用に積極的に動いている。さらに、今年度から東京における就職説明会の開催及び学校訪問を実施するなど、県外においても看護師確保を積極的に展開していると回答された。
看護師養成について福祉保健部からは現在、沖縄県においては、5 つの養成所及び3 つの大学 で看護職の養成が行われていて、平成21 年度の県内看護養成校の入学定員は平成18 年度の470 名から250 名増の720 名(進学課程の40 名を除く)となる見込みである。将来的には看護師は充 足する予定である。しかし当面は潜在看護職員の再就業支援などを行っていくと述べられた。
本来、県立病院や公的病院での看護師の需要が伸びるとき、看護師を養成していくべきなのは 民間の養成所か、公的な養成所の役目なのか、民間に委託することが多くなるのであれば、民間 への補助金の増額など今後も議論が必要であろう。
3.新型インフルエンザの発生時における医療体制について福祉保健部からの質問があった。
沖縄県では平成19 年12 月に新型インフルエンザ対策行動計画の改訂を行い、現在は具体的な マニュアルづくりにとりかかっているところである。発熱外来のあり方と、入院医療体制の整備 について医師会がどのように関わっていくのかとの質問があった。
医師会ではまだ具体的な行動の指針がない。八重山では発電所の職員が一斉に17 人インフルエ ンザで休み仕事ができなくなった例があり企業では具体的な行動計画をたてる段階にきている。 医師会もどうするのか福祉保健部とともに具体的な行動計画をつくらなければならない。
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