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雑感

平良達三

耳鼻咽喉科たいらクリニック院長
平良 達三

我が家には一匹の猫がペットとして同居して いる。名前はミーと言い、どこにでもあるいた って単純な名前である。ミーは茶トラの雄であ る。彼が我が家の一員となったのは2 年前から であるが生後3 年経過しているので人間の年齢 でいえば20 歳ぐらいに相当するらしい。もと もと野良猫であったが縁あって我が家の一員と なった。彼との出会いは私のクリニックの駐車 場である。クリニックに隣接してコンビニエン スストアがあり、いつも多くのお客さんでにぎ わっている。また小、中学校が近く、コンビニ エンスストアの前が登下校の通学路となってい るため生徒達の店への出入りも多く見受けられ る。夕方の下校時間帯にはクラブ活動でお腹を 空かせたと思われる生徒達がコンビニで食料や 飲み物を購入し、コンビニやクリニックの駐車 場でみんなで談笑しながらお腹を満たしている 様子は微笑ましい。この駐車場は子供達を送り 迎えする父兄の車との待ち合わせ場所にもなっ ているらしく車が到着するとめざとく 自分家じぶんち の車をみつけ乗り込み三々五々と家路に向かうよ うだ。もちろん、子供達だけでなく仕事を終え た大人達、職場の同僚と思われる数人のグルー プも駐車場で飲食している姿もある。彼らは時 に車座になって駐車場に座り込み、まるで屋外 で宴会でも催しているようだ。ここからが主役 達の登場である。この主役達とは野良犬であっ たり野良猫である。犬は概して飲食しているヒト様からのおすそわけを期待して周りをうろつ いたり、尻尾を振って愛嬌を振りまき、なんと か餌にありつこうとしているようだ。一方、猫 は性格的に用心深いらしく、めったに人に近寄 ろうとはしない、が食べ物には興味津々で遠く からお座りしてじっと眺めている。ときおり、 食べ物をぽいっと猫の近くへ放ってやると即座 にとびつき口にくわえて遠くへと運んでゆき人 の手が届かない、安全な場所で食事にありつい ているようだ。我が家のミーもその中にいた。 大きな猫達のなかで、ひとりだけ小さな体の猫 がいるのを、たまたま見かけたのが最初の出会 いである。大きな猫達は当然のように餌を自分 がとりこむなか、まだ子供と思われるその小さ な猫は餌にありつけず、いつもお腹を空かして いるように見え、かわいそうに思い隣のコンビ ニでキャットフードを購入し餌付けをはじめ た。それからすこしずつ慣れてきたとみえて猫 を呼ぶときに一般的な名前ミーと呼ぶと寄って くるまでになっていた。それから名前は変わる ことなくミーと決定した次第である。小さい間 はあまり広いスペースは必要とせず、クリニッ クの院長室での飼育であったが、さすがにいつ までもクリニックに置いておくわけにもいか ず、家に同居することとした。猫は普通、家と 外の出入りが多く、家の中だけにじっとしてい ることは少ない。しかも我が家はマンションの 11 階にあり、ベランダを走り回ったりされると 転落する危険性も高いため、はたして家猫とし て飼っていけるかどうか危惧したが、まったく の取り越し苦労に終わった。猫はトイレのしつ けが難しいと聞いていたがその心配もなく、ま た自分の領域を主張するためいたるところ、場 所かまわずマーキング(おしっこをかけるこ と)する習性があるため家の中が動物臭できつ くなりがちであるが、我が家ではその心配は皆 無である。集合住宅でのペットの飼育には色々 な規制がある。近隣住民への配慮等取り決めら れた事項もあり、ペットの登録やペット飼育者 によるペット委員会を設置しているマンション の管理規約もあり、飼育するのはなかなか大変であるが、昨今はペットを飼う家庭がますます 増えておりペットも家族一員とみなすようにな ってきているようだ。毎日の餌やりや飲み水の 交換、更にトイレの清掃と確かにペットの世話 には手が掛かることが多い。また、定期的な獣 医さんでの予防接種もかかせない。しかし、ペ ットとともに暮らすことによる癒しの効果は計 り知れないと言われている。

少子高齢化や核家族化が進むにつれ、癒しを 求めてペットを家族の一員に迎える家庭が増え ているようであるが、最後まで責任をもってペ ットの面倒をみるように心掛けたいと思うこの 頃である。

カメラ目線のミーです。

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