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わが家のベランダ風景

金城幸博

たばる内科胃腸科 金城 幸博

私は5 年程前から那覇市おもろまちにマンシ ョンを購入して住んでいる。わが家のベランダ はL 字形の角が南向きになっていて、側に高い 建物もないため日当たり良好である。但し町自 体が高台にあるためいつも風当たりが強いのが 欠点である。広さは奥行きが1.5 mほどあるが、 購入当時は何か無駄に広く殺風景に感じられ、 ベランダに出たいという欲をそそる場所ではな かったのである。ベランダの壁や床からの陽の 照り返しも気になったため、まず床にウッドデ ッキを敷き詰め、壁にはウッドラティスを張り付け、壁沿いに観葉植物の鉢物をいくつも並 べ、木の温もりと緑の癒しが感じられる場所へ と徐々に変貌させていった。さらに子供用の簡 易風呂桶(60cm × 80cm)を利用して小さな池 を設置して金魚や琉球メダカ(日本メダカの亜 種)を飼い始め、その後も食べたあとのシーク ワァーサーの種を鉢に植え付け(実をつけるに はまだまだであるが、現在、60 〜 80cm の若木 に育っている)、お盆で食べたパインの葉っぱ の部分に芯の一部を付けて鉢植えにして育てた り(これでちゃんと根付いて育ちます。お試し あれ)と、いつのまにか、わが家のベランダは 一端の小庭へと変身をとげていたのである。最 近では、鉢物として購入した樹高60cm 程のシ ークワァーサーの木に直径2cm ほどの実がわず か数個ではあるが実っていて今夏の収穫をとて も楽しみにしている。また桑の小木に季節に関 係なく年何回か赤紫の実が多数なり熟する毎に ほおばるのも私の喜びのひとつとなっている。 ところで皆さんは桑の木の花を見たことがあり ますか。果実はよくご存じかと思うが、花とい うと、はて?と思う方がほとんどであろう。注 意して観察してみると桑の枝に小さなチリチリ とした白い髭状の塊ができ、それが桑の実に成 長していくので、それが花なのであろうと思っ ている。今また新たにグアバの苗木を育成中で あり数年後に収穫できることを夢見て毎日の水 やりに勤しんでいる。

フロ池で飼っていた金魚は池で生まれ育った 数尾に代がわりし(親魚は子供達と入れ替わる ようにまもなく死んでしまった)今年1 尾だけ であるがそれらの子が生まれ元気に育ってい る。ほんとはもっとたくさん生まれたはずであ るが親が食べてしまったようである。メダカも 何代も代を重ね医院の近くの小学校へ教材とし て提供するほどに増えている。さて皆さんは日 本のメダカがダツの仲間である事をご存じです か。メダカは実は意外にもサンマやトビウオ、 サヨリといった海の魚と同じ仲間なのです。最 近は絶滅危惧種として扱われていて確かに野性 のメダカは山原でも見かけなくなっているよう である。外来種のタップミノー(カダヤシ)や グッピーに追いやられた結果、今絶滅に瀕して いるのである。私が子供の頃に池や湿地でアミ で掬った小魚は今思えばすべてタップミノーで あった事から考えるに、昭和30 年後半にはす でに那覇近郊ではメダカはほぼ絶滅状態だった のであろう。学校にはヒメダカというメダカの 改良品種がたいてい飼育されていてメダカを知 らないわけではなかったが、よく考えると野生 種のメダカと初めて出会えたのは今育てている メダカの初代を数年前にホームセンター「サン キュー」で見つけて購入した時であり、たかが メダカではあるが変に感激して子供のようにワ クワク興奮した覚えがある。なお「サンキュ ー」では沖縄の在来種であるフナやタイワンキ ンギョ(トウギョ)、川エビ、ドジョウなども 売っているので興味のある方は一度覗いてみた らよい。

さて他に書く事も思いつかず、つれづれなる ままに我が家のベランダ風景を描写してみた が、全くの私事ゆえここまでお付き合いして読 み通していただいた方には大変感謝申し上げま す。なお、自宅のベランダの池や水槽以外に医 院内でもグッピーやエンゼルフィッシュを飼っ ておりどちらも繁殖して仔魚がたくさんいます ので、もし欲しい方がおられたら医院までご連 絡ください。マニアックな話で申し訳ありませ んが、グッピーはドイツイエロータキシードと いう品種で、エンゼルはブラックエンゼルとオ レンジトップマーブルエンゼルという品種です。

連絡先 たばる内科胃腸科
TEL 098-858-0005